映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

君の名は。

いなかに住む女子高生みつはと東京に住む男子高生タキはある日から一週間に2.3度入れ替わることに…。

なぜ入れ替わるのか、それはみつはの命と街に対する警告だった…!!

 

【ネタバレ】

 

映画館で見た時は、「思ってた新海誠映画と違う。」という印象で楽しめなかった。

内容を知ったうえで改めて見てみると、意味が分かってとても楽しかった。

 

冒頭のタキとみつはのモノローグは、映画後半の隕石が落ちた後の世界の2人のモノローグだった。

大人になって、お互いがお互いの存在を忘れてしまっているけど、でもなんとなくお互いを探しているときの心境。

 

み「朝、目が覚めるとなぜか泣いている。そういうことが…、時々ある。」

タ「見ていたはずの夢はいつも思い出せない。ただ…。」

み「ただ、何かが消えてしまったという感覚だけが、目覚めてからも長く、のこる。」

タ「ずっと何かを、誰かを…。探している。」

み「そういう気持ちにとりつかれたのは、たぶん、あの日から。」

タ「あの日、星が降った日。それはまるで…!!」

み「まるで、夢の景色のように、ただひたすらに。」

「「美しい眺めだった…!!」」

 

映画観た後OP映像観ると、割とネタバレしてたのがわかって面白かった。

音楽もとてもよかった。

 

タイムトラベルの遠距離恋愛は、新海誠作の「ほしのこえ」を、すごく時間がたって二人が再会するシーンは、「秒速5センチメートル」を思い出した。

 

みつはの方が3才ほど年上になるのかな。

結ばれればいいと思った。

ハッピーエンドっぽく終わって良かった。

 

ナミヤ雑貨店の奇蹟

主演:山田涼介

 

敦也たち青年の3人は強盗をおかし逃げた先の空き家である雑貨店で身をひそめる。

雑貨店の外から手紙が投函され、3人はそれを読むがそれは1980年のもので30年以上前のものだった…!!

 

【ネタバレ】

 

原作が長いのか、いろいろ詰めすぎてる印象。

「あの人あれからどうなった?」というのが多かった。

ラストシーンも着地はせず、青年たちと女社長がこれから対峙するというところで終わっている。

EDで青年たちの未来が見えたから、ハッピーエンドだなとほっとしたけども。

青年たちと女社長がどのような話をしたのか見たかった。

結局店主もどのタイミングで死んだのかわからずじまいだった…。

店主の息子が実際ネットにナミヤ雑貨が復活することを告知する様子も見たかった。

店主の遺言書に書いてあったから、息子がきっとしたのだろう、と思うけど、そういう視聴者の想像力にゆだねるところが多かったかな。

 

こことここがつながるのかという感動はとても大きかった。

役者の演技がうまいということもあり、泣き顔はすべて感情が伝わってきた。

青年3人が30年前の手紙の返事を書いたミュージシャンの話つらかったな。

ミュージシャンは手紙のやり取りをして数年後、施設の慰問で演奏に行くがたまたま火事になり男の子を助けて死んでいく。

助けられた男の子の姉が火事の時歌ってくれたミュージシャンの歌を歌い、その歌をそばで聞いていた3人の青年…。

つながり方に鳥肌。

 

いろいろなぞは残ったが、とても見ごたえのある映画だった。

 

 

青天を衝け 1~4話

主演:吉沢亮

 

よくしゃべり好奇心旺盛な渋沢栄一が生まれ育った武蔵国・血洗島村は、藍玉づくりや養蚕を生業としている。

子どもから青年になり、父の仕事を少しずつさしてもらう栄一、商売のおもしろさに魅了されていく…!!

 

 

2話まで子ども時代の話。

子どもとてもかわいかったな。

常に自らの頭で考え動き、そのよく通る声で、おかしいと思う大人たちの事情に意見を言ってきた。

 

数年たって青年になっても性格は変わらない。

栄一は、父の名代で聞きに来た、年貢とはまた別の御用金の額に疑問を持つ。

金額を言い渡されたその場で利根に口答えするが、結局支払うことになった栄一。

栄一は悔しい思いをする…!!

 

歴史を知らない私のとって、幕府の登場人物が多く難しいが徐々に点が線になってくると信じ、頑張って見続けてみようと思う。

帝一の國

主演:菅田将暉

父の厳しい教えにより、総理大臣になり自分の国を作ろうと決意した海帝高校の一年生、赤羽帝一。
そのためにまずは海帝高校で会長になることを目指し、1年生である帝一は2年生の会長候補氷室ローランドに取り入るが…!!

 

【ネタバレ】

 

原作は漫画。
古谷兎丸さんの絵は、小説表紙でレトロな感じと知っていた。
映画を見た印象は、シュール狂気。
この世界観にギャグ強くしたら、映画「飛んで埼玉」という印象。

 

こういうエリート・金持ちぞろいの権力争いの物語だったら、一人だけ貧乏だけど人望があり誰にも流されないダンを主人公にする物語が多いはず。
だけど、ダンはあくまでわき役で、相手を蹴落としてでも自分が上り詰めてやるという野心を持っている帝一が主人公。
だからこそ、この狂気は出てるんだと思う。

 

なかなか帝一を好きになれなかったけど、中盤で帝一の本音が明かされる。
なぜ総理になって自分の国を作りたいのか…。
おかっぱのライバルにも同情。
帝一もライバルも、高校に入って蹴落としあいの日々だけど、元をたどれば、お互い父親のコマとして動いていたストレスが原因。
ラストシーン、同情はするが、やはり帝一らしい頭の働き方を見せつけ、終わった。

 

まぁ、笑えるところもあり、面白かったのかなんなのか…、不思議な映画だった。

銀魂 104~130話

定春を動物病院に連れて行った神楽、そこで死にかけの犬、金太郎と出会う。
神楽は金太郎を、死にかけの飼い主のじいさんに会わせてやろうと桂と行動する…!!

【ネタバレ】

見れてない部分もあるけど、ざっと動乱編後半から死にかけのじいさんと犬編まで。

犬とじいさんのやつ、じいさんの「自分が先に死んで友を悲しませたくないからお前ら早く死ね。」という価値観。
その考え方は私にはわからないけど、それを貫こうとする不器用な頑固者じいさんを嫌いにはなれない。
最後は鳥肌立った。
神楽が土手に花添えるところからのエンディング。
夏目友人帳」方式というか、歌詞もなんか内容に合ってたしな。
銀魂は、ゲストキャラメインの話でも面白い話多くて好き。

動乱編は、間抜けなトッシーの声から鬼の副長土方十四郎の声になるまでのグラデーションヤバイ。
同じ声なのに、同じ声の中でキャラ分けできるのほんますごい。

当たり前だけど、沖田も土方ももうたくさん人を殺してるんだなって思った。
伊藤の過去が切なすぎた。

円卓 こっこ、ひと夏のイマジン

主演:芦田愛菜

小学3年生こっこは、ものもらいで眼帯をしていたり不整脈で倒れたクラスメイトにあこがれて、まねをする変わった女子。
一方、母の妊娠や変質者への遭遇など、小学3年生では抱えきれない悩みもあり…!!

【ネタバレ】

芦田愛菜ちゃんの演技が自然すぎた。
心理を表情で見せる場面が多かったので、本当に物語を理解して演技できる子どもでないとこの映画の主演はできないと思った。

小学生のころ、けが人や障がい者にあこがれた気持ちはわかる。
でもそういう気持ちをすっかり忘れていたので、「小学生のころこんなんだったな。」って思い出させる気持ちを書いてる原作者の西加奈子さんすごい…。

吃音で母親から「かわいそう」と思われていたぽっさんは、こっこが本気で自分の吃音をかっこいいといい、まねしてくれたのがうれしかったらしい。
ぽっさんはそういうこっこのことよく理解しているけど、ほとんどの人はこっこをよく知らない。
こっこがするまね達を、「馬鹿にしている。」ととらえられてるっていうすれ違いもリアルだった。

変質者の遭遇は気味悪かったな。
こっこが外で一人で夏休みの自由研究をしている最中、上下ぴっちりスーツの変質者が現れる。
顔を踏んでとこっこの前に寝そべりる男…。
大人になると気持ち悪くてその場からすぐ逃げ出しそうだけど、子どもは大人から言われると断れないんだろうか。
不気味に思いながらもこっこは変質者に従い、変質者は「もっと」と踏まれて興奮する。
その後、走って逃げるこっこ。

特にほかにされたことはないけど、こっこはその出来事を身近な大人に話すでもなく心にしまう。
そのほかにも気づかぬうちにこっこを悩ませる出来事がいっぱい詰まってた…。

母が妊娠したこと。
前の席の子が「しね」と書いた紙を机の中にしまっていたこと。
友達がブラジャーをつけること。
不整脈で苦しい真似をしたら担任に「あんたは違うやろ。」と言われたこと。

こっこは元気をなくし笑えなくなるが、特に家族などは気に留めはしなかった。
担任はちょっと気づいて心配したけど、具体的に何かはしなかった。
さいごは結局、信頼のおけるともだちぽっさんに打ち明け、心から笑えるようになった。
序盤で、「死にそうになるなんてカッコいいい。」といっていたが、「生きたい」ともいえるようになった。
ほっとできる終わり方でよかった。

こっこのお母さん役羽野晶紀さんが、「よ~いドン!」のコメンテーターそのままですごい親近感わいた。

進撃の巨人 The Final Season 前半

壁内戦から5年後、海の向こうではマーレと中東連合が巨人を使い戦争を続けている。
ライナーたちの過去、マーレに住むエルディアの少年、エレンの行動…、物語が大きく動く。

【ネタバレ】

絶望しかない。
アニメはめちゃくちゃきれいで、戦闘シーンもかっこいいんだけど、エレンが民間人も殺して戦闘してるのがなんともな。
エレンに協力してる同期やリヴァイたちにも失望。
このシーズンも飛ばし飛ばしで見てるから詳しくわかってないけど、ジークが持ち掛けた作戦なのかな。
だとしても敵の大切な人殺したら憎しみは連鎖するということを、大切な人殺されたエレンたちが一番わかってるんじゃないの?
心優しいアルミンも、ベルトルトの超大型の巨人を継いで無抵抗の人間を殺してるって何?
前回のシーズンでハンジが生きてるか生きていないかのところで終わったかと思うんだけど、ハンジが生存していたのがうれしい。
サシャが殺されたけど、サシャも人を殺しているから仕方ないよなって思ってしまった。
昔は割と好きなキャラだったけども。
変わってしまったなぁ。

この物語って救いあるんかな。
もしこのままエレンたちに幸せが訪れるのなら許せないし、敵も味方も全員絶望パターン?
今の所胸糞でしかないわ。

ファルコとベンチで話してる若者誰と思って、ライナーとの再会でエレンってわかるシーンぞっとした。
エレン、病院の庭みたいなところで、実のおじいさんと会話してることになってたんだな。
おじいさん、最初医師らしくエレンに接してたけど、最終ぼけた患者だとわかるところもぞっとした。
演出うますぎる。

このシリーズ始まってほぼずっとWikipediaで設定復讐しながらアニメ進めてた。
胸糞だけど、続きがとても気になる。


ソーイング・ビー2 13~19話

ロンドンの中から集められた裁縫自慢達から、優秀者を決める。
12話まで一つのコンテストが終わり、13話から新たなメンバー10名から、新たな戦いを開始する。


【ネタバレ】

本当にみんなアマチュアなのかってくらい、レベル高い。
「~に縫ってあげた」とか言ってるけど、ただであげてるとしたら本当にもったいなく感じる。

3つの課題が終わるごとに1人ずつ脱落していく様子が、さみしいけど面白い。
誰が残った、誰が落ちてしまった、っていう感慨にふけるのが。
13話からあたらしいメンバーになったので、最初はみんなのキャラクターを覚えて感情移入していくのが難しかった。
12話までのメンバーがとても素敵だったから。

でもやっぱり今回も素敵な人が多かった。
今は最年少18歳の女性、ジェイドを応援している。
可愛くて、つくる服のセンスも良くて、幼い妹や弟たちのために服を縫いまくってるのすごい。
60~70代?の高齢女性ジョイスも経験があるからかいつも上位をキープしていてかっこいい。
中東系のルマーナも最初は下位だったけど今は中ごろをキープしていて応援したくなる。
ルマーナの吹替声優がきれいな声していて好きすぎる。

結果発表も面白いけど、裁縫している最中のちょっとした会話や教えあう姿が好き。
こういう気軽に教えあえる雰囲気が、「ソーイング・ビー」最大の魅力だと思う。

第3回の結果発表で、常に上位をキープしていた中年男性ジェイミーがまさかの脱落。
ジェイミーが落ちたおかげで何とか助かった20代?男性ジョシュ。
ジェイミーが落ちた次の課題のジョシュのチャイナ服が素晴らしい出来だったので、審査員2人も、お父さんお母さんかってくらい優しい顔してた。
危ない子ほど愛情がわくんやろうか。

次の脱落者は誰だろ…。
ジョシュはチャイナ服で順調な出だしだけど、18歳のジェイドが危なくて心配。
来週の放送が本当に楽しみ。
こんなに楽しみな番組あるとか久しぶり。

逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!

主演:新垣結衣

森山みくりと津崎ひらまさは秘密の契約結婚するが、一緒に住むうち両想いになり本当に結婚をした。
みくりのおなかに赤ちゃんがいることがわかるが、育休、コロナ、と目の前にたくさんの問題が生じる…!!




楽しかった。
OP「進め、たまに逃げても」と、ED「恋」が変わらなかったのがうれしい。
新しい恋ダンス最高だった!!
BGMも変わらずで、本当に良かった!!
4年前がとても懐かしかった。

育休を取ることについて。
母になるみくりはまぁまぁすんなり取れたが、父になるひらまさは1か月取るのも難しい。
父親の育休って実際どうなんだろ。
ひらまさのが育休を取ったらみくりは楽になるけど、仕事のしわ寄せは会社の人たちにくる。
会社の人たちは、「俺もいずれ育休取れる!」と思えたらいいけど、もしその中にシングルマザーがいるなら、「母親一人で頑張れよ。」とかならないのかな。
私は妊婦と育児のしんどさ分からないけども。

あと、ひらまさの厳格な父親が発した、「一家の大黒柱として」「男として」という発言にひらまさは引っかかっていた。
別に強く否定するわけではなかったけど、まぁドラマの方向性として、ひらまさの父の古風な意見は否定気味だった。
最近は、昔の考え方を否定する物語が多くて少し寂しくなる。
もちろん、無意味な暴力や偏見は新しい時代に合わせてアップデートした方がいいけど、「大黒柱として」「男として」まじめに頑張ってきた人はたくさんいる。
それを、「もう古いから」といって、否定するのはどうなのかと。
最終的にひらまさの父親は、ひらまさが使っていた新しい家電を買い、楽しそうに?新しい時代に乗りかけていたから、よかったけど。
こういう昔の考え方が否定されるたびに、少し寂しくも感じる。
新しい考え方に共感することも多々あるけども。

さいごのリモート飲み会。
ひらまさの上司の灰原が、リモートに参加している女性たちを見て、

「おわ!きれいな女子がたっくさん。うっひひひ。」

と言い、沼田さんに、

「灰原君、罰金。」

と言われているけど、男が女に、「きれい」「かわいい」も言えなくなってる世の中ってもう終わってないか?
…灰原の場合、言い方もあって女側は気持ち悪く感じたのかもしれないけど。

あと、コロナで不況になってるバーの店主が気の毒。
リモート飲み会が2020/5/7なので、これからもっと大変になっていくんじゃないだろうか。

観終わってハッピーな気持ちにはなれたけど、コロナ流行の真っ最中でドラマは終わったから、ハッピーエンドって感じではなったな。
でも、みくりとひらまさが元気そうでよかった。
いろんなことがある世の中だけどめげずに生きてます、って教えてくれてるみたいだった。
また続編してほしい!!

ピノキオ

木の人形を造ったおじいさんは、ピノキオと名付け、星に、「ピノキオが人間の子どもになるように。」と願う。
ピノキオは木の人形のまま人間の子どもになったが、嘘をつき非行に走ってしまう…。
1940年アメリカで作成されたディズニーアニメ。


【ネタバレ】

1940年の映画っていうのがすごすぎる。
太平洋戦争前~初期くらいじゃないか?
そのころにもうあんなになめらかに動くアニメが作られていたなんて…!!
すでにディズニーらしさが確立されている。
タバコの煙を具現化してそこにビールの泡つける遊び心、すごいディズニーっぽい…。
「星に願いを」もきれいな音楽。

ピノキオは、「悪い子」というより、世間知らずだから誘惑に負けてホイホイついていくんだろうな。
子どもらしくてかわいかった。

ロバにされた子どもたちは元に戻ったのだろうか。