映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

宵山万華鏡

森見登美彦

京都にある巨大祇園祭
宵山に纏わる様々な話、
6編。

基本私のあまり好きじゃない
不気味系ファンタジー
けど、2・3話目が好き!!
大学生の悪のりっていいな!!
くだらんことに
一生懸命になれる
仲間がいるのって
すごいうらやましいし
面白かった!!

夜は短し歩けよ乙女」と
リンクしてるとこも
あった!!


【再読、ネタバレ】

京都の宵山を経験して読むと
だいぶイメージがわきやすかった。
蟷螂山を探してるしまいには、
もっと南南!!と教えたくなったし、
地下鉄烏丸御池から
洲崎バレエ教室に向かうルートもわかった。
実際室町三条に行き、
角にもう使われていない
古びたビルがあったんやけど、
あれが洲崎バレエ教室やったんかな、
と妄想したりした。

3章「宵山劇場」では、
夜は短し歩けよ乙女」で偏屈王の舞台を
作った劇団員がまた青春をかけて取り組む
ドッキリかと思えば、劇団員がふんした、
舞妓、大坊主、ちょび髭、は、それが本姿で
仮の姿が、岬さん、高薮さん、丸尾、
やったんかな。
劇団員の山田川や小長井の
宵山ドッキリに付き合いつつ、
本職は宵山様の近くにいる妖怪…?
高薮の姿で小長井がレジしてる
コンビニで巨大鯉にあげるドロップを
買ってるから多分そう…。
そして5章「宵山迷宮」では、
宵山万華鏡の核である
水晶を持ってた柳さんと
骨董屋?の万華鏡をのぞいた画伯は、
毎日が宵山である、
という宵山のループに
閉じ込められていた。
本編で描かれている宵山の夜、
最終章の「宵山万華鏡」では、
宵山様はついにその水晶を手にし、
大きな万華鏡にはめ込み、
屋上から、宵山に来ている
およそ30万人のひとびとを、
宵山のループに閉じ込めようとした。
だけど1章「宵山姉妹」のお姉ちゃんが
万華鏡から水晶を落とし、
それを阻止した。
阻止して最終章のラスト、
1章のラストである、
妹を助けることにつながった…!!

…これもっと読めば
いろいろわかってきそうやな。
乙川は洲崎先生に何をやらかしたのか、
乙川の師である杵塚会長とは
何者なのか、とか。
乙川は藤田に、

「僕も早く本式の妖怪になりたいよ。
 杵塚会長に言わせると、
 僕なんかまだまだだって。」

といっていて、藤田は流していたが、
これは本当のことなんじゃないかな、
と思う。
本当の妖怪っていうのは、
舞妓、大坊主、ちょび髭で、
杵塚会長は宵山様のこと…?
やとしたら、3章「宵山劇団」では
丸尾(ちょび髭)が、宵山ドッキリについて、

奈良県人会の先輩に
 乙川っていう人がいて、
 その人の依頼なんだ。
 乙川さんは古道具屋に
 勤めているんだけど、
 以前ちょっとした仕事を
 手伝ったことがあってね。
 その時は僕が
 無益なことばかりしたもんで、
 さんざん迷惑をかけちゃった。
 それで今回の仕事が回ってきたわけ。」

と矛盾したことを言って
小長井に突っ込まれてるけど、
もしちょび髭たちが妖怪の類やったら
乙川の方がちょび髭たちより
立場がしたなはずやけど…?
あと分かれへんのが、鞍馬事件。
柳さんのお父さんは
なぜ宵山の日に鞍馬で亡くなったのか。
あと、画伯は死んでしまったのかな。
柳さんはちゃんと
宵山のループから出れたのかな。
水晶玉を手放したから
戻れてるとは思うんやけど…!!

すごく考察したくなる、
おもしろい小説でした!!