映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

ミヒャエル・ゾーヴァの世界

「ちいさなちいさな王様」の挿絵で有名な
ドイツの画家ミヒャエル・ゾーヴァの画集と
生い立ちや仕事のことについて。

画集というか、生い立ちや絵のことなど、
ゾーヴァさんの文章がメインで、
それに添えるように絵が載っている。
それでも88枚は載っていたので
かなりのボリューム。

ドイツのベルリン育ちということで少し
ドイツやベルリンの歴史にも触れていて、
まったくドイツのことを分かっていない私は
ネットで調べてみた…。
第二次世界大戦で降伏したドイツは、
西ドイツ・西ベルリンをアメリカに占拠され、
東ドイツ・東ベルリンを旧ソ連が占拠した、
ってことなのかな?
ベルリンの壁でおおわれてる
西ベルリンというのがすごかった…。
あそこだけぐるっと囲われて…。
進撃の巨人」を思い出したけど、
東ドイツの人たちが、壁におおわれている
西ベルリンに逃げこんでくる、とのこと。
東ドイツの人たちのほうが
生活とか苦しかったんやろうか…。

話はそれたけど、そんなこんなで画集の感想。
なんだかすごく良かったな、
ゾーヴァさんの生き方とか雰囲気が。
アーティスト独特の我が道を行く感がすごくあり、

「絵を描いていくことさえできれば、
 ぜいたくをしたいとも思わなかった。
 そもそもそんな事意識したことすらなかった。」

とすら答えている。
すごいな、強いな、かっこいいな。
仕事がどうこうというより、
自分の作品に真摯に向き合い、
タバコを吸ったりバレーをしたり、
描きあがったけど気に入らない絵を
上塗りして修正して、
仕事の絵が出来上がっていないから
作家や編集者を困らせて、
そういうゾーヴァさんの生き方にあこがれる。
…仕事で人を困らせるのはよくない事やけど。
とにかく、素敵な本でした。