映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

ディック・ブルーナのすべて

ミッフィーの生みの親、
ディック・ブルーナが扱う
シンプルな線と色の秘密、
ブルーナが手がけた
作品の数々、
ブルーナと家族の
インタビュー、
オランダの紹介、
などが収録された本。

オランダ行きてェ!!
色鮮やかなチューリップ、
青い空に風車、いいな!!
作者自身、
ちょっとしたことに
全力で喜んだり、
子供の心持ってんやな。
私はブラック・ベアや
赤十字のロゴなどの
デザイナーとして
ブルーナが好き。

子供向けに作られた作品が
大人にも受けてんのは
シンプルな手描きの絵が
おしゃれで温かみがある
からやろうなぁ…!!

【再読・ネタバレ】

89歳でお亡くなりになられたけど、
70歳を超えても現役で活動されていた
ブルーナさん。
10代のころからミッフィー
ブラック・ベアの世界観が好きで
20歳くらいの時に購入した本。
書籍内でも、最近では女子中高生に人気、
と書かれているが、
個人的に思う人気の理由は、
色合いが落ち着くし全体的にシンプルで
ミッフィーのかわいさが強調されてるから
じゃないかな、と思う。
ていうか私自身はそう。
派手派手やごてごてのデザインが
お店にはびこる中、
ブルーナデザインはぱっと目に付くし、
部屋の中に一つあるだけで
おしゃれな気分になる。
最近は明らかに10代女子向けの、
いろんな色で飾られた
ミッフィーの雑貨を見かけるけど、
やっぱり私はこの本を読んでより、
ブルーナがこだわった、
赤(オレンジ)、青、黄、緑、の
ミッフィーが好き。

子どもに人気の理由も解説されていて
やっぱり面白かった。
子どもの集中力の加減で
自然にそうなった12ページ構成、
想像してもらうためのシンプルなデザイン、
読者に安心感を持たせるために
目線はすべてこちら…。

あと勘違いしてたのが、
ブルーナさんが本格的に絵本を
描きだしたのは40代からだったので、
それまで売れていなかったんだっけ、
と思っていたらとんでもない。
さいころから裕福で両親にも恵まれ、
大好きな絵と音楽に没頭できる環境で、
大人になって父のデザイン会社に入って
本の装丁やポスターで大成功をおさめ…、
てからの退職して絵本に専念する、
という意味での40代だからのスタートだった…。
矢沢あいさんの漫画、「Paradise・Kiss」で、
「とんとん拍子に行くのは
その道があなたにあっているから。」
的なセリフを思い出したな…。
根っからの天才というか、
天性を与えられた人なんだな、と…。
もちろん努力はされてるだろうけど、
半生をたどっていくと、
どこをとってもどん底期はなく
ずっと前進されている…。

さらに80年代からは偽善活動もされている。
病院にブルーナさんのイラストが
使われるのはいいな!!
かわいいし気分が明るくなる…!!
広い海岸にブルーナのイラストのマークが
等間隔に建っていて迷子を軽減させるのも、
日本で取り入れたらいいのに、と思う。

あともう一つ勘違いしてたけど、
ブルーナさんは今まで120冊の
絵本を出しているが(2009年まで)、
ミッフィーシリーズは32冊しかないってこと。
意外だったな。
他は、スナッフィーやボリス&バーバラなど、
ほかにたくさんのキャラクターの
シリーズが出ていた。
おとぎ話も描かれているらしい。

なんか本当に、魅力的な人なんだなと思う。
変な欲とかなく普通に生まれた時から
満たされて過ごして、
そのまま大人になった、というような…!!
アトリエも街もおしゃれでよかった!!
もし子どもができたら
絶対にミッフィーの本を買おう。
ユトレヒトの『ディック・ブルーナ ハウス』
行ってみたいな…。