映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

ルドルフとスノーホワイト

ブッチーをしばらく見かけないと思っていたら
けがをして帰ってきた、
ルドルフはブッチーが行ったと思われる
奥戸まで足を伸ばし…、
ルドルフシリーズ第4弾…!!

【ネタバレ】

メンツと危機管理。

メンツとは…、
よその猫に自分の縄張りの猫がやられたら、
それは縄張りのトップである
イッパイアッテナがやられたも同じだから
やり返す。
危機管理とは…、
よその猫に自分の縄張りの猫がやられても、
知らんぷりしているトップだったら、
ここのトップはこんなものかとなめられるから
やり返す。

この二つがあるからイッパイアッテナは
ブッチーをやったやつをぶちのめす、という。
猫の世界も大変だ。
知らないけどやくざの仁義とかって
こういうことなのかな。
好きじゃないなぁ。
情とかっていいように言われてるけど、
結局、自分の仲間がやられたら、
誰かの仲間である敵のやつらを
倒しに行くわけやん。
戦争や結局。
ルドルフも言ってたけど。
でもこれって人間同士の戦争でも
言えることなのかな。
特に危機管理のほうは。
やられっぱなしで仕返しをしてこないと、
この国は甘っちょろい、と思われるんやろうか。
だから日本は9条を取り消して
戦うことを少し取り入れたいというか、
まったく戦う気がないなんて
思ってませんよ!!みたいな、
相手に脅しというか。
そうして結局戦争になっていくんやなきっと。
わからんけど。

そして今回も
イッパイアッテナの活躍はなかったな。
イッパイアッテナというキャラクターが好きで
このシリーズを読んでる人は、3と今回の4は、
つまんなかったんじゃないだろうか、
レベルで何もしていない。
3は野良犬を探しに
江戸川の向こうへいってる間にこっちで
ルドルフとブッチーが野良犬をやっつけ、
4でも奥戸まで行って
スノーホワイトに勝ったのはルドルフで
横浜まで行ってチェリーを見つけたのも
ルドルフとスノーホワイト…。
イッパイアッテナがだんだん
輩みたいになってきているな。

「『横浜なんて、
 どんなやくざなマフィアの猫がいるか、
 わかったもんじゃない。
 何しろ、赤い靴なんかを女の子が
 履いていようものなら、
 外人に連れ去られる町だぜ。
 俺が一緒なら、その点、
 どんな奴が出てきたって、
 その場でぶちのめしてやれる。
 まあ、車はベンツに限るが、この際、
 ぜいたくは言ってられねえからな。』
 と、イッパイアッテナが、
 とても教養のある猫とは思えないことを
 言った。」

ほんま面白いわぁ。
そんでイッパイアッテナが言う、
赤い靴を履いてる女の子、って歌のことやろ。
「異人さんにつれられて行っちゃった」って、
怖いやつ。
イッパイアッテナも、
本当に横浜がそんな町とは
思ってないやろうけど、
自分が横浜に行きたいばっかりに無理くり
その歌を出してきてるあたり、ほんま笑える。
必死か!!
っていう、
自分の勝手が先行しすぎる教養のなさ。
げんに、
ブッチーを探すためにいろんな猫を
片っ端からぶっ飛ばすといってルドルフに、
それは教養がある猫がすることじゃない、
と指摘されたとき、

「教養が世界一大事なわけではない!!」

と言い切ったもんな。
ついにいいよった…、と思ったわ。

今回は私の好きな、
キャラクターの複雑な心情が絡み合って、
っていうのがなくて、
あまり私の好みではないかな。
話の構成も、
奥戸でルドルフとスノーホワイトが出会う話と、
横浜までルドルフとスノーホワイトが行く話で、
大筋というかテーマはないような気がする。
まぁそれを総じて、
『ルドルフとスノーホワイト
というんやろうけど。
新キャラクター、スノーホワイトの話だったな。

スノーホワイト
最初はルドルフに恋してるのかと思いきや、
最後は横浜のジェントルマンに
恋してるっぽかったし、
結構惚れっぽいタイプだったのかな。
ルドルフがスノーホワイトの恋心に
気づいとけばそのまま好きで
いてくれていたかもしれないけど、
ルドルフに脈はない、
と思い次にいった感じかな。
こういう微妙な女心、うまいなーと思った。

何にしても、ルドルフシリーズ、
すべて読み終わったので
次回作待っています!!
87年、88年、02年、12年…、
次いつや…!?