映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

道草 第二夜

主演:杉本哲也

加藤一二三さんの道歩き、
だれのそばにもいる神様、
そしてニュージーランドから家出してきた
男の子を泊めることによって
普通の家族とは何か考えだす平田家の日常。

前回の続き物だが、続いてるコーナーは、
ひふみんと神様のコーナーだけ。
平田家の話は全く新しい。

平田家の物語の始まりは、
家出少年を家において
家族の在り方を考えだす、
という王道の始まり方だが、
そこから事件が起きないのが木皿泉さん流。
流、と意識してそういうことを
やってらっしゃるかわからないけど。
ひたすら会話で話は進んでいく。

くだらない言い合いやエピソードっていうものに、
その人のなりや人柄がよくあらわれるよな、
と木皿さん作品を見ているとつくづく思う。
過去にエッセイで、
「ほかの人ならそぎ落としてしまうエピソードに
そのキャラクターらしさが現れている。」
ということをおっしゃっていた。
だから、
キャラクターたちが何か行動を起こさなくても、
木皿さんのキャラクターは生きているんだな、
と思う。
余計なものをそぎ落さなかったから。
「洗練されるとみんな同じ物語に
なってしまう。」とも言っていた。

本当に短いSSだったけど、
続き見てみたくなったもんなぁ。
平田家のほかの日常やこれから。
見てみたいし、なんとなく想像できる。
それがすごいな。

平田家(というか主にお父さん)は
一貫して家族というものを語っているが、
こうすべき、ということを言い出したら
家族ではない気がする。
家族は、
家族がある分だけその家族らしさがあるから、
コインランドリーで話し合っていた、
ただいままんだったり、爪切りの部屋だったり、
そういうのが平田家の家族、なんだろう。

また木皿さんの作品見たい。
ていうか「富士ファミリー」の続きが
見たくなったな。