映画・小説の感想棚

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6粒と半分のお米

脚本家木皿泉さんのエッセイ第二弾。

エッセイといっても、
佐藤健さんとの対談が入っていたり、
ラジオドラマのシナリオが入っていたり、
インタビューが入っていたり、
2014年ごろまでの木皿泉さんに
関するもののまとめ的なものかな。

佐藤健さんは、木皿泉さんの
Q10」という作品の主演をしていた。
本当にすごいなぁこの人は。
プロ中のプロというか。
以前、
AKB48前田敦子さんや大島優子さんと
ごたごたのイメージがあったので、
あまり好きではなかったが、
台本に書かれている「……」や「!!」の話、
ものすごくはっとした!!

「本当は、
 その人物が話している最中の「……」なのに、
 話し終わった後の「……」だと勘違いしちゃう。
 話してる最中の「!」マークなのに、
 話し終わった後の「!」マークだと。」

すごくわかる。
素人の私でも思ってたことがあるのが、
「あ、この人いま泣こうとして泣いてるな。」
という演技とか。
状況にもよるだろうけど、
「涙っていうのは普通は止めようとするけど
出てくるものではないか?」と。
だから台本に書いてることを意識しすぎたら
だめなんだよきっと。
私演技なんてしたことないけど。

あるアイドルが泣く演技をしてて、
目をぎゅっとして涙を出そうとしてるのが
伝わってきて、
「ここで泣く、とか書いてあるんやろうな。」
って思ったの思い出した。
逆に、「阪急電車」の中谷美紀さんは、
電車の中でだんだん嗚咽が止まらなくなって
あふれてくる泣き方をしていて、
こっちまで泣きそうになった。
感情がそこにあって、
この人すごいなぁ!!と思ったわ。
だけどこういうことを分かったところで、
実際に体現できる人は少ないんやろうな。
乗り移る感覚なのかな?
それかめちゃくちゃ台本を理解して
細かいところまで頭から体の神経に
伝えていくのか?
佐藤健さんとの対談を読んでいたら、
本当に役者さんってすごいなと思った。

あとは、シナリオ講習。
木皿泉さんは、
「研ぎ澄まされた話の筋から
零れ落ちるものに人間らしさが出る」、
みたいな、零れ落ちていくものを
書いているイメージが強い。
だから派手な場面はほとんどなく、
日常系がほとんど。
その木皿さんが、

「一緒に仕事してたプロデューサーさんが
 『僕シナリオ書いたんですよ。
 200枚くらい書いているんですけど、
 まだ話の山場に行きつかないんですよ』って。
 聞いたら、靴ベラ使って靴はいて、
 玄関開けて、みたいな(笑)。
 『そこはカットしなくちゃダメでしょ、
 膨大になっていくから』って言ったんだけど。
 この人、脚本の才能ないなと思った。
 まだプロデューサーやってますけどね(笑)。
 作品的に必要なところだけでいいんですから。
 人に見てもらうには一番かっこよく、
 見てて『おっ』とみんなをうならせるというか。」

と言っていて、
話を書くことの難しさを知ったというか。
当たり前だけど、木皿さんだって、
ただだらだらした話を書いているわけじゃない。
日常系を書いているが、省くものは省いている。
そういうことを改めて気づかされた。

もっと欲を言えば、
そこの境界線を深く知りたかったな。
零れ落ちる描くべきシーンと、
カットするべきシーン。
靴ベラ使って~のやつは
私でもカットするべきとわかるけど。
いらないところといるところ。
もっと深く木皿泉さんを知りたいなと思った。