映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

ドキュメント 72時間

各場所を舞台に72時間カメラを設置し、
そこを訪れる人たちの人生や生活を
インタビューする、NHKの番組。

ドキュメンタリーになるのかなこれは。
ドキュメンタリーといえば、
特定の人をずっと追っているイメージですが、
これはある場所に集う人たちに
ちょこちょこインタビューして
その人の人生に触れていくような、
どっちかっていうと群青劇みたいな
感じなのでしょうか?

私が見たのは、廃墟のような男の楽園、
名古屋の喫茶店、京都の自習室、
アメ村の地下街。
すべて、みんな苦労してるけどその中で
癒しを見つけて楽しそうに生きている。
どの場所でも、
訪れる人の憩いの場になっていた。
退職して家に居場所がないから、とか、
母国の調味料はここでしか買えないから、とか。

きっとここでインタビューを受けている人の
大半は、庶民中の庶民というか…、
生活が苦しい、と答えてる人もいるし、
人生大満足!!というわけないと思われる。
だから共感できるし、
私もダイレクトに興味を惹かれる。
この人はどういう人生を送ってきたんだろう、
という。
私自身これから人生どうなるかわからない。
もっといろいろな人を知りたい…。

アメ村の地下街の20代と30代の
男性たちの鍋パーティーよかったな。
私と年が近いこともあるからか、共感したし、
大人の独り身同士ならではの
青春を楽しんでいるように見えた。
そのうちの一人は母国に妻子がいる、
ということで日本で働いておられたが…。
楽しみがあるから仕事に集中できるっていいな。
アメ村編の外国人は、
日本のことを好きな人がいてうれしかった。
親切で平和…。
きっといろんな国を知ってるからこそ
思うんだろうなぁ。
もちろん、長く住んだうえで
日本のことを嫌いな人もいるだろうが。

現在私は引っ越して
今の仕事を離れようか悩んでいて
ものすごく視野が狭くなっているから、
こういうものを見るとものすごくほっこりする。
私だけじゃないんだ、と。
人生いろいろある。
何もないような人生に見えて、
その場その場に立つといろいろ大変。
決断とか選択が。
でもここに映ってる人は笑顔で
インタビューに答えているから、
物の見方次第なのかなぁ、とも思える。
編集、といえば夢がないから、
物の見方、でとらえる。
同じ状況でも、
楽しめる考え方はいくつでもある。

京都の自習室「私設図書館」も、
いろんな人がいた。
オラウータンの研究をしている男性とか、
いつか数学教員に戻れるように
勉強している中年男性とか。
本当にいろんな人が、いろんな思いを抱えて、
それぞれの行動に移している。
実際私も「私設図書館」に訪れて
半日勉強したことがある。
私だってそこの登場人物なんだ…、と。
私にも人生があるから。

まぁ要は、これみて、
もう少し楽観的に生きてもいいんじゃない?
と自分に言い聞かせることができました、
ありがとう。