映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

耳をすませば

進路や恋に悩んだりする

中3の女の子の話。

これはいいよねー。

とにかく絵がきれい!!!

日常の風景なのに、

わくわくしたり

どきどきしたりする。

でも親や進路が邪魔して

現実に戻ったり…。

誠司たちの楽器で雫が

歌うとこが好き!!!

10代の女の子は

絶対見てほしい!!!

【再視聴】

10年ぶりくらいに見直しました。

これは本当にいい!!

多感な10代に見た時と印象が全然違う。

学生の時は、誠司がかっこよくて、ファンタジーのような物語、という認識だった。

しかしもうおばさんになってみてみると、雫のまぶしい考え方に、胸が痛くなる時もあった。

自分がくすんでいってるのがわかる。

雫という女の子は、まっすぐで、かたくなで、純粋。

バイオリン職人を目指す誠司に追いつこうと、やってみたかった小説を一気に書き上げ、誠司のおじいさんに読んでもらう。

雫は、小説を書くために、睡眠時間と勉強の時間を削って、とにかくがむしゃらに書いていた。

私も中学生の時は、ONE PIECEの絵や、いとこにあげるための絵本など、我を忘れて描いていた。

しかしこの年になると、我を忘れるほど没頭することなんて、ない。

だからそれを思い出させてくれた雫には感謝し、今の自分に落ち込む。

あと、雫の妄想癖も昔の自分と似てて共感した。

猫を追いかけて、「新しい物語が始まるかも。」とわくわくしたり、丘の上の誠司のアトリエに下る外の階段で、街の景色を見下ろして、「空に浮いてるみたい。」とドキドキしたりとか。

10年前までは私も日常的にこういう妄想をしていたが、みそじ前になった今、脳はさび付き、まぶしい妄想なんて出てこない。

だから、胸がチクチクする。

でも、大人だからこそ、昔と違う見方ができる。

それは、誠司のおじいさんのこと。

おじいさんは、映画では明かされていないことが結構多い。

分かっているのは、若いころドイツへ留学しており、今は仲間と音楽をしていて、「地球屋」というお店(修理屋さん?)を営んでいる、ということくらい。

のんびり、好きなことをしながら老後を楽しんでいる印象。

だけどおじいさん自身、ドイツで恋人と別れたことがいまだに気がかりだったり、人間味がある。

だからそんな深みがあるおじいさんが素敵だなと思ったのと、私もそういう人と友達になりたくなった。

おじいさんが、孫の誠司にも教えなかった、バロンの物語。

雫には教えるの、なんだかいいなぁ。

誠司と年は同じでもおじいさんにとったら、「友達」に近いのか、それとも雫の物語の肥やしになればと思って語ったのかな。

この映画の一番好きなシーンは、誠司のアトリエでの演奏会!!

誠司と、雫と、おじいさんと、おじいさんの音楽仲間たちと。

素敵すぎる。

ここの感覚は10年前の自分と変わらないな。