映画・小説の感想棚

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地球星人

母と姉には言葉を暴力を浴びせられ、塾の先生には性的行為を強要させられる小学生の奈月。
いとこの男の子由宇に会えるお盆だけが奈月の楽しみだが…!!

【ネタバレ】

気持ち悪いほど狂ってた。
今まで読んだ小説の中で一番頭おかしかったわ。
でも気になりすぎてめっちゃ一気に読んだ。

性犯罪は人を狂わすな…。
未成年に対してのわいせつ行為や性犯罪など、ニュースでよく聞く単語だけど、そこには小さな気持ちが存在する。
未成年好きな男は、無垢な女の子を汚すことに喜びを感じるんだろうか。
女の子の方は、大人が悪いということに自信が持てないから、心は拒絶してても従ってしまう。
奈月はさらに、母と姉にも言葉の暴力を受けていたから、助けてもらうところがなかった。
それで感情は消え、幽体離脱し、耳は聞こえなくなり、視界はピンクになり、先生を殺した。
つら…。
正直、こういう殺人なら、殺した方の人権を守るのも悪くないような気がする…。
先生の両親の育て方が悪かったから、未成年の女の子に性犯罪するようになったとかなのかな。
夜中に奈月を殺しに来る両親だし…。

ラストの展開が怒涛だったな…。
世間の歯車になりたい奈月、世間になじもうと頑張る由宇、世間から外れて生きたい奈月夫。
3人は田舎生活でポハピピンポボピア星人になることを目指す。
まず、宇宙人の新しい目線で、合理的に生きようと決める。
時計はせず存在するのは明るい時と暗い時、布団も敷かずに積み上げてその中に眠るようになる。
食べ物は盗み、各々のことを「~匹」と呼び、服は着ず、四つん這いで生活する。
奈月を殺しに来た先生の両親を殺し、食肉として裁き、炒め物やみそ汁にして食べる。

さらにラストシーンは、目覚めた奈月の枕元に、人間の指の骨が転がっていたところから始まる。
骨から出る肉のうまみをしゃぶりながら寝ていたそうだ。
そしてなぜか室内に風が入ってくる。

『地球星人特有の、牛乳に浸したイノシシの肉のような、甘さと獣臭さが混ざった匂いがこちらへ流れ込んできた。』

奈月は人間の匂いを敏感に察知し、こういう表現をした。
しゃぶっていた骨、殺した先生の両親の物かと思ったけど、こりゃ二人以外にも殺してるな。
場数こなさないと人間の匂いをそういう風に察知できんやろ。
室内に入ってきた奈月の姉と母は叫んでいる。
2人は裸で奇形の3人を見てではなく、そこら中に転がっている死体を見て、叫んだんではないかな。
後ろで吐いていた救助隊?の人も、匂いが気持ち悪くて。
最後もよくわからなかったが、本当に、いかれた終わり方をしていたな…。
 
同じ作者が書いた「コンビニ人間」の主人公も、殺人こそないが奈月のような性格だった。
人の感情がわからないタイプで淡々としていて、合理的で、でも世間の歯車になりたいタイプ。
作者の村田沙弥耶香さんがこういうタイプなのかな、とちょっとぞっとした。
作家仲間からは、クレイジー沙耶香よ呼ばれていたし。
2冊には性問題も出てきて、ラジオでは、自分で性玩具を何種類も買ったという話も出ていた。

ちょっと本当に作者のことが心配になるくらい、「地球星人」は狂ってました。