映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

シン・ゴジラ

主演:長谷川博已

東京湾に突如現れた謎の巨大生物、東京に上陸し、人や街を次々壊していく。
内閣官房副長官である矢口は、国民の安全を優先に判断・行動を起こすが、日本の政府はなかなか矢口の判断を受け入れなくて…!!


【ネタバレ】

一番の印象は、とてもリアルだったこと。
ゴジラや破壊された東京の街のCGがリアルだったし、人間の動きもとてもリアルだった。
命がけで逃げ惑う一般の人々と、会議室でもめている官僚たちの、温度差。
すでにたくさんの犠牲者が出ていて、自衛隊を動かすのに総理の許可がいるってなった時、判断を迫られた総理は、「憲法〇条が…。」と渋るとことか。
後は、会議室でもめつつも、国民を安心させるために会見を開かないといけない。
会見では何を言おう、とか。
なんか、災害の時に決断が遅かった時も、こういうことが起こっていたのかな、と、政治事情全然知らないのにリアルに感じた。
観終わった後調べると、監督の庵野さんは、東日本大震災の時の枝野官房長官に取材に行っていたとか。
さすが、こだわりがすごい…!!
だからこそ、ゴジラというファンタジーな生き物が登場する世界観でも、このリアルさなんだな。
それに、即決の海外政府と違い、丁寧に決断を重ねるところが日本政府独特なので、そこもまた「シン・ゴジラ」のセンス感じた。
日本を皮肉って作られているけど、これが海外が舞台だったら、この「シン・ゴジラ」の展開にはならない。
もっと熱く、賢い展開になったと思う。
 
監督が庵野さんとしって思ったけど、映画の中で出てくる肩書きのフォントが、「エヴァンゲリオン」のタイトル?のフォントにそっくりだと思った。
あと、「~作戦」とか、「エヴァンゲリオン」っぽい。
あんま詳しくないけど…。

中盤の、東京の真ん中でゴジラ放射線と炎を発射するシーンすごい迫力だった…!!
ある意味映画館じゃなくてよかった。
長いシーンで、とても大事に撮影されていた印象。

前半で、ごちゃごちゃしつつもそれぞれの正義で戦っていた、総理と大臣たち、その中盤のゴジラの犠牲者になる…。
計11名の死亡は衝撃だった…!!
日本の体裁を守ろうとする人もいたけど、国民の安全を第一に考えていた人もいたから、ショックだった。

ゴジラ解析チーム、主要メンバーはみんな残っていてホッとした。
大好きな市川実日子さんが残っていたので良かった。

ラスト、矢口が率いる解析チームの凍結作戦が成功し、ゴジラを抑え、人々はは安心を得て終了する。
が、ラストのカット、固まったゴジラのしっぽの先をよく見ると、人間の死体が固まったものが集まってできている。
意味深すぎる終わり方にネットで調べると、第5形態の始まり、と書かれていた。
映画内では、第3形態から第4形態になったゴジラが描かれていた。
研究者が、「形態は未知数」的なことも言っていたので、凍結させたゴジラは、第5形態になる寸前だった…!!
寸前、ではなく、これから第5形態になっていくらしい。
凍結される前のゴジラのしっぽの先は人の形をしていなかったから。
これから第5形態に入っていくのだろう、と。
詳しく第5形態を調べると、先っちょの人間たちが放射線を持って飛散していくらしい。
これからも恐怖が続くことを残して終わるところが怖かったな。

とても面白かったです。
長かったけど、長さを感じなかった。

1つ疑問に思ったのが、ゴジラの破壊シーンをあれだけ派手にやっていて、その後ゴジラの周りそこまで街が壊されていなかったのが、なんで?って思った。
もっと焼け野原になっているかと。
ちょい矛盾。