映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

あしたの家族

主演:宮崎あおい

 

結婚式直前、花婿に逃げられたりさは4年後、父に内緒で新しく結婚を考えている幸太郎という男付き合っている。

幸太郎はもともと父親の部下だったが、新しく配属された部署では父親の直属の上司になってしまい…!!

 

【ネタバレ】

 

結婚して幸せになるという昔ながらの価値観もありつつ、娘が両親にすごいべたべたしてるという関係性は今っぽくもあった。

 

幸太郎と父親の気まずい空気感笑う。

父親が上司で幸太郎が部下の時はとてもいい関係だったからお互い大事な人なんだけども、これが、上司部下の逆転、さらに結婚が絡む、となったらそら気まずい。

おまけにりさと母親が楽観的な無神経で、よけい笑った。

 

りさは結婚すると両親が住む二世帯住宅に住むことにこだわっている。

それは、自分が4年前に結婚したとき、父親が思い切って二世帯住宅を買って、そのローンのために日々働く姿を見て負い目を感じたから。

「お父さんに自分たちが幸せになってる姿を見せてたいから同居したい。」と。

なんかそれ聞いてもし自分が幸太郎なら、自分の都合のために巻き込むなよって思ってしまうわ。

ただ単に、「お父さんに安心してもらいたい。」だけならわかるけど、「私のせいでお父さんはローンを払っている、だから安心してもらいたい。」って自分が救われるためでもあるわけだから、そのために俺使うなよ、って思ってしまいそう。

父親も父親で、自分が張り切って買った二世帯住宅のために娘に無駄な責任感じさせてるのもどうなんって感じ。

しかし幸太郎は優しいから、同居することを承諾。

 

が、父親もよく考え、結婚のあいさつの時に、「この家には娘の(婿に逃げられたという)つらい過去も詰まってしまってるから2人には一から新しく別の場所で過ごしてほしい。」と自分たちとは別の場所で住むように言う。

ここは、父親よく言ったと思った。

2人も納得する。

 

で、ラスト。

結婚式の直前。

幸太郎は、りさと母親がいる前で父親に、突然、「やっぱり同居します。」と告げる。

…ここがラストの見せ場で感動する場所なんだろうけど、ん?となった。

何故なら、幸太郎は同居しようと思っていることをりさに相談していないから。

つまり、これから2人で暮らしていくと考えていたであろうりさに突然宣言した状態になる。

いや相談しろよ妻に、ってなった。

「新しく2人で過ごしてほしい」と言われた後もりさがずっと悩んでたなら幸太郎の独断も間違ってはないけど、りさは「新しく過ごす」ことに納得し前向きに幸太郎と歩んでいこうとしてんだから、幸太郎の意思で同居を決めたんだったらまずりさに相談してからだろってなる…。

 

基本的にみんないい人で笑うところも多かったけど、家族という身近な題材なだけに見る人の価値観によって評価が分かれる話だと思う。