映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

進撃の巨人 The Final Seasona 69~75話

エレンはパラディ島からマーレ国にわたった際、独断でマーレ国を襲撃(軍人だけではなく民間人も巻き込まれて多数死亡)したため、パラディ島に戻り牢に閉じ込められる。

が、脱走し、反兵団破壊工作組織「イェーガー派」とともに、ジークと合流しようとしている…!!

 

【ネタバレ】

 

一般的な「進撃の巨人」のあらすじは、

 

「壁の中で暮らすエレン少年は、ある日壁の外から現れた巨人たちによって、壁の中にいるたくさんの人たちが食われるのを目の当たりにする。だから、巨人を駆逐すべく調査兵団になり強い兵士を目指す。エレンは巨人を倒し、子どものころからの夢、壁の外に出て自由を手に入れる、ということができるのか?」

 

と、主人公目線の希望を持たせるものになると思う。

だけど、物語が進むにつれ、世界や歴史が明らかになり、それを踏まえたうえでのあらすじは違う。

 

「巨人になる素質を持つ‟エルディア人”はマーレ王国を滅ぼし、以降‟マーレ人”は‟エルディア人”を憎む。その後の大戦で弱体化した‟エルディア人”の一部はマーレ王国からパラディ島に避難し壁を打ち立て歴史や記憶を消して鎖国状態で約100年生きていく。‟エルディア人”と‟マーレ人”、双方に希望はあるのか?」

 

と、めちゃくちゃ複雑だしほぼ希望ゼロのあらすじになってしまう…。

いかにエレン少年は井の中の蛙だったか…!

駆逐しようとしていた巨人はみんな元人間で、自分たち壁の中の人間は誰でも巨人になる素質を持っているんだと…。

だからこそエレンはいろんなことを考え、いろんなことをしようとしている。

 

また、‟エルディア人”の中でも、壁の中で生きてきた者、マーレ王国に取り残された者で考え方もすごく違う。

派閥もわかれててややこしい…!

つらい。

 

そしても私はもうエレンの思想についていけない、というかわからない…。

主人公なのに…。

主人公が闇落ちする物語とかあまり知らないんだけど…。

 

この作品は大きい世界観の作り方もすごいけど、憎しみの描き方もすごすぎる…!!

 

‟マーレ王国に住むエルディア人”のガビという女の子は、一族から、「‟パラディ島(壁内がある島)のエルディア人”は悪魔」と教えられていた。

…もうややこしい。

で、ガビは‟パラディ島のエルディア人”を憎み、マーレ王国に忠誠を誓っていた。

 

ガビはマーレ王国に攻めてきた‟パラディ島のエルディア人”の女兵士サシャを殺し、捕まえられパラディ島に連れてこられるが脱走。

脱走先の田舎(パラディ島内)で心優しい金髪の女の子と知り合う。

ガビは金髪の女の子をも憎むが自分の正体がばれるのを恐れ敵意を抑える。

金髪の女の子は巨人に親を殺され孤児になったため、髭のおじさんに拾われ面倒を見てもらっていた。

髭のおじさんは何人かの孤児と住んでいて、ガビも自分の正体を明かさずその中の1人に入ることになった。

ある日、髭のおじさんたちはあるマーレ人のシェフにごちそうしてもらうことになり、ガビも行くことに。

髭のおじさんたちがいないところで、マーレ人シェフに助けを乞おうと自分がしてきたことを自信たっぷりに言うが、そのマーレ人にとってサシャは恋人だった。

マーレ人シェフは髭のおじさんたちの前でぼこぼこにしたガビを見せガビの正体を明かし、包丁で殺そうとする。

髭のおじさんはマーレ人シェフに包丁を自分に渡すよう言う。

髭のおじさんはサシャのお父さんだった。

しかし髭のおじさんは、「子どもたちのためにも憎しみを背負うのは大人の責任だ。」と言ってガビを殺さず包丁を妻にわたし、妻は包丁をテーブルに置く。

その場はいったん収まったかに見えたが、今度は金髪の女の子がガビに刃物を向ける。

お母さんが巨人に食われた直後、金髪の女の子を救ったのはサシャだった…。

 

つ、つらすぎる…。

サシャ…。

サシャは初期メンバーだったから、死んだときは私もすごくショックだったけど、こんなに周りに影響を与えていたとは…。

人一人死ぬだけでこんなに人の思想や感情も変わってくる…。

これがめちゃくちゃ大きい規模が戦争…!

髭のおじさんが言うように、憎しみを引っぱらずにどこかの世代で我慢しなければ、一生平和はないように思う。

たぶんみんな分かってるんだけど、大切な人が殺された当人になると無理なのかな。

 

リヴァイとジークの対話もやばかった…。

リヴァイの仲間が2人と離れたところで周りを見張りつつ、対話している。

ジークが途中リヴァイに、「お前モテないだろ」とディスってるシーンで、「…モテたことくらい、ある。」とややすねだったのが笑った。

こんな生きるか死ぬかの重たい世界の中でも、モテというプライドや欲がリヴァイの中にもあるのかと思ったらちょっと平和な部分が垣間見られてほほえましかったから。

が、そのあとがしんどい…!!

ジークによって見張りの仲間全員が巨人化し、操られ、リヴァイを襲う。

リヴァイはまだ人間の面影が残る巨人たちをやむなく殺していく。

リヴァイの下した決断と対応は非情なんだけど、そうせざるを得なかったリヴァイのことを思うとしんどい…。

 

しんどいけど、続きを見るクリックの手が止まらない。