主演:戸田恵梨香
対人障がいの若い女性、セックス依存症のイケメン医師、政治家老夫婦、万引き常習犯の小学生、その小学生を誘拐するやくざ、ネグレクト中年夫婦、いじめを受けて引きこもる男子中学生、占いで金を巻き上げる老婆…。
それぞれ悩みを抱えた人たちが、4/1,嘘をついて人をだまし自分をだまし、物語は展開していく…!
【ネタバレ】
面白かった!
群青劇です。
前半は登場人物たちのクソな部分がフォーカスされ、人間って汚いなと思ってしまう。
でも、クソな人間にはうっかり銃で殺されかけたりなどそれ相応の罰を受けるので、見ててそこまで嫌悪感はない。
さらにノリの軽いやつや単純馬鹿なやつが場面場面でいるので、重い話も笑えるのがすごくよかった。
全員訳ありなので、それぞれ最初の嘘がわかると、見てて「なるほどな」となり…、その嘘のせいで巻き込まれた人も嘘をついていたり、でも実は嘘じゃなかったり、でも本当だと思っていたのが実は嘘だったり…、と落ちが全然予想できず、かつ笑いも込みで進められるから飽きることがなかった。
ある漫画で、「加害者もケアが必要」的な言葉あったけど、この映画を見てその通りだと思った。
どのレベルの加害をしたかによると思うけど、被害者が許してくれるレベルの罪なら、きちんとその加害者の心を治してあげた方がいいと思う。
ココに出てくるモブ含めた登場人物は、こういう加害を受け入れ、同情できる心の持ち主ばかりだったので、見てるとだんだん、人間って優しなと思ってくるようになった。
菜々緒さんが演じたCAの女性が特にかっこよかった。
自分の命を脅かしてきた相手や、自分を遊んできたクソ野郎相手にも気持ち寄り添ってあげてた。
後半は、自分を鼓舞するための嘘、相手が傷つかないための嘘、で展開され、この映画に本当にクソな人間はいないんだとわかる。
また、こことここがつながっていたのか、という伏線回収が多いので、最初主人公が銃を持っていた理由など、序盤で謎に思っていた部分が後半で判明されてすっきりする。
さいごは、対人障がいの女性(戸田恵梨香さん)とセックス依存症のイケメン医師(松坂桃李さん)が生まれたての赤ちゃんを並んでみてて、こっちも、「あれ?この二人結婚してなかったっけ??これも嘘だっけ?」と現実世界すらもよくわからなくなってた。
テンポのいい、面白い映画でした。
それにしても、対人障がいの女性役の戸田恵梨香さん演技うまかったな。
CMなどで見る堂々とした「戸田恵梨香」はおらず本当にコミュ障のおどおどした女性にしか見えなかった…。
あと誘拐された万引き常習犯の女の子の、生意気で感情をあらわにしない複雑な感情がすごく伝わってきたので、きっと天才子役とか言われてたんだろうなと思って調べたら、「浜辺美波」だった…。