映画・小説の私感棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

耳をすませば

読書が大好きな中学3年生の女子、雫は図書カードにいつも名前が記載されている天沢聖司のことが気になる。

雫は聖司と親しくなるが、バイオリン職人を目指す聖司のことをとても遠い存在に感じてしまう…!

 

 

10年ぶりくらいに見直しました。

これは本当にいい!!

多感な10代に見た時と印象が全然違う。

学生の時は、誠司がかっこよくて、ファンタジーのような物語、という認識だった。

しかしもうおばさんになってみてみると、雫のまぶしい考え方に、胸が痛くなる時もあった。

自分がくすんでいってるのがわかる。

 

雫という女の子は、まっすぐで、かたくなで、純粋。

バイオリン職人を目指す誠司に追いつこうと、やってみたかった小説を一気に書き上げ、誠司のおじいさんに読んでもらう。

雫は、小説を書くために、睡眠時間と勉強の時間を削って、とにかくがむしゃらに書いていた。

私も中学生の時は、ONE PIECEの絵や、いとこにあげるための絵本など、我を忘れて描いていた。

しかしこの年になると、我を忘れるほど没頭することなんて、ない。

だからそれを思い出させてくれた雫には感謝し、今の自分に落ち込む。

 

あと、雫の妄想癖も昔の自分と似てて共感した。

猫を追いかけて、「新しい物語が始まるかも。」とわくわくしたり、丘の上の誠司のアトリエに下る外の階段で、街の景色を見下ろして、「空に浮いてるみたい。」とドキドキしたりとか。

10年前までは私も日常的にこういう妄想をしていたが、みそじ前になった今、脳はさび付き、まぶしい妄想なんて出てこない。

だから、胸がチクチクする。

 

でも、大人だからこそ、昔と違う見方ができる。

それは、誠司のおじいさんのこと。

おじいさんは、映画では明かされていないことが結構多い。

分かっているのは、若いころドイツへ留学しており、今は仲間と音楽をしていて、「地球屋」というお店(修理屋さん?)を営んでいる、ということくらい。

のんびり、好きなことをしながら老後を楽しんでいる印象。

だけどおじいさん自身、ドイツで恋人と別れたことがいまだに気がかりだったり、人間味がある。

だからそんな深みがあるおじいさんが素敵だなと思ったのと、私もそういう人と友達になりたくなった。

 

おじいさんが、孫の誠司にも教えなかった、バロンの物語。

雫には教えるの、なんだかいいなぁ。

誠司と年は同じでもおじいさんにとったら、「友達」に近いのか、それとも雫の物語の肥やしになればと思って語ったのかな。

 

この映画の一番好きなシーンは、誠司のアトリエでの演奏会!!

誠司と、雫と、おじいさんと、おじいさんの音楽仲間たちと。

素敵すぎる。

ここの感覚は10年前の自分と変わらないな。

 

【再視聴】

 

前回は三十路前に見てたらしいけど、さらにおばさんになってから視聴。

 

とてもよかったです!

お父さんが静かに威厳ある人で素敵。

お姉ちゃんのいうことに反抗ばっかりしてたのにお父さんが一言声をかけると、おとなしく言うことをきく雫、中学生って感じ。

良い家族。

 

地球屋の内装や、地球屋から見える街並みの景色がやっぱりとても好き。

ファンタジー

音楽のシーンが本当に好き!

ああいう余裕のあるおじいさんの友達ほしい。

老後の人生をゆったり、上質に生きてそう。