
作者:金水敏
大阪弁のオノマトペ、ノリ、そして変遷…、幕末から令和まで大阪弁はどのように変化していったのか。
また落語や漫才、漫画や5chなど、幅広い資料を基に、大阪弁を深く解説していく。
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【ネタばれ】
「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」に出てた作者とさらば青春の光のトークがすごい面白かったのと、表紙がかわいかったので即購入。
ポップで笑える大阪弁の内容を期待したけど、半分が土地と古典芸能についての大阪(と関西)の歴史で、頭に入ってこないところもしばしばあった。
でも私自身、生まれも育ちも、気が荒いで有名な大阪の泉州地方なので、共感や勉強になることも多く、全体的に面白く読めた。
泉州弁にも触れてくれていた。
「・基本的に、敬語(尊敬・謙譲・丁寧とも)が発達していない」
真剣なのかいじってんのか喧嘩売ってんのかわからんけど。
方言についていろいろ考えさせられた。
この本では関西弁でも様々な種類があり、その中の大阪弁の中にも、いくつか種類があることが紹介されている。
だけど、専門学校に入って大阪市内へ出て関西のいろんな友達ができ、「~け」「~でよー」という言葉遣いが怖いと指摘され、意識してやめた。
「やばい」「めっちゃ」など、時代によって流行る言葉が自分の言葉になじむようになり、使いだした。
テレビでは大阪人は語尾に「知らんけど」をよく使うと放送され、言うことが恥ずかしくなって「わからんけど」に変えた。
つまり、元は泉州弁を話してても生き方によって言葉って変わってくるよな、と。
「方言」ってその方言を正しくしゃべれる人って本当はいないんじゃないの?とこの本を読みながら、思った。
これは大阪弁だけじゃなくて、ほかの方言でもそうだけど。
ほかには、60年代までは、漫画での関西弁キャラといえば、ケチ、食いしん坊、下品など主人公から見たら格下として書かれていたらしい。
しかし90年代以降はコナンの平次しかり、これまでの関西人イメージじゃない関西人キャラがたくさん出てきた。
さらに漫才ブームもあり、関西のイメージもよくなってきている、と。
個人的には大阪や関西のイメージはまだあまりよくないと感じているけど、この本曰く昔はもっとひどかったんだな…。
てか戦前の1934年にはスーツ姿でのしゃべくり漫才が出来上がっているのにびっくりした…。
大阪府民の会話のやり取りはやっぱり好き。
思い返せば、物心ついた時から母の「なんでやねん」「なにやっとんねん」はツッコミなのか、ガチギレなのか見分ける顔の窺い方をしていた。
例えば夕ご飯前にお菓子を食べまくっててそれがばれてた時。
とっさに私が、「ちゃうねん、これ毒見やねん!」って言った時に返された、「なに言うとんねん!」は若干口角が上がってたからツッコミだったな、これくらいの悪行はこのボケで許されるんだな、とか脳をフル回転させて母と会話をしていたのを覚えている。
こないだも似たようなことがあった。
私とベテラン社員しかいなかった職場の事務所にアルバイトの男の子が用事で来てた時。
おそらくゴミ箱の場所がわかってなくて、床に落ちてたヘアゴムをベテラン社員に渡したら「あんた使い」と言われていた。
私がベテラン社員と男の子のやり取りを笑って「ゴミ捨てときますよ」と手出したら、「あ、どうぞ使ってくださいw」と言って渡してきた。
男の子と私は初対面なのに。
たぶん、大阪府民ってみんなしょうもないことに脳みそフル回転して空気読んで発言してるんだろうと思った。笑
本書にちょいちょい登場するN・Y氏は、ずっとアルファベット表記だったのに最後にさらっと、西靖氏とフルネーム表記してるのが意味不明で好き。
西アナウンサーとこの作者がいるトーク会?きっと面白いんだろうな。
なんか本当に大阪弁と関西弁だけで1冊の本になっていた。
いろいろ自分の言葉とか生きてきた大阪という土地について考えたけど、私にはやっぱり大阪が肌にあっていると感じた。
他県民の人にはわかってもらえないのかもしれないけど、笑いを優先するところとか本音で話すところとか、当たり前すぎてそうじゃない文化が考えられない。
井の中の蛙大海を知らずといわれればそれまでだけど、この井の中がめちゃくちゃ居心地良いっていう…。