
作者:石田ゆうすけ
会社員を辞め、自転車で世界一周を目指す作者は、スタート地点をアメリカ大陸のアラスカにする。
アメリカ大陸、南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東~アジア…、と、1度も日本に帰らず7年半かけて自転車で世界一周を成功させる。
─────────────
【ネタばれ】
事実は小説より奇なりというけど、マジで下手な冒険小説より面白いノンフィクションの冒険譚だった!
読んでるというより、作者と一緒に体験しているくらいの没入感を味わえた。
アメリカ大陸ではテントからオーロラを見たり、密林の奥にある美しいティカル遺跡に感動したり。
南米では山賊に銃を突きつけられて無一文になったり、アメリカ大陸で出会った仲間たちと再会したり。
ヨーロッパでは天才美少女に好意?を持たれたり、一時期一緒に旅した仲間が亡くなった知らせを受けたり。
アフリカではマサイ族の少年とガチ徒競走するけど余裕で負けたり、サバンナで像の群と並走したり。
中東~アジアではガンジス河で世界の平和を願ったり、人の優しさを受けて旅が成り立っていたことに感謝したり…。
アメリカ大陸は、旅しょっぱなのオーロラが、とてもきれいだった。
オーロラがゆらゆら揺れてからの爆発音まで、一緒に見れた気がして、素晴らしかった。
アメリカ大陸で一人旅のキヨタ君と友達になり、数か月ごとに旅先で顔を合わせ、南米でも一時期チャリで2人で旅をしている。
キヨタ君はじめ、旅しているうちに友達になった人との出会いと、再会が本当に熱い…。
広い世界、そんなに都合よく再会する!?って読んでて思ったけど、チャリダーやバックパッカーにとってはあるあるらしく、「○○は~」と旅人のうわさも回るらしい。
そして、残念な悲しい別れもある。
アフリカ大陸では、サバンナにいる野生の動物たち、そして現地人たちの優しさがとても素敵だった。
動物も人間も、純粋に、「生きている」という印象。
人ってたぶん、本当はすごく優しい生き物なんだろうな。
作者も、アフリカを出てすぐ、「アフリカに帰りたい」と言っていたので、その章は気合を入れて書いていたんだろう。
魅力的なエピソードが多かった。
そして終盤に書かれた文章。
「これまで、いったいどれだけの優しさを受けてきたのだろう…。くたびれ切った頭の中を、様々なシーンがよぎっていった。みんな、なぜそこまで他人に優しくできるのだろうか。通りすがりの旅行者など、放っておくことだってできたのだ。それなのに立ち止まって、手を差し伸べてくれた。」
でもこれ、作者がそもそも人間力高いからみんな手を差し伸べるんだろうなとも思った。
作者は英語だけではなく、ほぼ必ずと言っていいほど、現地の言葉を片言でも話そうとしていた。
自国の言葉を話してくれると嬉しいし距離感近くなる。
私の体験談だけど、日本に来た観光客が道で荷物をどかそうとしたとき、「ソーリー」じゃなくて「スイマセン」って言ってて、それだけでめちゃくちゃ親しみわいた…。
そんなわけで、世界の人々が優しいのは、作者の努力や細かな気遣いなど、魅力があってこそだとも思った。
マジで世界一周を体験させてもらった1冊でした。
この人のほかの本も読んでみます。