映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

この世界の片隅に

昭和初期、
広島県広島市でのんびり育ったすずは、
同じ広島県呉市に嫁ぐことになるが、
どんどん戦争が始まっていく…!!

ネタバレあり。
自分のせいで旦那の姉の娘はるみを
死なせてしまったことや
右手を失って家事ができなくなった責任で
旦那家にいづらくなるすずとか、
すずに当たっても仕方がないのに
八つ当たりしてしまうはるみの母とか…、
いろんな人間の気持ちが描かれてつらい…!!
8月6日、すずは、辛すぎて広島市に帰る
と荷物をまとめてるところにはるみの母が、
「はるみのことも、
家事ができないことも気にせず、
ここにいていい。」という言葉をかけ、
「ここに残る。」とすず言った瞬間、
ピカッ!!!と空が光る、
というタイミングがまた何とも言えんかった。
旦那家は呉市なので
原爆の直接の被害はないが、
もしすずが早く広島市に帰っていたら、
はるみの母とも分かり合えず
すずは死んでいた…!!

とにかく、
最初は淡々と戦争が始まる前の生活を
見ているんやけど、
はるみが死んだ後からそれぞれの
人間の気持ちが大きく動き出し、
すずの葛藤もつらいし、
隊に行ってなかなか帰ってこない
旦那にも、「俺はお前と一緒にいたい、
それじゃだめなのか!?」
といわせる始末で、つらかった…。
でも最後はちゃんと家族そろって
生活も徐々に安定しだすところまで
描いてくれたので、本当によかった。