波の国のタズナやイナリ達が作った、
空飛ぶ船『飛鯱丸』の完成飛行の警備に、
カカシが行くことになった。
しかし飛鯱丸(とびしゃちまる)には、
『霧隠れの里』の抜け忍、
羅氷・華氷達一味が侵入しており…、
漫画「NARUTO」最終回以降の番外編小説。
【ネタバレ】
超ー面白かったー。
NARUTOファンとしてすごく良かったです!!
1番の理由は、
オリキャラの華氷がとても魅力的だったこと!!
華氷は、霧隠れの里の抜け忍。
華氷は自分の里と自分のことを語る。
昔の霧隠れの里はひどいものだった。
忍に身分制度があり、
危険な任務は身分の低い忍者がこなしていた。
なので、身分が低い忍は
当然命を落とすこともある。
忍者学校での卒業試験では、
身分の低い者同士は殺し合いを
しなければならない。
今の水影になって状況は良くなったようだ。
(メイが水影の時点で
華氷達は里を抜けていたよう。)
先代の水影やぐらは
マダラに操られていたようだ。
そこで、身分の低い私(華氷)と夫は、
忍者のいない波の国へ移り、
波の国の人たちが五大国に依頼している
任務を自分たちがやることにした。
が、忍業をする私達に
敬意を払う者はいなかった。
夫は心がやみ、酒をたくさん飲むようになり、
海に落ちて死んだ。
私は一人息子を支えるために
仕事をたくさんした。
ある日息子が、友達と遊んでいた時に、
友達がふざけてスズメバチの巣に石を投げた。
友達に襲うスズメバチに
忍術で守ろうとする息子だが、
友達は逃げ帰っていった。
息子の帰りを心配した私はその友達の家に
訪ねると母が「抜け忍の子どもだと知ったら
遊ばせてなかった。」という。
何とか場所を聞きだし駆けつけると、
息子は全身スズメバチに刺されていた。
病院に連れて行くが医者はおらず、
その次の病院も、その次の病院も、
その次もいない。
医者は、五大国が戦争の負傷者を
手当てするためお金で買い上げていたため、
息子は診てもらえず、死んだ。
…これ華氷主人公で一冊本できるでしょ!!!!
華氷の、切なくて、母性があって、能力があって、
という設定がとても私の好み…!!
本当にこの話だけで終わるのは
もったいないキャラだなぁと…。
話し方と青いドレスで、
水影メイを思い出したんだけど、
本当はどんなビジュアルだったんだろ…。
男性と女性で、「自分の子どもが。」という
訴えは、違う気がする…。
すごい偏見で申し訳ないけど…。
でもカカシの態度も全然違っていた。
華氷達のボス我龍の目的は、
「管理しての平等・平和」らしい。
そのための人殺し…。
カカシは、
華氷がお面をつけて男だと思っていた時、
「自分の息子が殺されたから。」
という理由での波の国の人たちの殺しは、
「お前は間違っている」と説教をしていた。
が、女だと知ったとたん、
すっごい華氷の気持ちに
寄り添おうとしてるからね…!!
もともと、顔を知っていた、
というのもあるかもしれないし、
ただ単にカカシが女に弱いのかもしれない
(エロ小説よく読んでるし)。
でもやっぱり、カカシも私と同じで、
母親ってだけで、
愛が特別に感じたんじゃないかな。
ずっと父子家庭なら父の子に対する愛も
母と同じくらいかもしれんけど。
…偏見すいません。
あと、
序盤に我龍が言ってるのわかる気がする。
「もし波の国が平和だというのなら、
それは貧しいものを踏みつけ、
札束の上に築きあげられた平和だよ。」
華氷の息子が死んだ原因
(病院をたらいまわしにされた末
医者が買い取られていた)について。
今この地球でも、先進国の我々が、
開発や開拓で地球を壊して温暖化を進めている。
なのに、水面が上がって困ったり、
異常気象や災害で命を落としたりしている人が
たくさんいるのは貧しい国。
…まぁ、貧しい国の方が発達してないから逆に
環境に悪い車とかに乗ってるかもしれないけど。
けど先進国の我々は、
あまりそういうのを考えていない気がする。
綱手とシカマルが
リーダーシップ発揮しててよかったな!!
二人がすごいだけに、
カカシが火影って無理じゃないの?と思った。
この小説内だけで4かい、
本気で死のうとしてたしね、カカシ。
忍界対戦でも死のうとしてたし、
それでこそカカシって気もするけど…。
綱手やシカマルなら、絶対、
さいごまであきらめないと思うんだけどな…。
綱手、戦争が終わって
自信がなくなったから火影をやめるってこと?
身体も頭もまだまだ動くのにもったいない。
雷影や土影にものをいえるのも、
綱手だからこそとも思うんだけどな…。
いろいろカカシも死を覚悟するが
いつものごとくなんやかんやで
生きているカカシ。
しかし火影になる決心はつかない。
飛鯱丸が壊れ地上に降り、
脱獄犯たちと戦っている木ノ葉の忍たち。
ナルト以外のナルトの同期達。
シカマルがテンテンに指示して
共同作業って新鮮だし、
シノも相変わらず安定して有能。
いのの心転身の術も便利で有利。
ガイ先生もリーも好き!!
その他もろもろ。
(オレはこいつらの悲しみを、
みんなまとめて呑み込んでやろう。
そう、当たり前の顔で。そして、
こいつらと一緒に、
悲しみにのたうち回ってやろう。
火影になるというのは、たぶん、
そういうことなんだ。)
カカシはようやく、火影になることを決意する。
前向きなようでどこかマイナス思考な決意。
安定のカカシ先生だ。
最後、華氷がカカシのことを
好いてる感じがよかったな。
華氷とメイ、いろいろ話し合えたらいいのに。
最後に、カカシ先生、テンテンとキバとシノにも
ラーメンをおごってやってくれ。
とても面白かったです。
あと気になってるのは、「木ノ葉秘伝」。
表紙にテマリがいたので気になってるけど
またキャラ崩壊してもなーと思いながら、
今回良かったしな。
迷い中です。