カルメンが古着屋で見つけた1本のジーンズを、幼馴染4人で順番交代に回し穿いた夏の休暇。
あれから1年たち、4人はまたジーンズを回し穿きする。
そしてそれぞれ人として、女として成長する。
とてもとてもとてもよかった…。
今回は、4人とも、家族のことや身近な人の死などテーマが重かったから余計、みんなそれぞれがそれぞれのやり方で一歩踏み出す時はすごい鳥肌立った。
鳥肌立つシーンが多すぎた。
カルメンが思う、デートの迎えの約束の時間にぴったり来たらこうだろう、少し遅れたらこうだろう、と人の何気ないアクションで人を測る感じが日本人っぽいと思った。笑
こういう人の判断の仕方は世界共通なのかな。
カルメンは特に本音と建て前を分けてる、よく言えば他人を優先する頑張り屋、悪く言えば本音を打ち明けれずもやもやを抱えてしまうタイプの子だから苦労人だと思う。
人はこれを、京都人ともいうんだけど。
だから余計そういう葛藤のエピソードが多かった。
でも、メンタルが安定してるときは、人に対してうがった見方をしないしとても純粋でいい子だから、幸せなってほしい。
作者は一人なのに、なんでこうも4人のキャラをかき分けられるのだろうと感心してしまった。
同じことが起こっても、4人とも同じ行動をとるようには思えない。
それくらいキャラの書き分けがうまい。
4人が起こった問題と悩み方それぞれに共感できて、寄り添えて、かつ好きになって応援したくなるっていう。
作家性の強い作者だと、「あー、この作者がかくキャラってこうだよね」とか癖が出るけど。
もちろんそれが悪いとかじゃないけど、この作者はそんなことが全くない。
「人間」がマジでそこにいる。
10代の女の子たち目線のお母さんもすごいリアル。
冷静になって悪態つくけど、本当は愛されてほしい、みたいな。
カルメンが言ってた、「放っといてほしいけど無関心ではいてほしくない」ってセリフ、すごい10代の自分思い出した。
本当に表現が上手。
ティビーは特に「どうせ私を愛してないんでしょ?」ってツンという気持ちになるから、お母さんに悪態ついたり平気な振りしたりする。
それでお母さん自身は、「この子なら大丈夫」って判断して、手のかかる弟たちのところにかまいに行って、それでティビーは思うところがいろいろあって…、みたいな。
心情かくのがとにかくうますぎて、何度もぎゅーっとなった。
はー、続編読みたくなった…。