サン=テグジュペリ
砂漠に墜落した主人公が
出会った、王子さまの物語。
可愛い話!!
最初の出だしが独特で
読む気にさせた。
王子さまの発想も面白くて、
ほんまに王子さま
おるんちゃうかー
って思った…。
バラとの会話が印象的。
これからも
読み続けていきたい作品!!!
【再読・ネタバレ】
サンタさんを信じていた小学生の時に読んだときは、この本は実話だと思っていた。
出だしのプロローグがまず。
「レオン・ヴェルトに この本を、こうして一人のおとなにささげたことを、子どものみなさんは許してほしい。何しろ大事なわけがある。この人は、この世で一番の僕の親友なのだ。」
作者からピンポイントの誰かに向けられているというのが、ノンフィクションっぽい書きだし。
実際は、「レオン・ヴェルト」に向けて書いたプロローグが本当で、次のページの本編からはファンタジー。
だけど本編の序盤も、「僕」の子どもの時の感性の話になっていて、プロローグの「僕」と一緒だと思っていた。
「こうして思い出を語るのも、本当はとてもつらい。僕の友達が羊とともに行ってしまってから、もう6年にもなる。こうして僕が今書いているのは、彼を忘れないためなのだ。友達を忘れてしまうのは、悲しいから。」
たまに「僕」が読者に語り掛けてくるのも、ノンフィクションと思った理由…。
今思えば小学生の私はあほやったけど、あほやからこそ、「星の王子さま」を存分に楽しんでいたな…。
これをノンフィクションと思えた心は素敵だ。
星の王子さまは、地球で飛行機が不時着した「僕」と出会うまで、さまざまな星を旅してきた。
地球に来てはじめの方に会ったのは、砂漠に咲くたくさんのバラたち。
王子さまの星でもきれいなバラが1本咲いていて、大切に育てていたが、地球ではたくさん咲いている。
王子さまはショックを受けて涙する。
(ぼくはこの世に1輪だけの、財宝のような花を持ってるつもりでいたけど、本当は、ただのありふれたバラだった。)
そんな時にキツネと出会う。
キツネはさみしいのか、王子さまに、「自分をなつかせてくれ。」という。
王子さまはいやいやながら、キツネの言う通り、毎日少しずつ会い、仲良くなっていく。
「例えば、きみが夕方の4時に来るなら、ぼくは3時からうれしくなってくる。」
そして王子さま出発の日、キツネはさみしくて泣きそうになる。
キツネは王子さまに、もう一度バラたちに会いに行って、再び自分のところに戻ってくるように言う。
王子さまは言われた通り、バラたちのもとへ行く。
「あれ、きみたちは、ぼくのバラには全然似てないや。きみたちはまだ、いてもいなくても、おんなじだ。誰も、きみたちをなつかせたことはなかったし、きみたちも、誰もなつかせたことがないんだ。初めて会った時の、キツネみたいだ。」
大切なことに気付いた王子は、悪気なく、決まり悪そうなバラたちをディする。
「きみたちは美しい。でも外見だけで、中身は空っぽだね。」
王子さまの気付きは素晴らしいが、「声に出さんでも…。」とは思った…。
すっきりした王子さまはキツネの元に戻ってきた。
キツネは王子さまとのサヨナラの前に、言う。
「じゃあ秘密を教えるよ。とても簡単なことだ。物事はね、心で見なくてはよく見えない。一番大切なことは、目に見えない。」
そうして王子さまとキツネは別れた…。
ここの一連、何度読んでも、「ふむふむ」となる。
就活対策の時に、身だしなみやマナーなど、すごく厳しくチェックされた。
それって大人たちは、「心の目で見ていない」ということなのかな。
うわべだけを見ているから。
身だしなみとかきちんとできてなくてもすっごいポテンシャル持ってる人だっているかもしれないのに。
とは言いつつ、就活の面接に関しては、身だしなみやマナーで、清潔感と雰囲気と協調性はわかるか。
こうして人は年齢の成長とともに心の目で見ることをやめ、大人になっていくんだろうか。
まぁ「子ども」として描かれた王子さまも、王さまとの会話見てたら充分大人な気がするけどな。
「ぼくはどこにいても自分を裁けます。」
大人でも自分を裁ける人ってどれくらいなんやろうな。