狸の頭領を務めていた故・下鴨総一郎には、
妻と4匹の兄弟がいて…!!
もう本当に本当に面白くて、
読んでる間幸せで、
森見さんありがとうございます、と叫びたい。
例えば、サンタクロースとか妖精とか、
大人になるにつれてファンタジーって
存在しないんだってあきらめていたけど、
森見さんの作品を読むと、
天狗とか偽電気ブランとか、
京都ではファンタジーは
存在するんじゃないの?って思えて来る。
それはたぶん、
実際ある場所や行事を使って、
架空の人物や出来事を
足しているからだと思う。
ギリギリラインを攻めてるから、
存在するんじゃないの?と思えて来る。
読んだ後も
こんなに妄想できる物語ってないって思わされる…。
これからも森見登美彦さんの作品を
知っていきたい。
今回の「有頂天家族」は、
森見作品でよく見かける
腐れ大学生が主人公ではなく、
おもしろそうなことに首を突っ込む、
頭の切れる狸が主人公。
映画でも小説でも漫画でもなんでも、
やはり堅物より
アホっぽい主人公の物語の方が面白いな!!
視野が狭く頭ごなしに弟たちを叱ってしまう
長兄の器はまだ小さいけど、
4兄弟の父総一郎は相手の気持ちをくみ
ドーンと余裕に構えていて、
本当に山みたいでかっこいい!!
弟が海星姉ちゃんから放られて走るシーン、
次兄が父の最期の言葉を
思い出したシーン…、
弱っちいキャラが一歩勇気をもって
変わるようなところは
やっぱり鳥肌が止まらん…!!
【再読・ネタバレ】
2回目でもとても面白かった!!
京都で起こる完全ファンタジーだけど、「鳩居堂」や「高島屋前で弾き語りをしている若者」など実際ある店や光景を景色の一部として入れてくるから、一気に現実の京都に戻される。
わくわく感。
後はやっぱり、キャラクターの濃さ。
弁天に惚れていてプライドが高い老いぼれ先生の扱い方が特に好き。
ラストのシーン、現場の混乱を治めたい矢三郎、弁天の浮気現場を作り怒った先生に爆風を起こさせるっていうところ。
キャラクターの性格が極端すぎて本当に面白かった。
基本的にみんな性格が極端すぎて、あほだった。
あほとあほが絡み合うんだから、声出して笑う部分もいっぱいあった。