映画・小説の感想棚

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赤毛のアン

ルーシー・モード・モンゴメリ

カナダの
グリン・ゲイブルズに
引き取られた
11歳の孤児のアンが16歳まで
たくさんの出来事とともに
成長していく物語。

当たり前の幸せを
いちいちかみしめて
喜ぶアンやからみんな
好きになるやろうな!!
たくさん遊んで勉強して
失敗して、女の子の成長って
こんなんかなーって思った。

「メープルヒルの奇跡」
もそうだがカナダ小説は
景色の描写が素晴らしいの
多いんかな。

【再読・ネタバレ】

翻訳者のあとがきでもある通り、
モンゴメリさんは本当に、
少女の心に理解のある人だ…。
赤毛』という大人から見たら、
「何をそんなに気にすることが?」
ということでも11歳アンは
コンプレックスに感じている。
頑固だし、怒れば感情のままに突き進んでいく。
逆に、花や風や季節に敏感で、
そういうことにすぐウキウキする純朴さ。
読んでて小さい頃の気持ち思い出した…。

アンという女の子は特に、
喜怒哀楽、すべての感情に全力…。
そこが持ち味でもあるけれど、
始めは、周りからうっとうしがられもした。
だけどアンはアンで、誰とも比べない。
見た目のことで比べて若干落ち込んだり、
成績も比べて頑張ったりしてるけども。
比べて優越感に浸ったり、
深い劣等感に悩まされたりはしていない。
アンの、「私は私でよかった!!」
というところがうらやましい。
「想像もできるしこんなに幸せだし。」って…。

11歳から、16歳まで、
アンの本質は変わっていない。
おしゃべりが減ったり、
家事の失敗はなくなったけども、常に、
周りの人と、自分と、季節を、大切にしている。
それが一番幸福な人の在り方だと思う。
身の回りを大切にしていることって。
さらに、「学校一になって大学へ行く!!」
という野心も、持っている。
それがまたすごい…。
野心こそが、アンを突き動かすものだとも思う。
一直線に努力するもんな―。
女性特有の素朴さと、男張りの野心…。
せわしない人間だ…。

マシュウの死に直面したアン…、
実感がなくてその日は涙が出ないというの、
共感できるなぁ。
私も祖父が亡くなったのを知った時は、
いきなりすぎて実感がなく、
鼓動だけが早くなっていた。
もう会えない、もう声を聞けない、
と分かった瞬間、泣けてきた。
アンの場合は、
ずっとマシュウと住んでたからな…。
本当に悲しかっただろうなぁ…。

赤毛のアン」というと、
きれいな景色の中で無邪気な少女アンが
過ごす物語、というイメージ。
だけど、街の音楽会など、
意外と何回も街へ遊びに出かけている。
グリン・ゲイブルズと同じくらいアンにとっては、
街は魅力的なよう。
アンの目から見たらすべてが新鮮で、
魅力的なんだろうなぁ。
そして後半では街の学校に行き、
大学のために勉強に励んでます。
そばかすは消え、美しい16歳になっている、と。
これは、アンの成長物語。
あとは、
アンの親代わりであるマリラの成長物語。
堅物マリラも、
保護者として迷いながらアンと向き合ってきた。
最初はアンの言動に腹が立ち
いちいち面食らうけど、だんだん、
それがいとおしくて仕方がなくなる。
その変化もよかった…。
私ももう大人になってしまったから、
最初はマリラ目線で物語見ていたな…。
でもアンの成長を読むことで、
ちょっとは子どもの気持ちも思い出せた。

とても長かったけど、とてもいい物語でした。