男子高生の外村はある日学校の先生に頼まれ、来客を体育館に案内すると、来客はグランドピアノを調律しだした。
調律師という職業も知らなった外村は、ただただ来客が変えていくピアノの音に魅せられて…!
【ネタバレ】
表紙のデザインからして暗い内容かと思ったけど、とても繊細で暖かい話だった。
私自身、調律師という職業は軽く知ってたけどそこまでガチ目に触れてきたことはなかったので、これを読めてよかった。
外村は森や牧場とのかかわりが密な環境で育ってきたので、音に対する感じ方も独特で面白かった。
性格も気性は荒くなく淡々としていて、でも人に対する優しさはあって…、とこの小説自体がそんな雰囲気をまとってた。
淡々として優しくて、独特な雰囲気。
新人調律師の外村の客、双子の女子高生の和音と由仁の話もいい。
途中で和音と由仁がどっちがどっちかわからなくなったけど。
でも、あー和音がそうなんだ、といろいろ考えさせられた。
このストーリーはあくまで外村の調律師としての発展途上中の話。
この小説が終わっても外村は自分の客のピアノを調律して、先輩を見ながら腕を磨き、また調律して、という生活が繰り返される。
それが読んだ後も容易に想像できるから、なんかすごいしみ込んできたというか。
人物や世界がとても身近に感じ、勉強にもなり、ほっこりした読後感でした。
これ映像化できるんじゃないと思って調べたら2018年に映画化なってた。
主演、山崎賢人さんはさすがにイケメンすぎやろww