映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

宮崎駿の雑想ノート

宮崎駿氏の趣味である
戦車や飛行機や戦艦を、
事実や空想を交えながら描かれる雑想ノート。

全ページカラーで、
絵がやはりめちゃくちゃきれい!!
しかも、躍動感があって迫力がすごい!!
「美麗なイラスト」というより、
「アニメの一瞬を切り取った」という感じ。
どのコマも、今にも動き出しそう!!

目次欄に本人から、

「実は、こういう趣味をやっていくっていうのは、
 人にはとても言えないことですけれども…
 頭の中で無数の空中戦をやり、
 無数の海戦をやっているんです。」

と。
さらに、

「要するに、
 自然保護の問題をどうのこうのとか、
 少女の自立をどうのこうのとかね、
 そういうのは一切抜き!」

と…。
世間一般の宮崎駿像とは違う、
裏側の宮崎駿ですよ、
といっている気がする…。

にしても本当に、中身が専門的過ぎて、
馬鹿な私にはついていけなかった…。
ほとんど、
第一次世界大戦から第二次世界大戦
使われた、戦車、飛行機、戦艦のこと。
日本、ドイツ、アメリカ、中国、
のことを描かれていたけど、
日本とドイツが多かったな。
最後の対談でも、
ドイツの戦艦がお好きだというのは分かった。
ドイツの整備士が有能だということも…。

10話の、『ロンドン上空』が好きだな。
ドイツ軍が、ロンドンの空襲に向かう戦闘機に
無理やり乗せていく整備士のハンス。
空中戦で修羅場の中、
「ハンス!」「ハンス!」とあちこちで呼ばれ、
マイペースに一生懸命整備していく姿が好き。

映画「紅の豚」の前身の漫画ものっている。
この漫画がもとになって、映画が作られた、と。
アドリアの海がきれいだった…。

これを読んで少し
宮崎駿さんのことを知れたかも…。
すべて読んで一番に思ったのが、
めちゃくちゃ頭がいいな…、ってこと。
いや、わかっていたことだけど、改めて思った…。
紅の豚」の飛行機は、小学生の時に
見た写真を思い出して描いたらしい…。
すごすぎる…。
賢い人って、本当、
一度見聞きした情報を自分の中に
しまい込んでおけるよね…。
うらやましい…。

またいつか、
紅の豚」や「風立ちぬ」を見るときは、
戦闘機に注目して見てみようと思う。
宮崎駿さんのこだわった部分とか
少しわかるかもしれない。