大学院卒業後に就職した会社を3か月でやめてその後フリーターになっている27歳の男、海崎。
ある日目の前に社会復帰プログラムの参加を持ち掛ける男が目の前に現れ、海崎は男の言う通り、1年間高校生の見た目に戻り高校生として高校に通うことになる…!
舞台は高校だけど、主人公が27歳の考え方だからいろいろ考えさせられた。
海崎はやさしくて正義感が強いから、社会の歯車になれなかったんだろうな。
社会の歯車になることが「大人」で「正しい」わけじゃない。
けど社会の歯車になれる人達がいるからこそ社会が成り立っていたりする…。
難しいな。
狩生と日代…、女子高生同士のいざこざって実はちょっとした勘違いから発生するんだと思う。
一方が、「あいつは私のことこう思ってる!」って勝手に被害妄想して…。
中身27歳の海崎の言葉を、高校生の時の私なら理解することは難しかっただろうな。
でも今ならわかる。
嫉妬でいやがらせをしようと日代のカバンを奪った狩生に放った海崎の言葉。
「人を落とそうとする行為は、結局自分を落とす。今まで積み重ねてきた努力や信頼も、自分で踏みにじるな。頑張ってきた自分に失礼だ。そんな真似して喜んでいられるのは、もう頑張ることをあきらめた負け犬だ…。」
ブラック企業を経験している海崎だからこそ言える言葉だろうな。
しかし高校生の狩生には響かない。
「頑張ったわよ!でも全然かなわない!!かなわないどころかライバルだとすら認識してもらえてないのに!!運動ではほのかに、勉強では日代に、私はこんなに必死なのに!!なんで二人は涼しい顔で!なんで私だけがうまくいかないの!?いくら頑張っても頑張っても頑張っても頑張っても…」
高校生はまだ人生経験が少なくかかわる人数が少ないから、視野が狭く、「自分だけが」って被害妄想に取りつかれるんだと思う。
狩生は特に理想が高い女なので、こういう傾向が強そう。
生きづらそう。
私も高校生の時は、ずっと友達のことで頭いっぱいだったな…。
もう忘れてしまっていたけど。
今はなんか一人趣味も充実してるし、自分の人生のこともあるし、自分のことしか考えてない気がする。