映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

進撃の巨人 The Final Season 82~87話

エレンは自分の故郷パラディ島以外の人類を滅ぼそうとする。

地ならし(数千万の巨人を使って大地を踏み歩いていくこと)をするためパラディ島を発つ。

エレンを止めるためにハンジが協力者を集めるが、どう止めればいいのかわからないでいる…!!

 

【ネタバレ】

 

エレンが動き出し、エレンの同期達はどうしたらいいかわからずにいる。

パラディ島の人たちは、まわりは大巨人達が列をなして移動しているし、これからパラディ島以外の世界は滅ぶのか?とパニック。

アルミンは迷いながらもまずは“顎の巨人”を継承したファルコを母親に食わせにいったコニーを何とかしなきゃと考え、動こうする。

ミカサはエレンの指示を仰ぐくせがついているため、アルミンに聞く。

 

ミ「アルミン、私はどうしたらいい…?」

ア「…ジャンの手助けをしなよ。少しは自分で考えて…。」

ミ「エレンのこと…、どうするの?」

ア「……ッ!!わからないよ!!それにどうしようもないだろ!?」

 

賢いアルミンは、現在のいろんな状況を想像していて、どれから手を付けていいかわからないことを叫ぶ。

 

ア「それくらい分かるだろ!?」

ミ「……。…ごめん。」

 

ミカサは視線を落とし暗い顔をする。

 

ミカサは数時間まえにエレンに、

 

「何の疑問も抱かず、ただ命令に従うだけの奴隷が見るに堪えなかった。俺は…、ガキの頃からずっと、ミカサ、お前がずっと嫌いだった。」

 

と言われている。

エレンは、これから自分が世界の悪役になってミカサ達には自分を殺して世界の英雄になって欲しいと考えていた。

だから、自分から突き放すための本心ではない言葉を、ミカサに投げていた。

ミカサはエレンの思惑通りその言葉を真に受けた。

 

アルミンもその場にいたので、なぜミカサが暗い顔をしたのか想像がつき、何も言えずにいた…。

しかしアルミンも自己嫌悪に陥っている。

アルミンは一度死にかけたことがあった。

その時の状況は、1本ある巨人の注射を打って“超大型巨人”を継承すれば、一人生き返らせれるというもの。

だがもう一人、その場には死にかけのエルヴィン団長がいた。

周りの兵士は、アルミンかエルヴィン団長かで割れた。

その結果アルミンが生き返った。

だから現在、きちんとした判断が下せない自分なんかよりエルヴィン団長が生き返った方が良かったんじゃないかと後悔する。

 

…辛いな、アルミン。

本当にこのストーリーは、葛藤、憎しみ、後悔…、と人間の内側の描き方がうますぎる。

 

そしてハンジとリヴァイ!!

ハンジは、ジークによって瀕死になったリヴァイを森の中で一人でかくまっていた。

ハンジの応急処置が適切というのもあったんだろうけど、リヴァイが思いのほか元気でびっくりした。

ハンジもいってたけど、戦闘に特化したアッカーマンの血筋のおかげなんだろうな…。

 

あと、この2人の理解者はもうお互いしかいない気がする…。

もともと純粋に巨人と戦っていた調査兵団だったが、ある戦いでリヴァイとハンジと104期生以外全滅した。

それから、自分達の敵は巨人ではなく世界の人間だと知る。

ほぼ全滅したとき104期生は、まだ調査兵団に入って数ヵ月だった。

仲間の命とか想いとか、そういう重たくて歴史のあるものを背負っているのはリヴァイとハンジだけ。

だから、自分たちのことを理解してもらえるのは、お互いしかいないんじゃないかな…。

 

ハンジはかくまっている最中、リヴァイに弱音をはくが、世界に進撃していくエレンを止めるために動こうとする。

リヴァイもある程度元気になり、2人でエレンを止めるために協力者集めに動き出す。

 

夜、ハンジ1人で104期生のジャンとミカサのもとに訪れ協力を呼び掛ける。

ミカサは協力する返事をするが、ジャンは自分の幸せのためにためらいながらもエレンの地ならしに賛成する。

ハンジは、エレンの地ならしが敵国マーレ国にちょっとかかったとしたとしても立て直すのに時間はかかるから、復讐でパラディ島に攻めてくるにしても数年の時間があるだろう、と話す。

つまり、ちょっと地ならしが始まるかもしれないけど早くエレンを止めよう、と言っている。

しかしジャンは、それじゃ結局敵国にたいし中途半端な攻撃でパラディ島は攻められ何の解決にもならないと反論。

ハンジは強く拳を握り机をたたく。

 

「虐殺はだめだ…ッ!!…くっ、これを…、肯定する理由があってたまるかッ!!

……。ごめん、大きな音だしちゃった。ジャンの言う通りエレンがこうなったのは、私のふがいない理想論のせいだ…。

それに、こんな事吠えておいて…、逃げようとしていたんだよ。すべてを捨てて。すべてを忘れて生きようって…。

でも私はまだ調査兵団の団長だ。人類の自由のために心臓をささげた仲間が、見ている気がする…。

大半は、壁の外に人類がいるなんて知らず死んでいった。だけど、この島だけに自由をもたらせばそれでいい、そんなケチなことをいう仲間はいないだろ?

虐殺を止めることができるのは、今しかない…。」

 

ハンジも本当は弱音はきたいし泣きたいしエレンのことも考えたくないんだろう。

でも、調査兵団の団長だから。

エレンの上司として、巨人のいない世界を手に入れるため仲間が死んでいった調査兵団の生き残りとして、エレンを止めることをジャンに訴える。

 

その後、ハンジが協力者を集めた結果、‟壁内エルディア人”、‟マーレ国エルディア人”‟マーレ人”など14名が集まった。

ミカサ達と、アニやライナーがまた仲間として闘うという展開が胸熱だけどやっぱり一筋縄ではいかない。

ミカサやアルミンは、エレンを止める協力はするけど殺したくない、という。

 

…でももし捕まえられたとしてまた脱走するかもしれないし、説得できたとして殺された人の家族は黙ってはいないだろうから、殺した方がいいと思うけどな。

 

続きは2023年とか…。

単行本買ったから結末知ってるけどアニメ楽しみ。