4歳にしてほとんどの子どもが「個性(能力)」を発揮する現代、男子中学生のいずくはいまだ何の個性も発生していなかった。
しかしいずくは将来オールマイトのように個性を活かしたヒーローになって活躍したいと夢見ている…!
【ネタばれ】
王道中の王道で、泣きそうになったところが二つほどあった…。
あと個人的に主人公の性格が好き。
少年漫画の主人公はだいたい4パターンに分けられるかなと勝手に思っている。
1.自信家で夢が大きい(「ONEPIECE」のルフィ、「NARUTO」のナルト、「進撃の巨人」のエレンなど)
2.自信家で夢が小さい(「銀魂」の銀さん、「チェンソーマン」のデンジなど)
3.謙虚で夢が大きい
4.謙虚で夢が小さい(「鬼滅の刃」の炭治郎など)
炭治郎はめっちゃ強い無惨を倒すことが最終目標だけど、夢としたら「ねず子を人間に戻すこと」だから小さい。
銀さんも現在の日常のために戦ってるわけだし。
デンジも夢は日常的なことで、自己肯定感は低いけど傲慢な性格なので自信家枠に入れた。
ルフィは初めから、「海賊王になる」という大きすぎる夢がある。
そんな感じで、「僕のヒーローアカデミア」のいずくは、3の謙虚で夢が大きい、に入るかな、と。
私があまりアニメ見ないっていうのもあるけど、今まで見てきた中では3パターンは新鮮で、面白かった。
やっぱり自分が年食ってきたっていうのもあるけど、少年漫画の主人公は謙虚で優しいほうが癒される。
まぁ少年漫画の主人公に癒しを求めてる読者や視聴者はあまりいないやろうけど。
泣きそうになったのは、いずくがオールマイトに認められたところ。
いずくは個性が何もないから、親にもクラスメイトにも担任にもヒーローになれないと思われ、でも本人はあきらめないで分析ノートを作りヒーローを勉強していた。
ある日、あこがれのオールマイトにたまたま会い、個性がなくてもヒーローになれるかと聞いたところ、きっぱりと、なれないことを言われた。
「プロはいつだって命懸けだよ。力がなくとも成り立つとは、とてもじゃないが、口にできないね。」
あこがれの人にまでヒーローになれない烙印を押されてしまったいずく。
どん底のまま町を歩いていると、ヴィラン(敵)がクラスメイトを襲っていた。
プロのヒーローたちもいたがみんな遠巻きに見るだけで手が出せない。
いずくも最初は何もできなかったが、捕まっているクラスメイトの助けを求めるような目を見てしまった。
その瞬間いずくは、一人でヴィランに向かって走りだしリュックを投げ、その隙ができたところほかのヒーローたちがヴィランを倒すことに成功した。
しかし無個性は無個性。
落ち込んだまま帰路につくと、オールマイトがいずくの目の前に。
「トップヒーローは学生時から逸話を残している。彼らの多くが話をこう結ぶ…。『考えるより先に、体が動いていた』と。」
「……。…くっ。」(僕はなぜか、母の言葉を思い出していた。)
『ごめんねいずく!ごめんね…!ごめんね…。」
「…うっ。」
「君も、そうだったんだろ?」
「くっ。…う、うぅん!!うぅぅ…っ!」(違うんだ、お母さん。あの時、僕が言ってほしかったのは…。言ってほしかった言葉は…。)
「…君は、ヒーローになれる。」
はあああ…、鳥肌。
ここまでの、いずくのどん底描写が長くて丁寧だったから、よけいこの場面きく。
あと泣きそうになったシーンは、ヒーロー科のあるあこがれの高校への入学が決まった時。
これも、入学できないというどん底を丁寧に描かれていたので、うわーーーよかったないずくーってなった。