映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

ウリナリ 「ドーバー海峡横断部」

泳ぎ素人の内村光良さんは、
フランスとイギリスの間にあるドーバー海峡を、
5人のメンバーを集めて泳いで渡る、
という、無謀な目標を掲げ、
ドーバー海峡横断部」を創設し…、
90年代のバラエティ番組
ウリナリ」のなかの長期企画…!!

【ネタバレ】

全然、
カテゴリ「アニメ・ドラマ」でもないんですが、
泳ぎ素人の内村部長が「ドーバー横断」
という無謀な目標を立てて、
仲間集めて困難あって成長して、
仲間やめてまた仲間集めて、
困難あって成長してっていう話の進み方が、
長編漫画を読んだ気分になって、
めちゃくちゃ感想を書きたくなったので、
「アニメ・ドラマ」カテゴリに入れました。

もう本当に何から話していいか…。
YouーTubeに少しずつ
アップしてくれていたんですが、
たぶん合計8時間くらい
あったんじゃないかな、と思う。
それを飽きさせることなく一気見できた…!!
いうたら、2年間を8時間ほど、
に凝縮してるから、というのもあるけど。

まず初期メンバーもよすぎる。
ぶれない内村部長と、
つねに最下位ウド鈴木さんと、
勢いのある濱口さんと、エースの有野さんと、
頑張り屋ヒロイン藤崎さんと、
さぼり魔の勝俣さん。
バラエティにあふれてた。
個人練習の、藤崎奈々子さんが、
顔も付けられなかったのに、
次の次くらいのテストで、
エース有野さんに次いで早かったの
感動したな―!!
すっごい練習したんだろうな。
ぶりっこ系なのに頑張り屋という、
いいギャップを見た。
本当に初期メンバーの成長は
早かった気がする…!!
個々に練習されてのことだと思うけど、
25m泳げなかったのに3㎞泳いだりとか。
本当の部活のようでうらやましいなと思った。

そして有野さん、藤崎さん、勝俣さんの脱退…。
悲しかったな、この6人が好きだったので…。
いつもみんなにこにこしていた気がする。
練習をさぼった勝俣さんが、
「最近はお互いがライバルになっていってて
昔はもっと楽しく仲間として泳いでいた。」
とおっしゃってて、それ以降、
最下位水着もなくなって雰囲気が
温かくなっていった気がする…。
最後になった遠泳大会もみんな
大声出して応援してたし…。
記録もみんな大幅に短くなっててよかったな。
だから3人の脱退は悲しかったし、
さらに悲しかったのは、3人の気持ちに
フォーカスがあてられなかったこと。
「来年ドーバーを無理だと思うものは
言ってくれ、」と内村部長に言われ、
「~だから無理だと思う…。」と答えた3人、
次の週録には顔を出さず、という展開…。
え、もうそれでお別れ終わり…!?
みたいなびっくりした。
もっとそれぞれ葛藤あったやろ、と…。
特に藤崎さんはめきめき上達してて、
やめるという決断は
すごく悔しかったんじゃないかな、とか。
エース有野さんを失う
内村部長の気持ちは?とか…。
そこら辺を描かれずすっぱり進めていったのが
ちょっと残念だった…。

そして仲間探し。
これは本当に仲間が集まらなかったから
しょうがないと思うけど、
中だるみが激しかったな…。
新しく、勝俣さんの相方堀部さんと、
ニュースキャスター藤井さんと、
元テニス選手神尾さんが入部。
でもそうか、
ドーバーに挑んだのが8月31日で、
神尾さんが入部したのが
7月といっていたから本当に、
ぎりぎりまで人が集まらなかったんだな…。

神尾米さんかっこいいなー!!
この人が入ったあたりから
リアルタイムで見てた気がする。
なんかもうなぁ、
女女していなくて根性が男並みに座ってて、
どんな時も笑顔を絶やさなく
てきれいな泳ぎ方をする人…!!
本当にかっこよかった。
私はそういう強い
女性ばかりを好きになっていくな。
でもなんか、みんな個々の自信が強くて
最初は、あまり仲間っぽくないなと思った。

江ノ島で初めて、
ドーバー横断のルールを意識して、
リレー方式の練習が行われた。
一人一時間泳いで仲間につなげる…。
この時の様子がすごく、「がんばれ!!」
って声がたくさんあって仲間っぽいというか、
船に乗ってる間もつらいのに
みんな励ましあっていた。
そして見事向こうの岸まで横断。
見てて素直に、すごいなー!!って思った。
6人も、すっごい喜んでたな。
それが6人のきずなを固く結んだ、
的なナレーションもしてた。

合宿もすごくハードで、1時間遠泳を3本とか…。
本当に芸能人が一企画でする
練習量じゃない…!!
神尾さんなんか
3時間合計9キロ以上泳がれていた…。
3時間走り続けろ、
というだけでもしんどいのに、
泳ぎ続けるなんて全然想像がつかない。

ほかにも、本番のドーバーのため、
寒さ、船酔い、海の恐怖、夜の海、
などいろんなものの対策をして、
ドーバーに挑む。

フランスに旅立つ前夜、
元部員の3人と南原さんからの壮行会。
脱退メンバーの中でも一番ドーバー
興味がなさそうだった勝俣さんも、
「泳いでいてつらくなった時、
仲間の顔が浮かんでくるんです。」
といっていて、
あーこの人も本気で泳いでいたんだ、
とそこでもなんか感動した。

イギリスでの前日。
いろんな人が不安なことしか
書いていない日記で、神尾さんだけ唯一、
「この緊張感は試合前の緊張感に似ている。
楽しまなくちゃ。もしだめでも過程が大事。
スポーツ選手は結果を一番に
見られてしまうけど過程が大事というのは
本人が一番知っているから。」
ということを書いてらっしゃって、
すごいなと思った。
スポーツ選手って
気の強いイメージがあるけど、
神尾さんはずっとにこにこしていて
エースなのにおごることもなさそうで、
すごくかっこいい。

そして本番。
内村部長からスタート。
きれいな海で楽しそうに泳ぐ、
二番手の濱口さんも楽しそう。
三番手の神尾さん、
体調が万全ではなく泳ぎ切るけど
船に戻って嘔吐する。
2巡目に入ると、
メンバーみんな体が震えてダウンし、
笑顔が消える。
そんな中ずーっと応援していたのが、
ウド鈴木さん。
ウドさんは泳ぎは一番遅いけど
船酔いには一番強く、
誰よりも声を出しスイマーを励ましていた。
あとみんな本当に頑張り屋さんで、
「絶対繋げますよ!!」
とか言いながら、フラフラで船に降りて
泳ぎに行こうとしてんの…。
お互いがお互いを気遣ってる…。
特に部長の内村さんはやさしさと包容力と、
あと全体的なことを見る目と判断力とを
持ち合わせていて、理想の上司像だな、
と思った。
何事も扇動を切って動いて、
「ほらついてこい!!」というような存在。
怖いものでも先に自分からやってくれる。
かっこいいなー。
内村さんだからこの部は続いたのだと思う。

そして16時間以上をかけて、
夜、フランスにゴール。
感動したな、本当に渡り切ったぞ、という。
泳ぎ素人の6人が…!!
みんなみんな涙を流していて…、
私今までそういう、
何かをやり遂げて達成感の涙って
流したことないな、と思った。
辛くて辛くて辛い練習も、
たった一つのことを達成するために
やってきたこと。
それができた時、
その辛い練習も報われたってことなんかな。
なんていうか、
あの涙を言葉で説明したいけど、
人生経験なさ過ぎてわからない。
どういう気持ちだったのかな。
高揚するような涙だったのかな。
でもただ、美しい涙だということは分かった。
本当に良かった。
本人たちも日記につづっていたけど、
「最高の仲間だ。」と。
うらやましい、
そういう経験ができるっていうのはなんか、
人生をフルに活用しているな、と思った。
なかなか簡単にできるものではないから
うらやましいな。
人生にそういう経験が一つあれば、
何でも自信につながるだろうな。
私はあの辛い経験をしたんだぞ!!という。

というわけで、本当に面白かったです。
ウリナリではあと、
「芸能人社交ダンス部」も上がっていたけど
それを見だすといよいよ廃人に
なってしまうのでやめようと思う。
あー面白かった。
見てよかった。