映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

銀魂 38~43話

ネオアームストロングサイクロンジェット砲じゃねーか完成度高ェなおい、と冬に打ち上げる花火の38話、

桂が真選組に追われとあるラーメン屋店主にかくまわれた39話、

神楽の父が現れ万事屋から連れて帰ろうとする40~43話。

 

【ネタバレ】

 

冬の花火回はゲストキャラメイン回で一番好きな話!

こんなに心が温かくなる話が、15分アニメできれいにまとまっているのがすごい。

漫画にすると、たった18ページ…。

冬×花火×年寄り、という要素も粋でおしゃれ。

作中、認知症のじいさんと床に臥せてるばあさんは同じ部屋にいても直接会話するシーンはない。

後半ばあさんが入院することになり離れてしまう二人。

病院に行く途中でばあさんはじいさんが打ち上げた花火を見る。

ほかの人たちは、「きれいな花火」としか思わなかったけど、ばあさんにだけは「約束の花火」という違う意味を持っことになる。

こういう、もの(または出来事)に意味を持たすストーリーがとても粋で好き。

すべて事情を知っていて、

 

「冬に花火とは粋なものもいたものですな。」

 

と知らないふりをするお手伝いさんのセリフも粋。

あと、ボケても長年培ってきた腕や癖は消えないという認知症の描き方もとても生々しくてリアル。

このじいさんに限ってはばあさんのことも分かっていたから認知症の度合いがよくわからないけど。

ばあさんのこともどの程度わかってるのかもわからないし。

銀魂」は高齢者をきれいごとに扱わず、老いることをきちんと描いている。

ボケるのも身体が言うことをきかなくなるのも仕方がない。

でもそれぞれ一本自分の筋を通しながら最後まで生きていこう、と。

自分の筋を通す生き方は若いメインキャラクターたちにも言えるけど。

 

幾松初登場回。

原作では18ページ分を、アニメでは30分で放送。

オリジナルエピソードがふんだんに入れ込まれていた。

 

原作では幾松が旦那や店を大事に思っていることで幾松というキャラが見えてくるが、アニメでは幾松と桂の交流をメインに幾松のキャラが描かれる。

もちろん大吾云々のくだりも出てくるが、正直桂幾色が強すぎて、幾松の重い設定忘れるくらい。

ある夜、桂は布団で仰向けになっていたがふすまが少し開いていたので隣の部屋を見てみた。

すると鏡台に向かって着物全開のまま髪の毛をとく幾松の姿があった。

おっぱい隠れてる長谷川さんの服、の状態。

さすがにそんなシチュエーションないやろと思い、アニメの画質を上げ静止した状態でガン見したけど、やっぱり全開でしかもブラジャーもしてないっぽい。

桂の寝ている位置からだと幾松のしぐさとタイミング次第では鏡越しにおっぱいを見ることができる。

 

(信用…、しすぎじゃないのか。)

 

隙まみれな幾松に、桂は心の中でそう言い天井を仰ぎ目を閉じた。

まぁ桂は武士なので、「真剣を持った武士に背中を見せるとは俺が斬らないと信用しすぎじゃないのか。」という意味もあるかもしれんけど。

 

原作での幾松は、旦那の店を「このまま」残していくという印象だったけど、アニメでは、「このままでは駄目だ」と何やらラーメンの味が足りないというオリジナルエピソードが挟まれていた。

味が足りていないことは桂も気づいていた。

足りない味=亡くなった旦那、という比喩なのは明白。

それは桂が旦那の代わりを務めるフラグなのかとも受け取れる。

後日、桂の密着取材回で、幾松のラーメンを「味に深みが出た。」と桂が評するオリジナルエピソードがあり、何気に伏線回収されてて面白かった。

幾松の心に桂が埋まったのか?

 

星海坊主初登場回。

神楽に対する男3人の気持ち。

銀時:家族はきっと一緒にいた方がいいから親父と帰れ。

星海坊主:夜兎の血に勝てない俺と同じようにしたくないから一緒にいくぞ。

新八:誰よりも銀さんと万事屋を愛しているんだから残ってよ。

3人とも、「神楽にはきっとこれが一番だろう」と憶測で動いているけど、一番神楽を理解しているのは新八だった。

星海坊主と帰る神楽を追いかけているときの新八の回想で、神楽が出てきた。

破壊された万事屋で、記憶喪失の銀さんをずっと待っているときの神楽が。

神楽が銀さんと万事屋を大事に思っていることと同じくらい、新八も大事に思っている。

だから新八は神楽が考えていることが1番わかるし、理解もできたんだろう。

この話の終わり方も良かった…。

すべてが終わり、銀さんは星海坊主と分かれて、一人で歩きだす。

 

銀「細けぇことはよくわからねーや。けど…、自分を想ってくれる親がいてほかに何がいるよ。俺ァ欲しかったよ。アンタみてーな家族が。」

星「お前…。」

銀「皮肉なもんだな。本当に大事なもんってのは持ってるやつより持ってねーやつの方が知ってるもんさ。だからよ、あいつのこと、大事にしてやってくれよな。」

 

歩いていく銀さんに後ろから泣きながら近づいてくる新八。

 

銀「ん?」

新「言っとくけどねェ…。僕は万事屋にずっといますからね。家族と思っていいですからね!」

 

一度万事屋をやめると言っていた新八だったがここで戻る宣言をする。

…好きだ、万事屋。

このころの話は、難しい設定はなくキャラクターの心情がわかりやすい話が多いから好き。

あとこの時の「遠い匂い」というOPも好き。