映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

おもひでぽろぽろ

東京で働き暮らす27歳独身のたえ子は休暇を取って、姉の夫の親類の山形県の田舎へ滞在することになった。

田舎へ向かう途中、そして田舎へ着いてからも小学5年生の時のたえ子がついて回っていて…。

 

【ネタバレ】

 

とてもよかった。

回想の5年生の時、出かける家族に放っていかれて本当は「一緒に行こう」って言ってほしいのに意固地になって反抗するのわかりみが深いw

もちろん私は今いい大人なのでそんな反抗的な態度はとらないけど、たえ子の表情とか意固地になってるときの沈黙で、一気に小学生の時の感覚思い出したわ。

もっと素直でいい意味でわがままに生きればよかったなぁ。

そして作り手はよくあんな子どもの心情、表現できるなぁ…。

リアル子どもに触れて「わかるわぁ…」って思い出しながら描いたのかな。

 

物語後半。

たえ子は現地の年寄りたちに向かって田舎をべた褒めしたので、年寄りたちはその気になって、たえ子をいろいろ案内したとしおの嫁に来ないかと誘った。

…これは田舎の人たちをその気にさせたたえ子が悪いよなと思ったらちゃんとそのあと一人で反省してたから好感持てた。

 

結局嫁に来る来ないはうやむやになったまま東京へ帰ろうとするたえ子。

としおたちと別れる駅のホームらへんでEDが流れ、車窓から田舎の景色が流れていく。

そしてたえ子は途中で電車を降りて公衆電話で何やら電話をしている。

からの、バスに乗ってとしおのもとへ…。

そこから二人は笑顔で田舎に戻っていく…、というラスト。

よすぎて鳥肌。

 

ED流れた時、これ落ちは絶対視聴者の想像にゆだねる展開だろと若干萎えてたら、くっつくであろう未来を想わせるハッピーエンドだったのでよかった。

田舎に向かったってことはたえ子も、厳しい田舎で生きる覚悟も少しずつ持とうとしてるんだな、とまた好感持てたし。

見てよい映画でした。