田舎の古い家で暮らす中年夫婦の塔子と滋には子どもはいないが穏やかに毎日を過ごしている。
ある日滋は遠縁の葬式に行き、ひどくやつれた夏目という少年を見て、うちで引き取ろうと考える…!
【ネタバレ】
7~11話のうち、夏目の里親、塔子さんが主人公の10話が一番よかった。
10話、ラストまでネタバレ注意です。
絵にかいたような穏やかな生活を送っている夫婦の塔子さんと滋さん。
ある日塔子さんは自分の家のガラクタの下敷きになっていたカラスを助け、その後そのカラスを頻繁に見つける。
滋さん曰く、カラスは基本的につがいでいるから、一羽でいるのはまだ相手を見つけていないのかもうすでに相手が他界したかのどちらか、とのこと。
そして滋さんは夏目を見て、塔子さんと滋さんは夏目を預かると決める…。
塔子さんは楽しみで楽しみで、そっと夏目に会いにいったりもした。
夏目を引き取ってから、妖怪の見える夏目は時々一人でいることが多いよう。
塔子さんはそんな夏目を遠くから見て想う。
(まるで空っぽのような…、心がここにないような…、ひどく遠くを見るような眼を時々する。その眼に…、私たちはどんな風に映っているんだろう…。いつか打ち解けてくれるかしら?やりたいことや、わがままを、それはまるで家族のように、いつか…。)
しばらくして夏目はニャンコ先生を拾い、「飼いたい」と自分の意見を塔子さんたちに言い、少しずつ2人になじんでいく…。
いつもは夏目が主人公の話だから、夏目から塔子さんと滋さんたちへの心境はよく語られる。
『こんな自分に優しくしてくれる2人がいる穏やかな日常を大切にしたい』というもの。
今回塔子さん目線で夏目をどう思っているのかしれて、さらに「夏目友人帳」という世界観に厚みを感じた。
中年夫婦×田舎、という組み合わせも落ち着いた雰囲気出てて素敵だったな。
スピンオフみたいで面白かった。
そしてカラスの落ちも完ぺきだった…!
夏目は自分にしか見えていないということに気づかないまま、カラスの隣にいる「それ」の様子を一生懸命塔子さんに話す。
塔子さんにはもちろん見えてないんだけど、優しく理解する。
「そう…、よかった。一人じゃないのね。」