木ノ葉隠れの里の英雄ナルトが、ヒナタと結婚をすることに。
ナルトやヒナタの仲間は、彼らの結婚祝いに何を贈るかそれぞれ考える…!!
【ネタバレ】
この番外編の小説シリーズは表紙のデザインがかっこいい。
原作者の下書きっぽいイラストと、くすんだカラーが縁取りに配色されている。
今回の木ノ葉秘伝は、ガイ、リー、テンテン、チョウジ、シカマル、テマリ、サクラ、いの、キバ、シノ、が描かれている。
話の流れとしては、読んだことないけど、「桐島、部活やめるってよ」みたいな、主人公は出てこないけどわき役たちが主人公を想い行動するパターン。
「桐島、部活やめるってよ」の解釈あってるかな。
こういうパターンなんて言うのかわからない。
要は、群青劇。
1つのテーマに対して、それぞれの登場人物が思う、みたいな。
・リーとガイ
・テンテン
・シカマル
・テウチ
・いのとサクラ
・イルカ先生
・キバとシノ
個人的に好きだったのが、テンテンかな。
テンテンは特にナルトやヒナタに思い入れあるようではなく、ただ自分のことを見つめなおしていた。
武器マニアになっている自分は結婚祝いに巨大クナイを贈るなんて、年頃の女としてどうなのか、と…。
こういうモノローグでグダグダ考えるのは、とてもNARUTOっぽいと思った。
NARUTO外伝のサラダも父親(サスケ)のことをグダグダ考えていた。
少年漫画なので、事件性やアクションはあったものの、NARUTOのキャラクターが悩んでいることはいつもリアルで生々しい。
そういう、原作っぽいところが今回のテンテンの話に引き継がれていた気がする…。
テンテンの話では事件性がなかったので、ただただ本当にグダグダ考えていただけだったけど。
それでも、私は好き。
結局、”そのまま”な自分を選ぶテンテンも、テンテンらしいし。
一番気になっていたのがシカマルとテマリの話。
テマリが好きだからアニメでこの話を見ていたが、やっぱり小説も微妙だった…。
もともとテマリは分析力も高くできる女なはずなのに、シカマルが、「(ナルトとヒナタの結婚祝いの)新婚旅行について考えてるんだがよ…。」で、なぜ自分とシカマルの新婚旅行と勘違いしてしまうのか。
そもそも、付き合ってもないのにすぐ相手の男と新婚旅行を考えるものか?
NARUTOは付き合う期間が短くすぐ結婚に結び付く世界観とか?
だとしても、脳内が暴走しすぎている。
アニメオリジナルや小説で描かれるテマリは、頭悪そうな描写が多くて本当に残念。
暴力振るう描写も多くて、それも頭悪そうな印象を与えてしまう…。
全体的にはとても面白く、サクサク読めた。
もとのキャラクターが個性的というのもあるだろうけど、あほな感情が賢そうな文体で語られると、声出して笑うほど面白くなる。
シノの話も、事件性としたら弱く、「これで終わり?」と拍子抜けだったが、それでもシノの心情が細かく描写されていて読み応えあった。
8班は原作の中でも一番活躍具合が描かれていなかたったので、楽しく読めた。
一楽ラーメン店主のテウチ目線の話も面白かった。
テウチを主人公にするって発想がすでに好き。
毎日ラーメンを作って出す人が、忍にラーメンを出すことに複雑な感情を抱いているとか、想像したことなかった。
一般人は一般人で忍とかかわるの辛いな。
イルカ先生の話も好き。
イルカ先生普通にいい人と結婚できそうだけども。
NARUTOはナルト以外も魅力的なキャラクターであふれていることを再確認させてくれた小説だった。