映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

映画 鈴木先生

主演:長谷川博已

ドラマ、「鈴木先生」の映画版。

ドラマからの映画ってキャラクターが
わかってるていで話すすめられるけど、
この映画はちゃんと、
「教育や社会への不満」という
テーマに沿ってすすめられるので
すごく面白かった。
生徒会の投票を強制的にしたことで
軽い一票とじっくり考えた一票が
同じ重さになることを訴えた
生徒会長立候補生や、
公園から喫煙所を
排除したことによって社会で
居場所のない人間の居場所まで
奪ってしまっていると訴える
立てこもり犯、
それぞれの人間に向き合ってるから
すごく充実した2時間を送った。
個人的に私は、
投票は適当な気持ちでいってるので、
「本気で政治のこと
考えてる人からしたらどうなんだろ。」
と思ったことはある。
でも私なりに、
「じゃあ気持ちの重さで
票の数決めるとしても、
何を境に気持ちを量るの?」
と思って結局、
「まぁ一人一票が無難で平等やな。」
とほかにいい方法が
思いつかないので、
軽い諦めも入って、
今のシステムに納得する。
でも、「一人一票」のルールのもと、
組織票やら票の売買やら、
大人って結構無茶苦茶するよな。
それが当たり前になってるし、
ルール違反ではないから
なにも思わなかったけど、
中学生にしたら、
何も考えていない一票と
同じ重さにみられる
強制投票が遺憾で、
あそこまでこって反論するんやなぁ
って思ってしまった…!!
まぁ、今これ書いて
私ちゃんと投票せーよ
とも思ったけども。
まぁ、うん。
生徒会立候補の演説で立派に述べた
会長立候補者に対して先生は、

「社会勉強だ!!
 世の中なんて不条理なんて
 いくらでも存在する。
 お前ら自分の思い通りに
 ならないからって、
 いちいち絶望すんのか!?」

という。
私もこの意見に賛成した。
立派に聞こえる意見も、
やっぱりわがまま。
ほかドラマだけど
セクシーボイスアンドロボ」の
台詞を借りるなら、
「押し付けられたものを
自分のやり方で通すのが
自分らしさ」であり、
そのルールのなかで、
自分の意見を訴えていったら
いいんじゃないか、と。
そして生徒会長立候補者は、

「ではこれは…、
 社会の不条理に黙って従う
 訓練だってことですか…!?」

といい、何も言い返せない先生。
私も、考えさせられる…。
こういう子がいないと、
組織や会社って
変化していかないのかもねー。

「公園に喫煙所があるから
不審な大人たちが集まる、
子どもたちのために撤去しましょう。」
って、立てこもり犯も、
唯一の居場所を奪われたことで、
ああいうことをする。
みんながみんな、
訴えてる心情とかすごく丁寧に
描かれていたから、
どのキャラクターにも共感できた。

ドラマのほうが面白い、とのことで、
そっちもいつか見てみたい…。