映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

しあわせのパン

主演:大泉洋


北海道の自然豊かな土地で
パン屋兼カフェ兼宿を経営している水島夫婦、
いろいろなお客様を出迎える…!!


短編が集まった作品だしメインキャラクターを
掘り下げていなかったので、
原作は小説かと思ったら、
映画のオリジナルストーリーだった…!!
かもめ食堂」でもそうだけど、
料理と食べることを
大切にしている映画はいいなぁ。
なごむ。
食べるというのは生きる上で
欠かすことのできない行為だから、
その食事を丁寧にしてるっていうのは、
生き方も丁寧、ととらえてしまう。
そういう生活したい、うらやましい。
調理場の台所もきれいだから、
心に余裕あるんだなぁとか。
あくまでフィクションなので、
経営の心配をするのは野暮だな。

季節の移り変わる様子もよかった。
映画は夏から春までの話。
ひまわり、栗、カボチャシチュー、大雪。
景色もそうだけど、
小道具も季節を感じてよかった。

パンがホクホクでパリッとしてて、
ものすごくパンを食べたくなったな。
味のついたやつではなくて、素朴なパン。
あれはバターをつけて食べてるんかな。
秋に来た父子は
シチューをつけて食べてたけど。

「カンパニオン」、意味は、仲間。
もともとはパンを分け合う、という語源らしい。
序盤でりえさんは
切った大きいパンをときお君に渡して、
ときお君がかおりさんに分けている。
りえさん、
ときお君とかおりさんが分け合うように
わざと大きめのをときお君に渡したのかな。
ラストでも、水島さんが、
りえさんにパンを分けている。
なんか日本では、
パンは個人で食べるものだから
分け合うことに変な感じしたけど、
外国では普通なんだろうな。
「カンパニオン」が
どこの国の言葉かわからないけど。

人間ドラマとしては浅かったかなー。
ときお君がかおりさんに惚れたきっかけとか、
みくちゃんがカボチャシチューを拒む様子とか、
パターン化というか…。
その割にゲストキャラに
あまり共感できなかったし。
まぁこの映画に深い意味を求めちゃダメだな。
これはひたすらなごむ映画。
最後のおじいさん夫婦は良かった。
最後の手紙のコトバ。

『あやが、
 前は食べなかったパンを
 おいしそうに食べてる姿を見て、
 私は恥ずかしながら、
 人間は最後の最後まで変化し続けることを、
 初めて気づいたのです。』