いじめや虐待を監視している「カゲロボ」というロボットが、学校や会社で存在しているという都市伝説がある。
ある日女子高生の冬は、「カゲロボ」だとうわさされる女子と話すようになり…、「誰かがきっと見ている」ということをテーマに描いた9編の短編集。
よくわからなかったな。
ほとんどの話が登場人物に愛着がわいてもっと続き見たいというところで終わっていくので、結局どれにも愛着がわかなかった…。
1番気になったのが、「めえ」の76歳の独身女性の話かな。
今まで仲良くしていたキリエという女性が突然自分の生活範疇から消えて、一緒にご飯を食べた飲食店にも確認したけど存在を確認できなかった。
もう何も信じることができないけど、とある女子高生と出会って…、みたいな。
あとはいじめられて不登校になった中島という男子学生の代わりにカメラを搭載した大きい箱が中島としてクラスで授業を受ける設定も独特で面白かった。
今でいうリモート授業みたいなことだけどこの本が出版されたのは2019年3月なのでまだコロナが流行る前のリモートって言葉が浸透してなかった時代。
作者の木皿さんすごいなあって思った。
まあ基本どことなく、星新一さんの世界観の雰囲気はあったかな。
地に足ついたリアルな世界観なんだけど、私たちが住んでいる現代とは違う。
最後の震災の話も阪神淡路大震災のことかなと思ったけど、その話の主人公の女性は、学生時代の時にスマホ持ってたので、違うな、と。
とりあえずすべての作品に、「カゲロボ」はいたんだろうな。
それは人型だったり猫だったり金魚のおもちゃだったりするけど。
今現在一人だと思ってる人に、「一人じゃないよ、誰かがちゃんとあなたのこと見てるよ」って言いたかったのかな、木皿さんは。