ノンフィクションライターが東京に住む貧困の女子大生、シングルマザー、独身女性たちを取材し、東洋経済オンラインに連載。
書籍化された本書では彼女たちが置かれている状況がより深く描かれている。
東洋経済オンラインの連載を読んでたので内容は知ってたけどやっぱり重かった。
けど、読んでよかった。
なんかそれこそ、この本を読んで昔をいろいろ反省したな。
小学校とか中学校でもクラスに一人はボロアパートに住むようなびっくりするほど貧乏な子がいた。
当時そういう子たちのことを、私とは世界が全く違う関係のない子として存在の意識すらほとんどしてなかったけど、それがもうめちゃくちゃ失礼な話で…。
当たり前だけど、そういう子も、「生きている」。
大人になってこういう本を読んで、貧困者に対して意識するようになった。
けど普通に今お金に困っていない大人たちは、現在貧困で苦しんでいる人たちのことを意識していないんだろうな。
でもそれって良くないと思う。
本書でも書いてたけど。
このライターは世間に意識してほしいから取材を続けているような気がする。
「体売ってる女子大生は金欲しいんでしょww」とかじゃなくて、じゃあなぜ金が欲しいのか、背景をしっかり知ってほしいんだと思う。
ただみんなシンプルに4年大学を卒業したいだけなんだけど、とにかくお金がないから全額奨学金を借りる。
そうすると卒業後にはととんでもない借金からの社会人スタートになる。
「じゃあ高卒で働けよ」って意見があるかもしれないけど、「…結局貧乏はいい大学も出れないしいい就職先も受けれないんですね、金持ちはいろいろ選べていいですね」ってしんどくなる。
本当に嘲笑していいレベルではなくて深刻な問題。
ニュースではホストのために体を売ってる女性のことが多く取り上げられてるけど、そういう人たちも何かしらの精神疾患やよくない家庭環境があるんだろうなと考える。
そして底辺職として扱われるのがやはり介護業界。
介護業界は、社会的にもこれから介護職を考えている人にも、「介護だったら大丈夫だろう」って軽く見られている気がする。
でも私が実際現場を働いて思ったのが、やっぱり向き不向きがあるということ!
・コミュニケーションをとることができる
・動作が遅い利用者にイライラしない
・生活やプライベートにある程度余裕がある
これがない人はマジで向いてないと思う。
私が特養で働いていた当時、特に生活やプライベートに余裕がないおばさん職員はイライラをもろに利用者にぶつけていた。
その人以外にも利用者に暴言をぶつけてる人、何人もいたなぁ…。
介護技術が高かったりするので学ぶところがあった分よけい複雑な感情を抱いたのを覚えてる。
これも結局満足する給料が払われていたら、多少プライベートがグダグダでも従業員の心は満たされ、利用者に優しくする余裕もできたかも知れないのにな。
社会から軽くあしらわれてるよ、介護業界は。
私が働いていたところは法人だったのでブラック業務ではなかったけどやっぱりほかの職種と比べると基本給は低い。
だからこの本に書かれているような民間の介護事業所となるとより給料も時間も業務量もブラックにできやすいんだろうな。
そりゃ介護職員も病んでいくわ。
そしてこんな人達に面倒みられる年寄りやその家族の気持ちを考えたらかわいそうで仕方がない。
でも正直介護の業務は生産性がないので給料が上がっていかないのもある意味納得…。
なので年寄りがサービスを利用する金額を、国が負担する金額はそのままで利用者の金額をもっと高くして、ちゃんと働く人たちに還元されていけばいいのに、と思う…。
国のお金を高齢者ばっかりに使うのもよくないしな。
保育の業界はわからないけど、保育も同じような気がする。
以前保育士として働いていた友達に労働時間と賃金を聞いて、割に合わなさ過ぎてビックリした…。
この本を読んで思うのが、本に出てきた中で悪い人はいなかったな、と。
でも親とか旦那とか、自分に影響を与えてくる人がだいたいくずで、貧困に落ちていく。
で、そこから、
・情報弱者
・人とのつながりを拒絶
この性質を持っているとさらに貧困を招いて孤独に追いやられてる気がする…。
孤独になると性格もどんどん暗くなって自分を諦めて(または他人を傷つけて)、コミュニティになじめなくなって余計孤独に、っていう悪循環…。
「悪循環」にはいったら自分のことを客観的に見れない気がする。
全て感情に支配されそう。
私自身低所得者だし情報弱者の自覚あるから他人事ではないので頑張らなあかんと思う。
しっかりいろんな人とからんで、怒られてもいいから自分のことを客観的にみてくれる人とつながる努力はしときたいな。