映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

葬送のフリーレン 1~6話

旅に出て魔王を倒し終えたエルフのフリーレン一行は、10年旅をともにした仲間たちと別れを告げる。

寿命千年以上のフリーレンは50年後、旅をした仲間たちと再会するがみんな老いていて…!

 

【ネタバレ】

 

何の前知識もなく見たので、第1話の展開で、「え?」ってなった。

「推しの子」見た時の感覚に近い。

物語の定石どおりではなかったというか。

それにしても老人ヒンメルのキャラデザがw

 

ヒンメルが年老いて死んでも、エルフのフリーレンは見た目も考えもほとんど変わらない。

ヒンメルの葬式の時、フリーレンは涙する。

 

「人間の寿命は短いって…、わかっていたのに…。何でもっと…っ、知ろうと思わなかったんだろう…。」

 

さらに約30年後。

フリーレンは旅を続け、死者と会うことができるという魂の眠る地、オレオールを目指して再び魔王城に向かう。

 

絵がとにかくきれいだな。

表情や景色、移動の描写が丁寧で、時間がゆっくり流れる女性的な冒険物語。

馬車が走る音だけも、とても心地いい。

差し込んでる光から見えるほこりも、めちゃくちゃリアルだった。

 

 

東京貧困女子。

 

ノンフィクションライターが東京に住む貧困の女子大生、シングルマザー、独身女性たちを取材し、東洋経済オンラインに連載。

書籍化された本書では彼女たちが置かれている状況がより深く描かれている。

 

 

東洋経済オンラインの連載を読んでたので内容は知ってたけどやっぱり重かった。

けど、読んでよかった。

 

なんかそれこそ、この本を読んで昔をいろいろ反省したな。

小学校とか中学校でもクラスに一人はボロアパートに住むようなびっくりするほど貧乏な子がいた。

当時そういう子たちのことを、私とは世界が全く違う関係のない子として存在の意識すらほとんどしてなかったけど、それがもうめちゃくちゃ失礼な話で…。

当たり前だけど、そういう子も、「生きている」。

大人になってこういう本を読んで、貧困者に対して意識するようになった。

けど普通に今お金に困っていない大人たちは、現在貧困で苦しんでいる人たちのことを意識していないんだろうな。

でもそれって良くないと思う。

本書でも書いてたけど。

このライターは世間に意識してほしいから取材を続けているような気がする。

「体売ってる女子大生は金欲しいんでしょww」とかじゃなくて、じゃあなぜ金が欲しいのか、背景をしっかり知ってほしいんだと思う。

ただみんなシンプルに4年大学を卒業したいだけなんだけど、とにかくお金がないから全額奨学金を借りる。

そうすると卒業後にはととんでもない借金からの社会人スタートになる。

「じゃあ高卒で働けよ」って意見があるかもしれないけど、「…結局貧乏はいい大学も出れないしいい就職先も受けれないんですね、金持ちはいろいろ選べていいですね」ってしんどくなる。

本当に嘲笑していいレベルではなくて深刻な問題。

ニュースではホストのために体を売ってる女性のことが多く取り上げられてるけど、そういう人たちも何かしらの精神疾患やよくない家庭環境があるんだろうなと考える。

 

そして底辺職として扱われるのがやはり介護業界。

介護業界は、社会的にもこれから介護職を考えている人にも、「介護だったら大丈夫だろう」って軽く見られている気がする。

でも私が実際現場を働いて思ったのが、やっぱり向き不向きがあるということ!

 

・コミュニケーションをとることができる

・動作が遅い利用者にイライラしない

・生活やプライベートにある程度余裕がある

 

これがない人はマジで向いてないと思う。

私が特養で働いていた当時、特に生活やプライベートに余裕がないおばさん職員はイライラをもろに利用者にぶつけていた。

その人以外にも利用者に暴言をぶつけてる人、何人もいたなぁ…。

介護技術が高かったりするので学ぶところがあった分よけい複雑な感情を抱いたのを覚えてる。

これも結局満足する給料が払われていたら、多少プライベートがグダグダでも従業員の心は満たされ、利用者に優しくする余裕もできたかも知れないのにな。

社会から軽くあしらわれてるよ、介護業界は。

私が働いていたところは法人だったのでブラック業務ではなかったけどやっぱりほかの職種と比べると基本給は低い。

だからこの本に書かれているような民間の介護事業所となるとより給料も時間も業務量もブラックにできやすいんだろうな。

そりゃ介護職員も病んでいくわ。

そしてこんな人達に面倒みられる年寄りやその家族の気持ちを考えたらかわいそうで仕方がない。

でも正直介護の業務は生産性がないので給料が上がっていかないのもある意味納得…。

なので年寄りがサービスを利用する金額を、国が負担する金額はそのままで利用者の金額をもっと高くして、ちゃんと働く人たちに還元されていけばいいのに、と思う…。

国のお金を高齢者ばっかりに使うのもよくないしな。

保育の業界はわからないけど、保育も同じような気がする。

以前保育士として働いていた友達に労働時間と賃金を聞いて、割に合わなさ過ぎてビックリした…。


この本を読んで思うのが、本に出てきた中で悪い人はいなかったな、と。

でも親とか旦那とか、自分に影響を与えてくる人がだいたいくずで、貧困に落ちていく。

で、そこから、

 

情報弱者

・人とのつながりを拒絶

 

この性質を持っているとさらに貧困を招いて孤独に追いやられてる気がする…。

孤独になると性格もどんどん暗くなって自分を諦めて(または他人を傷つけて)、コミュニティになじめなくなって余計孤独に、っていう悪循環…。

「悪循環」にはいったら自分のことを客観的に見れない気がする。

全て感情に支配されそう。

 

私自身低所得者だし情報弱者の自覚あるから他人事ではないので頑張らなあかんと思う。

しっかりいろんな人とからんで、怒られてもいいから自分のことを客観的にみてくれる人とつながる努力はしときたいな。

 

 

秒速5センチメートル

転勤族の子どもたかきは、
同じく転勤族の子どもあかりと出会い、
恋に落ちるが、
小学校卒業と同時にあかりの引越しで
離れ離れになってしまう…!!

 

【ネタバレ】


王道の物語が、
主人公の葛藤と行動によって
魅せられるとしたら、この映画は、
美しくて説得力のある背景と
ノローグで魅せてる映画やないかな。
新海監督が、
「実際の速度だったり
心が離れて行く速度だったり、
速さがテーマ」ということを
いっていたように、
あかりに会いたいのに
ストップしてしまった電車の中で
たかきが長い時間焦る気持ちや、
時は進んでいるのにあかりを
忘れられないたかきだけが
時間ストップしたままの感じが、
すっごくリアルに伝わってきた。
たかきとあかりの物語なので、
第二話の澄田の片想いの話は
別になくていいんやけど、
知らない誰かを想うたかきを想う
澄田の心境は、リアルで、
「やさしくしないで。」、
という気持ちもよくわかる。

めぞん一刻」の
三鷹とこずえちゃんや、
羽柴麻央先生の、「糸と釦」のように、
ずーっと好きだったのに、
仕方なく諦めないといけなくて、
でも時間がたてばそれぞれに
あった道を見つける、というような話。
バッドエンドではないけど、切なすぎる…。
ていうかそもそもたかきは最終
自分の道を見つけれたのか心配…。

続き、シナリオ考察。ネタバレ。

 

オープニング・イメージ
 小学生時代のたかきとあかり。
 桜の花びらが舞い、あかりに、「桜の落ちる速度は秒速5センチメートル」だということを教えてもらう。

テーマの提示
 あかりからの手紙と同時に、たかきの学校や家の生活を描いている。

きっかけ(4分の1)
 13歳のたかき。
 文通の中で、会うという約束。

悩みの時
 あかりに会う途中の電車が大雪でストップし、会いたいが、あかりには帰っていてほしいと願う。

第一ターニングポイント(3分の1)
 あかりと会えてキスしたことにより、13歳のたかきは、実際離れてる距離と自由に生きれるまでの年数があまりにも大きく、あかりとは一緒にいれないことを確信する。

第一章が終わる。
第二章はたかきたちに進展はなし。
次から第三章。


ミッド・ポイント(6分の5)
 20代後半になったたかき。
 付き合っていた好きでもない女性に振られることをきっかけに、あかりへの思いが消えてることに気付く。
 
こころの暗闇
 精神が限界になり仕事をやめる。

第二ターニングポイント
 たかきとあかりが夢で見た13歳の時の二人。
 二人のモノローグ。
 「そうやって、いつかまた、一緒に桜を見ることができると、私も彼も、何の迷いもなく、そう、思っていた。」
 あかりへの熱はないが、いまだに過去にとらわれているたかき。
 あかりも、たかきのことは忘れていない。

ED

フィナーレ
 日常にあかりを探してるたかき。
 あかりは新しい彼と結婚する。

ファイナル・イメージ
 オープニングで二人で歩いていた桜の道を、大人になったたかき一人で歩く。

 

【再視聴】

 

あのぎゅっと切ない心情を覚えているにもかかわらずやっぱり、あぁぁってなるな…。

 

静かな映画だった。

無音ではなく、よけいなアニメらしいわざとらしい音がなかった。

雪が降る音や、バイクを走る音、鳥が鳴いている音など。

声優たちの素人っぽい声もよかったな。

 

たかきは本当にずっとあかりのことが好きだった…。

高校を卒業して種子島から東京に戻り、大学を出て、就職する。

当然あかりとは会えず、ずっと心のもやもやが晴れないまま違う女性と付き合ったり仕事に向き合ったりしてた。

女性に振られたことをきっかけに自分を見つめなおす。

 

(この数年間、とにかく前に進みたくて、届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのかもほとんど脅迫的ともいえるその思いが、どこからわいてくるのかもわからずに僕はただ働き続け、気づけば、日々弾力を失ってく心がひたすらつらかった。そしてある朝、かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが、きれいに失われていることに僕は気づき、もう限界だと知った時、会社を辞めた…。)

 

あかりへの熱が冷めていたことに無自覚だったのか…。

 

最後大人になったあかりは婚約者と腕を組んで歩く次のシーンで、いまだに“あかりに引きずられてる自分に引きずられてる”たかきはバーで1人のみしててほんま切ない。

うわあああってなる…!!

マジ人生…。

 

 

カゲロボ

 

いじめや虐待を監視している「カゲロボ」というロボットが、学校や会社で存在しているという都市伝説がある。

ある日女子高生の冬は、「カゲロボ」だとうわさされる女子と話すようになり…、「誰かがきっと見ている」ということをテーマに描いた9編の短編集。

 

 

よくわからなかったな。

ほとんどの話が登場人物に愛着がわいてもっと続き見たいというところで終わっていくので、結局どれにも愛着がわかなかった…。

 

1番気になったのが、「めえ」の76歳の独身女性の話かな。

今まで仲良くしていたキリエという女性が突然自分の生活範疇から消えて、一緒にご飯を食べた飲食店にも確認したけど存在を確認できなかった。

もう何も信じることができないけど、とある女子高生と出会って…、みたいな。

あとはいじめられて不登校になった中島という男子学生の代わりにカメラを搭載した大きい箱が中島としてクラスで授業を受ける設定も独特で面白かった。

今でいうリモート授業みたいなことだけどこの本が出版されたのは2019年3月なのでまだコロナが流行る前のリモートって言葉が浸透してなかった時代。

作者の木皿さんすごいなあって思った。

 

まあ基本どことなく、星新一さんの世界観の雰囲気はあったかな。

地に足ついたリアルな世界観なんだけど、私たちが住んでいる現代とは違う。

最後の震災の話も阪神淡路大震災のことかなと思ったけど、その話の主人公の女性は、学生時代の時にスマホ持ってたので、違うな、と。

 

とりあえずすべての作品に、「カゲロボ」はいたんだろうな。

それは人型だったり猫だったり金魚のおもちゃだったりするけど。

今現在一人だと思ってる人に、「一人じゃないよ、誰かがちゃんとあなたのこと見てるよ」って言いたかったのかな、木皿さんは。

 

うる星やつら 第2期 24~30話

男子高校生のあたるは、地球をかけた鬼ごっこの末、宇宙人である鬼の子ラムと親善結婚することに。

しかし女好きのあたるはラムよりたくさんの女性と遊びたくて…、「うる星やつら」第二期。

 

 

アニメ主題歌がMAISONdes続投なのがうれしい!

映像もドタバタコメディらしく、いろんなキャラがパッパッと出てくるところにテンションが上がる。

いろんな女性キャラがいるので、当時連載を読んだりしていた少年はどんなタイプの女性が好きでも「うる星やつら」の誰かしらにはまっただろうな。

キャラのタイプやバランスが上手く構成されている。

 

竜ちゃん主人公の話が好き。

ギャグマンガとしてあの父との掛け合いがすごい好きだけど、確かによくよく考えたらだいぶネグレクトで虐待よなw

子どもの味噌汁に時々しびれ薬入れるのはアウトやろ。

あと子どもが真剣に、母親のこと教えてくれって言ってるのに適当に流すのもクズ過ぎる。笑

竜ちゃんがあたるの母親に泣きながら抱き着くのきゅんと来た。

そして母親に抱き着く竜ちゃんに、抱き着くあたるが好きw

 

そして相変わらず、脇役まで声優豪華なのはびっくりする。

それほど局がうる星やつらに力入れてるからなんだろうな。

うれしい。

 

でもこれ、内容がすごい子ども向けっぽい。

今の子どもに見てほしいな。

子ども時代に見るらんまや犬夜叉が本当に面白かったので、るーみっく作品が子供に与える影響力はやばいと思う。

変な家

フリーライターの筆者は仕事で知り合った柳岡さんから、購入を検討している家の間取りがおかしいことを相談される。

間取りの図面をみて筆者も、疑問に思い、設計士の栗原さんに見せると、他にも様々な疑問点が出てきて…。

 

【ネタバレ】

 

表紙デザインとタイトルが強すぎる本。

数ヵ月くらい前からどの本屋にいっても平積みされていて、ネットでも有名になってた本。

今回読めてまんぞくだった。

続き気になりすぎて一気読みだったな。

 

序盤、筆者と、栗原さんの推理で、殺人代行の部屋なんじゃないか、と仮説を出す会話のテンポがよくて面白かった。

子供部屋の主の男の子、「呪怨」の白い男の子で脳内再生されてずっと怖かった。

いくら監禁されてても服はきてるやろうな。

 

基本面白いけど例の儀式が出きるまでの物語が長く、状況を整理しないといけないので、私の頭には難しかった。

儀式の左手供養が1年目は偽装できたことは理解した。

でも2年目の春に、息子が生まれてその1年後に…、って2年目以降はどうやったん?

他の死体を運良く探すことができたんかな。

 

最後、解決してほっとしたけどそうじゃなかった。

栗原さんが笑顔で話す推測で、え?ってなって、よいんが気持ち悪くてよかった。

もう栗原さんも実は子孫かなにかで関わってるんじゃないのって思えてくるとぞくぞくする。

 

変な絵

男子大学生の佐々木はサークルの後輩に、奇妙なブログ「七篠レン 心の日記」を教えられた。

読んでみるとその内容は、妻が妊娠したこと、その経過、出産と同時に妻が亡くなったこと、そして妻が描いた子どもにまつわる絵をリアルタイムでのせていて…。

 

【ネタバレ】

 

ジャンルはミステリーになるのかな。

超怖くて、でも面白かったので読む手が止まらなかった!

 

終始ドキドキしてた。

謎が深まっていくところと、登場人物たちが不穏な空気にさらされていくところ。

岩田を主人公として進んでいく回でも、もう夜の山のテントのなかで寝るとき、なんとなく不穏な雰囲気が漂ってた。

からの、何気なく目が覚め、からだの感覚が違和感、からだの異変に気づき…、って描写丁寧すぎて本当に怖かった。

岩田が好青年だったから、え待ってってドキドキが止まらなかった。

暴行されて死ぬってどれくらいいたくて苦しいんやろう…。

グロ描写があったところは辛くてしんどかったな。

 

物語を読むにつれ表紙にも描かれている絵たちの本当の意味もわかり、少しずつこの話の全貌がわかってくる。

最後の方で、冒頭のブログの最終記事が本当は誰に向けてのものだったのかわかり、再度もどってよみなおした。

 

「あなたを許すことはできません。それでも、僕はあなたを愛し続けます。 レン」

 

…ゾッとするわ。

そして悲しい…。

 

ペンギン・ハイウェイ

作者:森見登美彦

 

小学4年生のアオヤマ君はえらい大人になるために毎日勉強をしていろんな経験をして、昨日の自分を上回ろうと日々努力する。

ある日自分の街にペンギンが現れ、いつもよくいく歯医者さんに務めるお姉さんがコーラのカンでペンギンを生み出すことを知る…!

 

【ネタバレ】

 

難しかったな…。

アニメで見たときはお父さん幽霊説感じたけど、原作ではそれはない感じ。

ちゃんと家族の中で生きていた。

 

解説の萩尾望都さんがおっしゃっているように、アオヤマ君のようなキャラクター像は初めてかも。

ませてて何事も分析家で、涙も見せない。

でも冷たいわけではなく、優しくて純粋。

だからこそスズキ君には生意気に映っていじめがヒートアップしたりしたんだろうな。

でもそれすらアオヤマ君は感情で受け止めるのではなく分析し、堂々とした態度でスズキ君に接していた。

ただ恋心はアオヤマ君の中で分析できなかったらしく、ハマモトさんの気持ちや、なぜ自分がスズキ君からいじめられているのかはわからなかったよう。

まあわかっても淡々と処理しようとしてたから、普通のおませな小学生よりもっと斜め上を行くキャラクターだった。

友達のウチダ君に、スズキ君にいじめられても怒らないんだねと言われて、

 

「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ。」

 

と言い、ウチダ君がそういうことを考えるのはあまりよくないのではというと、

 

「ずっと考えているわけではないよ。毎日ほんの30分ぐらいだから。」

 

と返してたシーンが好き。

 

最後お姉さんとお別れのところ切なかった。

お姉さんはおそらく「海」などの現象の一部なので、おそらくもう会えないし、万が一会えるとしたら世界が変なことになった時なんじゃないかな。

アオヤマ君もたぶんそれを知っているけど、お姉さんに会った時のために日々の努力は怠らない。

さらに、お姉さんをどれだけ大好きだったか、どれだけ会いたかったか、を伝えたいとのこと。

けなげでかわいいな。

 

 

進撃の巨人 The Final Season 91~最終話

世界の虐殺を実行するエレンは止まらず、アルミンたちはエレンを殺すことを決意する。

しかしずっとエレンのそばにいたいミカサはどうしても決意がつかず…、アニメ「進撃の巨人」最終回!

 

【ネタバレ】

 

もうやばい。

大興奮。

鳥肌すごい。

実家の大きいテレビで見たかったからずっと見るの我慢してた。

で、実家で録画してもらってたの見てきてさっきパソコンで配信見てたんですけど、配信ではOPとEDあるんですね!

OPの天と地の戦いの戦闘シーンにハンジいるのほんま感動。

 

序盤の戦闘シーンの迫力すごい。

このすごさをなかなか言語化できないんだけど、しいて言うならたぶん1秒の間にめっちゃ絵の枚数がある。

だから細かく人物とカメラワークが動いて迫力のある戦闘シーンにつながっている、のかな。

とにかくやばい。

もともと戦闘シーンに定評のある「進撃の巨人」アニメだけど、今回の天と地の戦いは今までで1番すごいと思ったかも。

前回もハンジvs地ならしも興奮したけど!

ここの戦闘では、とにかく仲間同士で助け合いがあるのでそこも好き!

敵同士だったジャンとライナーの友情があったり、リヴァイ兵長が自分を抑えられないミカサを抑えてたり、エレンのことで頭いっぱいなミカサが仲間のこと気にかけてたり。

 

アニを助けるのがベルトルトで、ライナーを助けるのがマルセルとポルコとユミルなの熱い!

ユミルは声なくても登場してくれるだけでうれしい!

興奮!!

 

終盤、仲間のジャンやコニーらが巨人化になるとわかりリヴァイは彼らを見捨てる選択をし、助かる仲間たちと逃げる。

ミカサはその現実が辛すぎて、さらに例の頭痛も入り泣きうめく。

そんなミカサにリヴァイは叱咤する。

 

「ミカサ!しっかりしろ!!もうエレンを殺せるのは!!俺たちだけだ!!!」

 

リヴァイ兵長、すごいセリフよw

「ミカサ(ヒロイン)!しっかりしろ!!もうエレン(主人公)を殺せるのは!!俺たちだけだ!!!」

やば…。笑

てか巨人の脊髄液が入っているであろう煙を吸うジャンらから離れる前にリヴァイが、

 

「アッカーマンと巨人の力を持つ者は例外だろ」

 

っていってた。

だからやっぱりリヴァイもあの時ジークの脊髄液のはいった赤ワイン飲んだんだな、と思った。

飲んだうえでリヴァイは巨人化しなかったから、「アッカーマンは例外」と言えたんじゃないかな。

 

そしてミカサはついにエレンを殺して世界を救う覚悟を決める。

 

「エレンは口の中にいる!! …みんな、協力して!!」

「了解だミカサ!!!」

 

ここのミカサとリヴァイ兵長の掛け合いが好きすぎる。

ミカサと兵長はともにアッカーマンという戦闘民族。

2人には突然力に目覚める瞬間があったと言い、調査兵団に入っても戦闘兵のエースとして常に頑張ってきた。

奇襲するならこの2人、みたいな。

人殺しを選択するリヴァイの非道な考え方も、ミカサは104期生の中で早く理解していた。

こんな息ぴったりの2人なのに、陰ではミカサはリヴァイのことを「ちび」と言い、リヴァイはミカサのことを「根暗野郎」って言ってんのほんま好き。

めっちゃなかいいやんこいつら、みたいな。

兄妹みたい。

 

最後の最後、イェレナ生きてた問題。

イェレナは自分のやりたかったことをエレンとイェーガー派に打ちのめされできず死のうとしてたっぽいけど、

 

「この成り行きを見届けるまで死にたくない」

 

と言っていた。

だからすべて終わったら自分で死を選んでたんじゃないかと思ってたんで、生きてるのめっちゃ意外だったな。

しかもマーレで人助けみたいなことしてて。

まぁオニャンコポンのそばにいたら人として更生はできそうかもな。

 

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

主演:三浦春馬

心優しいアルミン、少しよわむしなミカサ、
そしてそんなミカサに惚れているエレンは、
100年前人類を滅ぼした人食い巨人を
目の前にし…!!

 

【ネタバレ】


エレン、アルミン、ミカサ、
の関係性が微妙に原作と違うので、
初めから違うものとしてみた方がいいと思う。
オリジナルキャラクターも何人か登場し、
中でも、ヒアナ、というキャラクターがよかった。
ヒアナは、調査兵団に入れば
多少の養育費がもらえる、ということで
幼い子どもを残し、今回の外壁調査に出た。
巨人がいつ出るかわからない、
という緊張した壁の外でも、
唯一子どもの泣き声に気付き一人で駆けつける。
食われるときも子どもの名前を叫び、
最期まで母性ある女性で、すごく好きになれた…!!
その一方、シキシマ隊長?は、
外壁調査でみんなやられてるにもかかわらず、
廃墟の上から高みの見物をしていて、
いかがなものかと思った。

今回の前篇では、エレンの見せどころがない、
ミカサの考えてることがいまいちわからない、
ので、後篇を見たらすっきりするのかなぁ、と思う。


【再視聴・ネタバレ】

 

実写は基本的に違うものとしてみる意識はしてるけど、うーんという感じ。

原作をある程度知ってる作品が映画などになると、「ここまで収めるためにあの設定とシーン省いたんだな」と制作者側の意図が見えてくる。

なのにこれは意図が見えない設定がマジで多すぎる。

ミカサがエレンから離れた理由、ミカサがエレンに惚れていない理由、リヴァイとエルヴィンとコニーとハンネスがいない理由、立体機動装置が出来立てほやほやな理由、などなど。

これらのオリジナル設定のせいで原作「進撃の巨人」の魅力を大いに下げている気がする。

例えば原作のミカサの信念(恋心)として、「エレンのそばにいたい」というのがあるから、人食い巨人だろうが、命を懸けて戦え、それが魅力につながっている。

しかし映画のミカサは超大型巨人に襲われた冒頭からエレンと離れてすごし、2年ぶりに再会してもなぜだかエレンに冷たい。

さらに片足を失っているエレンを目の前にしても巨人退治のほうが優先だと考え、巨人に向かっていく…!

エレンを1番に考えないミカサなんてミカサじゃないんよ!!

いや別に巨人を優先にする映画ミカサでもほかに魅力があればそれはそれでキャラクターとして面白いんだけど、本当に何を考えているかわからないから魅力を感じない。

あとは巨人を倒すのに欠かせない立体機動装置が出来立てほやほやなせいで、調査兵団全員、巨人倒すの初心者っていう…。

普通主人公のエレンらが巨人退治初心者で、先輩らは立体機動装置を使いこなしまくってかっこいい!みたいな展開やん。

なんで調査兵団みんな走って逃げて食われまくってんねん。

飛んで戦えよ!って思ってしまった…!

調査兵団で先輩のハンジも立体機動装置使えないのか、マジで役立たずすぎた…。

それこそこの映画にハンジいらんやん、みたいな。

唯一立体機動装置がうまいオリジナルキャラクター、シキシマは、仲間が食われまくってるのに廃墟の上で高みの見物だし…!

好きになれるというか、魅力的なキャラクターが本当にいなかったな…。

以前好きだと書いたヒアナというキャラも、母性はすてきなんだけど、エレンに肉体関係迫ってて、いや壁外で何してんのってなった。

巨人が近くにいてもおかしくない場所なんだから調査兵の自覚と緊張感もたんかい、みたいな。

 

このストーリーの決定権が監督か脚本家かはわからないけど、「進撃の巨人」の世観観の設定を使って自分の描きたいことを描いたのかな、という印象を受けた。

巨人が来たことによる大衆のパニックや人間の汚さ、グロさの描き方は生々しくグッとくる部分があったので、そういう部分を描きたかったのかな?と。

でも「進撃の巨人」の魅力って世界観の設定もそうなんだけどその中ですんでいる『大衆』ではなくエレンやミカサたち『キャラクター』の信念や行動だから…。

もちろんそれを超える面白いオリジナル設定なら文句は出ないんだけど、そうは感じなかったので。

 

でも斧もって体術で巨人と戦うオリジナルキャラクターの調査兵は好きかも。

あとCGがすごかったな!

迫力やばかった。

だからこそ立体機動装置でもっと飛んでほしかったり…!

 

原作と比べハンジ(石原さとみさん)とジャン(三浦貴大さん)の再現度はとても高く満足だった!

声や動き、雰囲気、ハンジに至ってはビジュアルの再現度もほぼ一緒だった!

だからこそよけい、役立たずだったのが悔やまれる…!

叫んで暴れるだけがハンジじゃないんよ…。

 

続編でもやもやが晴れる設定もあるかもしれないので、見てみたいと思います。