映画・小説の感想棚

映画、小説、アニメなどの感想。作品によって文章量はまちまち。土日正午を中心とした不定期更新。

百貨店ワルツ

 

大正~昭和初期、とある地方都市にある「三紅百貨店」という架空の百貨店を舞台にしたマツオヒロミの初イラスト集。
モダンな服を身にまとった女性たち、宝飾品や化粧品など、繊細で美麗なイラストや漫画が堪能できる。

 

 

この本は一貫して、「三紅百貨店」内を1階から6階まで順番に、商品や従業員・客たちをあくまで紹介する体で、イラストや漫画、カットイラスト(小物や背景の一部分のみのイラスト)が描かれている。
イラストに添えられてる文章もとてもいい味を出しているので、冒頭からめちゃくちゃ世界観に引き込まれる。

 

「いらっしゃいませ。本日はご来店いただき誠にありがとうございます。
 私ども三紅百貨店は、お召し物、お化粧品、宝飾品、家具、文具などあらゆるお品を取り揃えております。そのほか、大食堂に屋上庭園も備え、お買い物以外にも素晴らしい時間を過ごしていただけます。
 呉服商から百貨店事業に乗り出して十数年。海外との交易で栄えたこの土地ならではの品ぞろえは、モダンでロマンチックだと評判です。また、品々の魅力だけにとどまらず、華やかで近代的な店内装飾もぜひじっくりお楽しみください。この魅力的な空間でお買い物を楽しまれた時間はきっと素敵な思い出になることでしょう。」

 

呉服商から百貨店事業に乗り出して十数年』っていう設定がもう細かい。
『交易で栄えたこの土地』ってことは海に接している地方都市なのかな?
福岡市??
といろいろ想像をめぐらすのも面白い。
1~5階は化粧品や呉服など女性たちのお目当てのものが売っている。
マジでデザインがめっちゃかわいい…。
かわいいしおしゃれ。
そして6階。

 

「大食堂は、三紅百貨店の中でも最も改装を重ねた場所です。
 ただ食事や喫茶のためだけではない、豪華で特別な時間と空間を提供すべく、その時代に合わせて改装してきました。ロココ調の時代や、英国風の時代、中華風の装飾に巨大水槽を備えたエキゾチックな内装の時代など、さまざまに変化し、そうやって改装するたびにお客様が詰めかける、この街の名物食堂でもありました。」

 

めっちゃ改装を重ねる大食堂…。
きっとここの支配人?が、「大食堂は流行とともに変化していくぞ!」という柔軟な考えのもと動いているのかな、とまたもや想像。

 

すごいわマツオヒロミさん…。
単なるイラスト集の設定じゃない…!
そして言わずもがなイラストは超きれい!!!
特に色が好き!
「三紅」というだけあって、赤色も「赤!」という原色ではなく、紅色が使われていて、とても品がある。
三紅百貨店の包装紙のガラも好き!!
3種類あったけど、すべてレトロでかわいかった。
本当にすべてが品のあるイラスト。
この中に登場する人たちも話し方が丁寧なので、読んでるだけでなんか女子力が上がる作品。
一人でゆっくり買い物に行きたくなった。

 

進撃の巨人 Seson3 1~6話 #50~#55

3重の壁に覆われ巨人から
身を潜めて生きていた人類だが、
5年前に突如やってきた超大型巨人と鎧の巨人に、一番外の壁に穴を空けられたくさんの巨人がなだれ込んできた。
人類が住む敷地が2/3になり、
エレン達調査兵団は、
街を取り戻すため、
空けられた壁の穴をふさぎに行く…!!

【ネタバレ】

これはだめだ、本当に!!!!!
もう、ヤバイ…!!!!
本当に本当に、
みんなずっと生きていてほしい!!!

ヤバイ、もうそれしか言えないんですけど。
もう本当に過酷で、過酷で、
残酷で、世界は残酷でした…!!

Season3ですが、アニメ自体は4期目。
アニ捕獲(多分1期)までは漫画で読んで、
2期(Season1)は
飛び飛びでしか見ていません。
なのであまり設定を把握していないんですが。
それでも今回はいろいろ
うわああああとなりました。

前回(Season2)のEDの最後で、
破壊された街の屋根にリヴァイ兵長
ミカサとエレンがいました。
呆然と涙するミカサとエレンに、リヴァイ兵長が、

「お前ら…、自分で何をやっているのか、
 わかっているのか。」

と静かに怒り、次の瞬間リヴァイ兵長
ミカサに襲われ殺されそうになるところで
終わっていました。
ただごとじゃないと気にはなっていたけど、
まさかの、予想のはるか上の展開でした。

はぁー、安定して作画はかっこよすぎる。
そして声優の方々も
みんな本当に迫力がすごい…!!

最初にびっくりしたのは、マルコの死の理由…。
初期ですが、エレン達の同期であるマルコは、
巨人化したエレンが壁の穴をふさぐ
という作戦で巨人に食われ死にました。
その死体が、顔の半分がえぐれとられてるという当時本当に衝撃的だった。
マルコが死んだ理由は、
ただ単に巨人に殺されたわけじゃない…。
ライナーとベルトルトとアニによる、
自分達の作戦の理由をきかれたからという、残酷な出来事によるせいだった…。
ただただ死を待つって怖いな…。
どんな気持ちだったんだろ…!!

自分たちの街を取り戻すため
巨人がいるであろう街に繰り出す調査兵団
敵の巨人たちも勢ぞろいし、
サルの巨人をリヴァイ兵長たちが、
超大型巨人(ベルトルト)をエレンたちが
相手をすることになる。
サルの巨人と、
その近くにいる普通の巨人を倒すために、
エルヴィン団長と
新米兵士たちがおとりになり、
とどめはリヴァイ兵長がするという作戦に。
新米兵士たちは、これから自分たちが死ぬ、
という自覚を持ち震え始める…。
鹿児島県の「知覧特攻平和会館」での
講義を思い出した。
特攻に行くと決まって、出兵前までは
近所の子たちと楽しく遊んでいるが
前日の夜は、宿舎で忍び泣く…。
進撃のあのシーンを見て、
知覧特攻平和会館」で感じた時と同じような
胸がぎゅーっと締め付けられる感覚になった…。

エルヴィン団長と新米兵士たちの
犠牲おかげで、リヴァイ兵長は普通の巨人を倒しながら
サルの巨人に近づいて戦うことができる。
その時のリヴァイ兵長のかっこよさ…!!
敵が把握する前には、足も眼もつぶしている。
犠牲の上に成り立ってるので、
こういう時に、キャラクターに、かっこいい、
って思うことをためらうんですが、
…でもかっこいい。
ユニバで、
進撃の巨人」のVRやってくれないかな。
絶対行くわ。

そして超大型巨人を相手している、エレン側。
超大型巨人の相手をエレンとアルミンが、
生き返った鎧の巨人(ライナー)の相手を
その他同期のメンバーがすることに。
メンタルは弱いが、
状況判断とカンが鋭いアルミンは、
超大型巨人をひきつけるために
自分が犠牲になる…。
元仲間である、
超大型巨人のベルトルトの
熱風を食らい続けるアルミン…。
アルミンは焼け焦げ犠牲になったお陰で、
巨人化したエレンはベルトルトを仕留めることができた…!!

仕留めれたが、屋根の上で、
エレンの目の前で倒れているのは、
焼け焦げたアルミン…。
ずっとずっと、
エレンとミカサとアルミンは、一緒だった…。
そのアルミンが人類を救うために死んだ…。
…が、よく耳を澄ますと、息をしている…。

サルの巨人を瀕死にしたが仕留め損ねた
リヴァイ兵長がエレン達のもとに戻ってきて、
普通の巨人になる注射を1本持ってきた。

普通の巨人になり瀕死の超大型巨人を食わせたら人間に戻って生き返らせれる。
そしてそこに、サルの巨人から
何とか生きていた新米兵士が、
死にかけのエルヴィン団長を背負ってくる…。
これからのためにもエルヴィン団長を
生き返らせたいリヴァイ兵長
新米兵士とハンジ。
アルミンのひらめきがあったから何度も
危機を乗り越えてきたと訴えるエレンたち同期。

ここの葛藤がえぐすぎる…。
エルヴィン団長とアルミン、
どちらを生き返らすか。
この場面が、前シーズンの、EDさいごのシーン。

「お前ら…、自分で何をやっているのか、
 わかっているのか。」

結局、エルヴィン団長を生き返らせることに。
生き返らせるには、
巨人化させなきゃいけないため、
リヴァイ兵長以外の人間はいったん離れる。
そして巨人化し生き返ったのはアルミン…。
リヴァイ兵長はエルヴィン団長に注射を打つ直前、

「先生… …に… いないって…
 …やって調べたんですか?」

と意識が伴っていないような声を聞く。
それを聞いて、エルヴィン団長の復活をやめる…。
エレン達が再びリヴァイ兵長のもとへいき、
なぜアルミンを復活させたか聞く。

「一度は地獄から解放されたこいつを、
 再び地獄に呼び戻そうとした。
 だがもう、休ませてやらねぇと…。」

もうこれ以上地獄(現実)で生きるのを
やめさせてあげよう、と…。
そしてエルヴィン団長は、息を引き取った…。

はぁー、悲しいなー。
今回、まだ6話しか見ていないけど、
犠牲がめちゃくちゃ大きい。
おかっぱの新米兵士も死んじゃったしな。

べルトルトは注射を打たれて
巨人化したアルミンに食べられたけど、最期食べられる時、
「アニ!!」って言ってた…。
切なすぎる…。

ライナーとサルの巨人はどうなんだろ。

リヴァイ兵長とジャンとハンジが
殺すのをためらっているせいで、
敵が仲間に連れ去られたとき、
うぁーーーってなった。

でも、ハンジが生きていてよかった!!
仲間に助けられて生きていたのか…!!
自分のために仲間が死ぬって辛すぎる。
本当にいろいろと紙一重なんだな。
ハンジは、「NARUTO」のテマリと
同じ声優でもあるから、
だんだん好きになってくる…!!

【ネタバレ・再視聴】

 

前回見た時、ユニバで進撃の巨人VRやってくれたら絶対行くって言ってたけど、めっちゃ夢かなっててちょっと笑った。

でも乗った時正直今ほど進撃の巨人はまってなくて、どんな乗り物だったかちょっとうろ覚え…。

私らが馬車に乗ってて、エレンやリヴァイたちが獣(サル)の巨人から逃げれるよう誘導してくれてた気がする。

でも結局獣の巨人にぶん投げられとんでもないスピードで地面?にぶつかったのは覚えてる。

ちゃんとしっかり進撃の巨人を読み込んで乗ればよかった…。

 

特攻した新兵の中にいたおかっぱのマルロ。

マルロは正義感故、自分の保身しか考えない先輩ばかりいる憲兵団から調査兵団に途中入団した。

憲兵団にいてたとき、まだ正体を隠していたアニとの会話が印象的。

 

マ「(憲兵団の)上に立つ以外ないだろ それまでの間は… 屑になってもいい… なんだってしてやる

 だが上にたったら給料分はきっちり働かせる 税をちょろまかしたり不当に土地を奪った奴らには相応の報いを浮けさせる」

ア「あんたはそれで 自分か身内がひどい目にあったりしたの?」

マ「……!…いいや?だがそれらの悪行は誰でも知ってる事実だろ?とにかくな死ねとはいわん だが恥を知ってもらう

 理性がないってことはところ構わず排便する動物と同じってことを… ただ普通の人間に戻す… それだけだ

 人本来の正しい姿に…」

 

そのあとマルロはアニから、「自分等は正しい人間ではないけど普通の人間」ということをいわれ、

 

マ(正しい人… か 全員が正しい人であることを前提とした仕組みに問題があるのなら 変わるべきは人じゃなくて… 仕組み… の方… なのか…?)

 

憲兵団の偉いさんになって仕組み変えるフラグ立ってるけど実際は調査兵団に途中入団し、獣の巨人の劣りになってあっけなく散る最期だった…。

マルロのいきすぎた正義感やくそ真面目な考えは共感できてたから死んだのつらい。

 

そしてリヴァイが獣の巨人を斬りこむシーンは何度見てもかっこいいな。

そこだけでも繰り返し何回も見た!

進撃の巨人」の戦闘シーンほんますごい。

 

あと、鎧の巨人(ライナー)を仕留めるために、ミカサ、ジャン、コニー、サシャの104期生が相手になるところの流れ好き。

4人の中では1番リーダーシップの取れるジャンの作戦で、みんな動くことになった。

作戦とは、雷槍がみんなのあわせて残り3本しかないから、まずジャンが体をはっておとりになって鎧の巨人をひきつけるところから始まる。

そして、コニーとサシャが雷槍一本ずつ両顎にぶち込み、その勢いで開いた口の中にミカサが最後の雷槍をぶち込み、鎧の巨人の中身ライナーをうなじから出すという作戦。

作戦はジャンがひきつけるところまでうまくいくが、サシャが雷槍の撃ち込みを失敗し、返り討ちにあってしまう。

口が開かずミカサは次の雷槍を撃ち込めずにいる。

しかし、やるしかない、と鎧の巨人に攻撃しようとするが、気を失ったサシャを抱えるコニーが雷槍の消費はもったいないし仕留めれる確率も少ないためミカサを止める。

が、

 

「いや、よくやった!」

 

と、死んだと思われていたハンジが突然立体起動装置で飛んできて、雷槍を鎧の巨人の右顎にぶち込む。

 

「ハンジさん!!」

 

鎧の巨人の口が開く。

 

「いまだ!!ミカサ!!」

 

ハンジの号令とともに動いたミカサは鎧の巨人の舌にのり、雷槍をぶち込む。

 

…このハンジの頼れる上司感ヤバイ。

104期生も希望がわいたというか引き締まったというか、うれしかっただろうな。

ハンジ自身戦闘能力はそこまで高くはない。

序盤で鎧の巨人を倒すためにミカサと2人で目ん玉を雷槍に撃ちつけるという奇襲作戦も、ミカサはピンポイントでできてたけどハンジは若干ずれていた。

だから、ミカサとリヴァイだったら完璧にできてたんだろうな、と残念に思っていたので、ここでハンジがちゃんと決めてきたのもなんかすごいうれしかった。

しかも作戦きいてなかったのにちゃんと理解してるのすごすぎる。

 

 

 

イントゥ・ザ・サン

主演:スティーブン・セガール

 

外国人排斥を公約した東京都知事が殺され、アメリカのCIAはやくざの仕業とみて代理人のトラヴィスに調査を依頼。

ラヴィスが探っていくとそのやくざ組織は、中国のマフィアと手を組み、急激に成長していて…!

 

 

難しかった…。

大まかな組織の構造はわかったけど、わからないところが多かった。

ものがたりが主人公に沿わず、序盤から人がいっぱいでてくるものがたりになれてないから、最後まで面白く感じれなかった…。

ジャンルもやくざ映画という普段見なれてないものだし…。

 

アメリカを舞台に日本人が出演してる映画は割りと馴染んでて好きだけど、今回みたいに日本を舞台に外国人がでてるのは、規模が小さく感じてすごい違和感だった。

人物たちの移動が多く、背景カットもたくさんあったので、舞台を広く使おうとしてるのかなという感じは見えてくるけど、東京の庶民的な建物だったり狭い道だったりが規模小さくしてる原因なのかな。

外国人俳優が映えず浮いてた…。

アクションも日本人俳優の殺陣は見なれてるので普通にみれたけど、主人公が刀振り回してるとき、あんまり腕あげてなくて、ギャグっぽく感じてなんか違和感だった…。

 

たぶんそもそも冒頭からものがたりに入り込めてないからこういう細かいところも気にしてしまったんだと思う。

ボヘミアン・ラプソディ

主演:ラミ・マレック

 

インド生まれの両親を持つアフリカのザンジバル生まれのフレディは、ロンドンのライブハウスにいたボーカルが抜けたバンドに、自分をボーカルに入れないかと声をかける。

その場で聞いた歌声に惚れたメンバーはフレディを仲間に入れ、バンド名を「クイーン」にし、大スターへと昇っていくが…!

 

【ネタバレ】

 

感想っていうかあらすじまとめみたいになりました…。

ラストまでネタバレです。

 

フレディの本当の名前は「ファルク・バルサラ」。

両親がゾロアスター教という宗教の信者で、フレディは自分の生い立ちをよく思っていなかった。

だから「フレディ・マーキュリー」に改名し、「クイーン」メンバーや恋人メアリーにも自分の出自を伏せていた。

父親はフレディを、「良きパールシー(ゾロアスター教徒)」に育てたがっていたため、改名してまで生きていこうとするフレディをよく思っていなかった。

 

フレディは「クイーン」としてどんどん成功し、大スターになっていく。

ツアーで遠距離ながらもメアリーとは恋人関係が続いていた。

 

しかし、自分はバイセクシャルではないかと気づき始め、メアリーに正直に告白する。

そこから二人の関係に溝ができ、フレディが音楽に没頭する間、メアリーは新しい彼氏を作る。

フレディはメアリーを心から愛していたようで、精神的に崩れていく。

さらにアルバム発売の記者会見の際、記者たちはフレディに、

 

「スターとしての生き方にご両親から何かコメントは?」

性的嗜好に関するうわさをどう思いますか?」

 

と、フレディの暴かれたくないことを暴かれ、聞いてほしくないことを質問する。

精神的にどんどん追いつめられていく。

フレディは、誘われていたソロへの道を決める。

「クイーン」のメンバー三人に、ソロ転身することを打ち明ける。

 

「同じ作業を繰り返すうちバンドは死ぬ。曲を作るたびもめたくないだろ?誰の歌をアルバムに入れるか、シングルカットはどうする?誰が何をかいた、誰が一番ギャラをもらうか、B面をどうするとか全部いったんやめよう!」

「フレディ、バンドは家族だ。」

「違う!全然!!家族じゃない!!お前たちにはいるだろ?子どもも、かみさんも!でも俺は…。」

「手に入れた400万ドルで家族を手に入れれるかもな。」

「……。」

 

こうしてフレディのわがままでバンドを抜けソロで頑張ろうとするが、メンタルはどんどん落ちていき、うまくいかない。

さらに自身のエイズ感染が発覚。

もう自分には時間が残されていない。

「クイーン」メンバーに、また一緒に活動したい、と頭を下げるフレディ。

メンバーはいくつか条件を提示したのち、再度活動していくことを許した。

「クイーン」復活ライブは滑り込みで参加することになった、「ライブエイド(飢えで苦しむアフリカの子どものためのチャリティライブ)」に決まった。

出演者はノーギャラで参加する。

フレディは、両親のゾロアスター教の教えを絡ませ、

 

「善を思い、善を語り、善を為す。全部父さんから教わった。」

 

と父に言い、2人は熱く抱き合う。

ライブの中継は世界中にされている。

もちろん大盛り上がり。

 

そしてフレディは、エイズの肺炎により、1991年45歳で永眠する。

 

 

うーん、重かった…。

その分見ごたえはあったけども。

曲はほとんど知っていたので、こういう日本語歌詞だったのかとか、こうやって生まれたのか、という楽しみ方もできた。

フレディは、自分の出自とバイセクシャルであることにずっと悩んで、だから音楽でどんどん進まなきゃってがむしゃらに動いている印象を受けた。

成功者って何かしらコンプレックスを抱いてる気がする。

逆に言ったら、コンプレックスがあるから、成功してるのかもしれないけど。

メンバーが情のある常識人で良かった。

ドラムの人ジャニーズ顔でめっちゃ可愛かった。

怖い絵本 16~18話

見えない世界を描くちょっと怖い絵本をNHKが10分のアニメに。

俳優たちが絵本の物語の導入と朗読を担当し、不気味な物語を盛り上げる…!

 

 

何か思ってたのと違ったな。

京極夏彦さんが話を作った「いるのいないの」という絵本がガチで怖くて好きで、それがこのアニメのシリーズの一つにもなってるから、他のも見てみたいなーと思って視聴。

16.17話は、確かに子ども目線だと不気味で目に見えない出来事だけど落ちは普通にほっこりするので、別に怖くはなかったかな。

18話は、最後子どもの笑顔が逆に怖いという展開なので、こわって思ったけど。

 

絵本を読むまで役者が演じてそこからアニメに入るっていう流れは好き。

DESTINY 鎌倉ものがたり

主演:堺雅人

 

鎌倉に住む作家の正和は、ずいぶん若く純粋なあき子と結婚する。

しかしあき子は、幽霊も魔物も当たり前に存在する鎌倉の生活になかなか慣れず…!

 

【ネタバレ】

 

映像がすごかった。

昭和レトロな世界観も好き。

鎌倉の生活や町並みは昭和っぽいけど、100均って言葉があったから現代なのかな…?

こたつカバーや食器などの日用品が昔っぽく、あき子のもさい服も華奢な高畑充希さんに逆に似合ってたし、全体的にレトロ可愛かった。

 

話は、メイン夫婦のストーリーより脇キャラたちのストーリーの方が好き。

 

正和の仕事仲間である本田は急死するが、遺してきた妻子が気になるため魔物の姿になって現世にとどまる。

遠くから見守っていると、妻に好意を寄せてるっぽい男の姿が…。

デートもしてるし妻も子どももまんざらじゃない様子。

魔物姿の本田からしたら、もちろん自分自身で妻子を幸せにしたい。

でもそれができないから、せめて誰かいい人を見つけて二人には幸せになって欲しい。

けど実際目の前にそういう男が現れると悔しくて腹が立って…、本田は直接男に怒りをぶつける。

だけど、魔物相手にも屈せず本当に妻を愛している男の様子に、悔しくて涙する本田。

結局本田は相手の男を試しただけであって、本当にやっつけてやりたいとかではなかった。

だって魔物姿の自分はなにもできないから…。

 

こういうそれぞれの葛藤を丸々2時間半この世界観のなかでで描いてほしかったなーって思った。

人間も幽霊も魔物もいろいろ思うことはあると思うから。

もちろんこういうサブストーリーはいくつかでてくる。

黄泉の国に行く夫婦とか、嫌われものの貧乏神とか。

 

が、あき子が間違って死んでしまうところから、展開についていけなくなる。

ついていけなくなるっていうか、ストーリーの展開が見えてしまう…。

ここからの展開は、黄泉の国のあき子を連れ戻すため旦那の正和が頑張って向こうへ行き、たどり着いた黄泉の国で一悶着起こるけど夫婦の愛の力と正和の頑張りで乗り越えるんですね、みたいな。

もう読めちゃう…。

だから途中から萎えてもういいわってなった…。

もちろん最後までみてますけど。

 

中盤までの、人と人と繋がりのなかに愛はちゃんと感じられてほっこりしてたので、後半めちゃくちゃベタベタの愛を押し付けられて、逆に安っぽく思ったかな。

新解釈・三國志

主演:大泉洋

 

蜀を支配していた劉備軍だが、大将の劉備は弱腰でなるべく戦にはでたくない性格。

しかし魏の支配者だった曹操が、帝に続くポジションにまで上り詰め、強くなった曹操軍を迎え討つために、劉備軍は孫権軍と手を組む…!

 

【ネタバレ】

 

三國志の知識がほぼない私でも意味がわかって楽しめた。

あれだけたくさんの登場人物を、ごちゃごちゃさせず個性を出して楽しませられるのすごい。

 

最初は、福田監督作品の独特の間延びしたやり取りと、登場人物の動きなどははしょった“語り”で終わらせられるため苦手だったんだけど。

みていくうちに、登場人物の個性やおかれてる状況がだんだんわかってくるので、そこからは独特のやり取りが面白くなってきた。

 

諸葛孔明の嫁が1番カッコよくて笑った。

劉備軍の大将劉備に様々なアイデアを出す頭の切れる諸葛孔明だけど、その実、アイデアを出してるのは全て諸葛孔明の奥さんだった。

劉備諸葛孔明を頼るたび、諸葛孔明はひそかにその奥さん…、鬼嫁を頼っていた。

 

嫁「お前まじで、あたしが頭いいからって、安請け合いしすぎなんだよ!お前ひとつたりとも考えてねーじゃんか!?」

孔「俺は営業担当だろ!?」

嫁「偉そうにいうことじゃねーんだよ!!」

孔「ごめんなさい。ごめんなさい。」

 

いや笑う。

諸葛孔明が営業担当ってなに??

 

そしてクライマックス。

劉備軍と孫権軍が手を組み、いよいよ曹操軍と戦うぞというまえ。

諸葛孔明を中心に作戦会議が開かれる。

曹操軍ではどうやら現在疫病が流行っているらしい。

今こそ攻めいるときだ。

しかし弱腰の性格である劉備は、今あっちに攻めいったら疫病をもらってかえるだけだと戦から降りようとする。

それを止める諸葛孔明

 

孔「んー、マスクをすれば平気ですからぁー。」

劉「んーーーー。まずいまずいまずいまずいまずい。帰ろう!?火、飛んでくるから。風向きこうなんだから!あっちからバンバン飛んでくるから!だってマスクの目なんてのは全然、マスクの目こうだとします。そしたらもう箘てこうですから、マスクの目ぴゅ~ん!ってすり抜けてガーン!目のなかはいってきますから、“ガッテン!”でみたから間違いない!」

孔「いやノーガッテンです!ノーガッテンです。ノーガッテン。ノーガッテンノーガッテン。」

 

こいつらなんの話してるんやww

 

他にも、アメリカっぽい腰降りダンスを踊る踊り子(仮の姿)や、人の意見に左右されまくる純粋バカな軍の大将孫権など、とにかくキャラ一人一人の個性が際立ってた。

福田監督の作品は「勇者ヨシヒコ」がすごく好きなんですが、映画ではこれが一番かも。

続きがあれば是非みてみたい。

 

夜市

いずみが男友達に誘われて
奇妙なお祭りから出られなくなる「夜市」、
少年二人が興味本位で冒険した小道で
現実ではありえない人や出来事に遭遇する
「風の小道」…、2編が入ったホラー小説。

【ネタバレ】

あとがきでもあったが、「これがホラー小説?」
と思えるほど出だしからファンタジックだけど、
読み進めるうちに、
これがファンタジーなのかホラーなのか
どうでもよくなる。
それほど面白い…!!

「夜市」、薄暗い奇妙な描写もそうだけど、
異世界に迷い込む不安がもうね。
中盤から物語の展開に目が離せなくて
あっという間に読み終えた!!
すっごく面白かった…!!
だけど落ちが、
完全なるハッピーエンドではなくて、
いろいろ考えたな。
その後の続きを見たいというか、
最後はいずみ何考えてたんやろうとか。

「風の小道」はもっとブルーになった…。
序盤は、少年二人で歩いてて、
トラックが自分らが歩いている道を
通り抜けるところ、わくわくしたなぁ。
ファンタジー物語の序盤にある、そういう、
現実ではない違和感を感じられるシーンが
好き。
ここは何?これから何が起きるの?みたいな。
この二作は序盤から一貫して
不気味な雰囲気が漂っていたけど。
でもやはり、好きだそういうの。
後半は切ない…。
死人として小道を歩きたがっている友人の
お札と包帯をはがしてやる主人公の気持ちよ…。
あの頃になったら覚悟はできていたんやろうが、
それでも自分の手で友人をいかしてやる
っていうのが辛い…。
死を扱うのに都合いいことないよね。
コモリって、小森、なのかな、現実の世界では。
現実にあるどんな世の中のためになるものも
悪用されることは往々にしてあるわけで…。
異界の道も悪人が利用したら、
そういう風になるのか、と憤りを感じたわ。
ちゃんと制裁されてよかった…。
でも現実世界では、
死んだという事実はないから、
警察にリュックを届けた人は
疑われていないか心配。

あー、二編とも怖くて今もその世界に
どっぷりつかって不気味な気分だけど、
やはり面白かった。
ほかの作品も読んでみたい。
だけどやはり怖い。

【ネタバレ・再読】

 

まじで面白かった。

この作り込まれた世界観を、「夜市」は7~93ページ、「風の古道」は97~210ページでおさめられるの本当にすごい。

 

そもそも、これを再読したくなったのは、こないだ読んだ不気味系小説に影響されてそういうのを読みたくなったから。

で、パッと頭によぎった「夜市」はまえにすぐ読めたので手に取った。

再読してわかったけど、この小説は文章に難しい言葉が使われていない。

だからさくさく読める。

でも読んでてしっかり情景やキャラの切ない気持ちが伝わってくるので、すごい。

もうすごいしかいえん。

 

「夜市」も「風の古道」も異世界に翻弄される主人公と、主人公を助ける異世界の事情を知る救世主が現れる。

その救世主が語る自分の過去から、その世界のルールが見えてきて、読んでて、これこういうこと!?って理解するのが面白い。

そして2つの作品とも、主人公の想いや救世主の努力もむなしく、犠牲者がでてしまう…。

助けられなかった辛さもあるから後味は確かによくはない。

しかもただその人たちがからだ的に犠牲になっただけじゃなくて、心的な意味でも、あれは助けられなかったよねってなるからつらい。

だけど、主人公が解放されたというハッピーエンドもあって、読み終わったあとは感情がぐちゃぐちゃでいろいろと余韻がヤバイ。

 

とにかくまぁ、すごくてヤバイ作品でした。

アニメ化してほしいわ。

実写化はされたとしても怖くてみれない。

進撃の巨人Season3 1~6話

調査兵団104期生たちは新たに
リヴァイ班に組み込まれ、
そして調査兵団解散の危機…、
進撃の巨人3期アニメ。

【ネタバレ】

Season2を飛び飛びでしか見ていないので、
設定をあまり理解していない…。
あらすじもうまく書けない。
もう単純に巨人との戦いというのは
ないんだな…。
今見た6話までは巨人は出てきていない
(回想ではある)。
もはや人間同士の争いで、難しい…。

エレンに巨人の力を託した?
のはエレンの父だったり、
ミカサの先祖が戦闘に
たけてる民族っぽかったり、
いろんなことが明らかになってきて面白い。
ヒストリアの父が、
巨人化できる脊髄液?をなめて
巨人化して、エレンとヒストリアを襲う、
というところで終わったから、
ものすごく続きが楽しみ…!!
やっぱり面白いわ!!

【再視聴・ネタバレ】

 

このアニメ(漫画)は難しい設定が多いけど、「戦う」「巨人の力を手に入れる」など目で見て楽しむシーンが多いため、意味わかってなくてもある程度意味わかるので、中だるみがなくサクサク楽しめる。

 

調査兵団のハンジと一般人リーブス会長の息子の会話が好き。

 

息「俺の証言なんか意味ねーんだ!俺が現場にいたこと、もう中央憲兵にはばれちまったみたいだ。もう俺の居場所はどこにもねェ…。この狭っめー壁の中を逃げ回るしか、俺の人生は…!くそっ…!」

ハ「…まぁ、そうかも…。だけど、私ならそんな人生は嫌だね。」

息「……。」

ハ「こうは思わないか?フレーゲル。一生天敵におびえてネズミのようにこそこそ生きてくくらいなら、命をなげうってでも、その天敵に一矢報いてやろうと。」

息「思わねーよ!!誰もがあんたらみたいな死生観で生きてるわけじゃないんだ!!」

 

ハンジ全然説得できてないの笑う。

めっちゃいいこと言ってんのに。

 

その後息子は自分の意思でハンジたちと手を組み、王政にはむかうことになる。

ハンジたちは、息子の命を狙う中央第一憲兵たちを抑えようとする。

息子はわざと民衆が住む団地のコの字になってる壁際に追い込まれる。

ハンジは、息子に銃を向ける憲兵たちの上から立体起動装置で飛んできて斜め後ろから背中にとんでもない勢いのけりを入れる。

そのまま滑り込んでもう一人の憲兵へ方向転換、体勢を立て直し、銃を向けてくる相手に向かって突進。

発砲をぎりぎりでよけ、右手で相手の頬に拳をぶち込む。

 

…え、女やんなこの人??

(…公式は性別決まってないけど)

ここの流れの勢い良くてめっちゃ好き。

こういう興奮は漫画じゃなくアニメ出ないと絶対味わえない。

一緒に空から飛んできて憲兵をやっつけその直後しばってる部下のモブリットが、

 

分隊長!ワイルドすぎます!」

 

って叫んでるのも好きすぎる。

 

 

劇場版 進撃の巨人 Season2 ~覚醒の咆哮~

巨人を恐れ3重の壁を作って「自分達以外の人類は巨人に食いつくされた」と思い107年間生きてきた人類。

そして5年前、壁の外から「超大型巨人」と「鎧の巨人」がやってきて1番外側の壁は壊された。

壊された穴から次々と巨人が入ってき、たくさんの人が食われ、たくさんの人が住む場所を失った。

…単行本9~12巻をまとめた話。

 

【ネタバレ】

 

ココの話は、それぞれのキャラクターたちが持つ事情が明かされていなかったため、はじめてアニメでみたときは主人公のエレン同様「??」となった。

でも、キャラクターが背負っている事情を知ってみてみると本当に切なくて、つらい。

 

主に、ユミル、ベルトルト、ライナーというわき役3人の話になる。

3人ともエレン達と同じ、104期生の調査兵団の仲間。

しかしユミルという口と目つきの悪い女子は、実は壁の外で生まれた人間…、しかも乞食だった。

ユミルは海の向こうにあるマーレ国の人間に、パラディ島(3重の壁がある島)で巨人になる薬を注射され巨人になった。

もちろんこの時点でエレンら壁の中の人間は誰も海だの島だのの存在すらわかっていない。

そして巨人になったユミルは人間の心を失いながら壁の外を放浪していた。

その間60年…。

逆によく人間(壁の外を調査する調査兵団)に殺されずにいれたものだ…。

そんなある日巨人ユミルがたまたま食べたのが、マーレ国から壁の中の“進撃の巨人”“始祖の巨人”を奪還するよう命じられたマルセルという男の子。

マルセルは、同じ命令を受けた同年代の仲間ライナー(男)、ベルトルト(男)、アニ(女)と一緒にいた。

マルセルは、人間の心を保ちながら巨人の能力を使える‟9つの巨人”の中の1つ‟顎の巨人”を継承(食べて)いた。

ユミルがマルセルを食べたことによって、‟顎の巨人”の能力が移り、人間に戻ることができた。

ちなみにこの時ベルトルト達はすぐに逃げたためユミルが人間になった姿を見ていない。

 

マルセルは食べられたので死に、ベルトルトは「超大型巨人」に、ライナーは「鎧の巨人」になり壁に穴をあけ、街を破壊し、アニとともに壁の中に入った。

その時にちゃっかりユミルも入っている。

 

こうして、ベルトルト、ライナー、アニ、ユミルは壁の中の住人になり、104期生訓練生として過ごし卒業した。

5年間壁の中で過ごしたことになる。

卒業し、ベルトルト、ライナー、ユミルは調査兵団に。

アニは憲兵団に入った。

しかしアニはすでに「女型の巨人」としての正体がばれ、幽閉されている。

が、ベルトルトやライナーが仲間であることはばれていない。

 

そんな中、ユミル、ベルトルト、ライナー、クリスタ、コニーの104期生は武器も立体起動装置もなく、とある塔のてっぺんで人間の心がない巨人達に囲まれ四面楚歌状態になる。

もちろんベルトルトとライナーとユミルが巨人化して戦えば早い話。

だけど、ベルトルトとライナーはマーレ国の任務のため、ユミルはせっかく手に入れた第二の人生を手放したくないため、何も動けずにいる。

 

が、ユミルは迷っていた。

壁の中で5年間一緒に過ごしてきたクリスタという小柄な女の子が特別な存在になっていたため。

クリスタはある事情により偽名を使ってひっそりと生きるよう父親から命じられていて、ユミルはクリスタが偽名であることを知っている。

またクリスタが死にたいからという理由で、巨人と前線で戦う調査兵団に入っていることも知っている。

 

…ユミルはマーレ国時代、物ごいをする乞食の子どもだったが、ある男に拾われ、ユミルという名前を与えられた。

男のプロデュース力?により、人々からかってに「ユミルさま」と崇められ喜ばれたため、ユミルは純粋に人のために生きてきた。

しかしユミル自身になんの力もなかったためか、だんだん「悪魔」と呼ばれ、最終的にパラディ島で巨人にされる刑となった。

だがクリスタは、ユミルの過去どころか巨人になれることすらも知らない。

 

ユミルは以前、偽名で生きていてかつ自殺願望のあるクリスタに声をあらげ感情を吐き出していたことがある。

 

「偶然にも第二の人生を得ることができてな 私は生まれ変わった!だがその際にもとの名前を偽ったりはしてない!ユミルとして生まれたことを否定したら負けなんだよ!私はこの名前のままでいかした人生を送ってやる!それが私の人生の復讐なんだよ!」

 

ユミルはもうクリスタを守るためならなんだってできるようになっていた。

そして、塔の上で覚悟を決めたような表情になり、クリスタに言う。

 

「クリスタ… お前の生き方に口出しする権利は私にない だからこれはただの… 私の願望なんだがな お前… 胸張って生きろよ」

 

ユミルは自ら塔から落ち、心のなかで呟く。

 

(クリスタ… 私もだ 自分なんて生まれてこなければよかったと思ってた ただ存在するだけで世界に憎まれたんだ 私は… 大勢の人の幸せのために 死んであげた …でも その時に心から願ったことがある もし生まれ変わることができたなら… 今度は自分のためだけに生きたいと…)

 

ユミルは巨人化し、たくさんの巨人と戦うことになった。

 

その後、ほかの調査兵団に助けられ、ユミルは瀕死で塔の上の104期生たちも全員助けられる。

みんなユミルの巨人化に驚いている。

 

ベルトルトとライナーは、もう実行しよう、と、目的の‟進撃の巨人”を継承しているエレンと、マルセルを食べて‟顎の巨人”を継承したユミルを強引に連れ去り、故郷マーレ国へ帰ろうとした。

“9つの巨人”を継承した人間は回復が早いので、ユミルもなおって元気になった。

道中、ライナー達はユミルに取引を持ちかける。

俺たちにつけばユミルの命は保証できないがクリスタだけはマーレ国で守ってやれる、と。

ユミルは考える。

壁の外を知るユミルからしたら、「壁の中の世界」はとてもちっぽけで、マーレ国を含む「壁の外の世界」はとても強大だ。

巨人の知識も豊富で、今回壁の中に攻めてきた猿の巨人は今まで知らないくらい強くて近づくことすらできなかった。

このまま壁の中にいたっていつか世界から攻められ、未来はないだろう…。

クリスタにはなんとしても助かって欲しい…。

ユミルは、ライナー側につくことにした。

クリスタをさらって一緒にマーレ国に行く、と。

そしてユミルはベルトルト達と話している最中、自分が食べたのは彼らの仲間だと知る。

さらに、ベルトルト達がおかれている立場もなんとなく理解する。

 

クリスタも拉致し、ライナーは‟鎧の巨人”になってベルトルト、ユミル、拉致したエレンと逃げるが当然追ってくる調査兵団

調査兵団はたくさんの犠牲者を出しつつも、104期生たちがライナーの身体に乗るまで到達した。

ライナーの両手が、ベルトルトとエレンを守っている。

同期のジャンやコニーがライナーの手の中のベルトルトに訴えかける。

 

コニー「全部嘘だったのかよ…!?どうすりゃみんなで生き残れるか話し合ったのも おっさんになるまで生きていつかみんなで酒飲もうって話したのも… 全部… 嘘だったのか?」

 

事情を知らないエレン達からしたら許すことのできない殺人犯だけど、ベルトルトもライナーもアニも、マーレ国から命令を受けただけの末端戦士に過ぎない。

マーレ国で虐げられている自分達エルディア人が戦士に選ばれると自分と家族はいい暮らしができるから頑張って戦士になった…。

彼らは壁の中の人間は悪魔だときかされて育ってきた。

任務当時まだみんな10歳とかだったし世界を俯瞰して何が正しいとか見れる知識も経験もなかった。

だけど実際に壁の中にいたのは、入隊式の時に芋を食べるバカや、自分のことしか考えない不真面目なやつや、人のことばっかり考えてるくそ真面目なやつ…、自分達と同じただの人間だった…。

 

ベルトルト「だっ… 誰がッ!!人なんか殺したいと!!…思うんだ!!誰が好きでこんなこと!!こんなことをしたいと思うんだよ!!人から恨まれて 殺されても… 当然のことをした 取り返しのつかないことを… でも… 僕らは 罪を受け入れきれなかった… 兵士を演じてる間だけは… 少しだけ 楽だった… 嘘じゃないんだコニー!ジャン!確かにみんな騙した… けど 全てが嘘じゃない!本当に仲間だと思ってたよ!!」

 

戦士に選ばれたベルトルト達は一生懸命任務を果たそうと、壁の中のたくさんの人を殺した。

そしてそのあとエレン達仲間ができることでより罪悪感がました…。

でも自分達がやったことの重さを受けいれきれないから兵士をやっているときは自分をごまかせて気持ちがましだった、と。

ライナーに至ってはかわいそうに精神が変になり、多重人格者にまでなってしまっていた…。

ライナーも本当はずっと、頼れる兄貴分でいたかったはず…。

 

マーレ国うんぬんの事情を知らない104期生調査兵団だが、葛藤する表情になる。

エレンは調査兵団団長によってなんとか助けられる。

そしてエレンは本人もわかっていないが実はもう一つ継承していた‟始祖の巨人”の能力を無意識に発動した。

有象無象の巨人たちがライナーたちを襲うことに…!!

このエレンの能力を見たユミルは、「壁の中にも未来があるかも」と、クリスタとともに調査兵団に混ざり戻ろうとした。

が、‟鎧の巨人”のライナーがやられそうだしベルトルトも叫び声をあげてる。

ユミルは、クリスタに別れを言い、自らの意思でベルトルト達の元に戻り、応戦した。

 

命からがら巨人を追い払い、安全な壁の上にいる3人。

ユミルがこれからライナーたちとマーレ国に帰ったところで、‟顎の巨人”継承のために別の戦士に食べられることは分かっている。

ライナーたちに自分の死を止められる権力がないのも分かっている。

自分とクリスタが助かるためなら調査兵団のところへ戻っておけばよかった。

 

ライナー「ユミル… なんで俺たちのところへきた?」

ユミル「あぁ… そりゃ 私がバカだからだな 里帰りのお土産になってやってんだよ 手ぶらじゃお前ら帰ってくれねぇだろ」

 

ベルトルトもユミルに聞く。

 

ベ「ユミル… なんで… 僕を助けてくれたの?」

ユ「お前たちの境遇を知ってるのは私だけだしな… 私も同じだよ… 自分じゃどうにもならなかった」

ベ「…ありがとう ユミル… …すまない」

 

ベルトルトは涙を流しお礼を言う。

そしてユミルはライナーたちとマーレ国へ向かった…。

 

みんな切ない…。

ベルトルトらはまだ10代なのにいろいろ背負わされてる。

故郷でも期待は大きいし、人殺しにならないといけないし…。

そしてその事情を相談できないから、当然すべての罪の対象がライナーたちに向く。

つらい。

 

ユミルもつらい人生だけど、第二の人生をとても前向きにとらえててすごくかっこよく感じた。

「胸張って生きろよ」に重みを感じる。

自分も胸はって生きたんだしね。

ユミル本当に好き。